父親の真似
家に帰ると、母と母の彼氏が家にいた。
こっちなんか見ていない。
手洗いをして、すぐに二階の自分の部屋へ
行った。
片親…はぁ。
ケータイを開くと一件メールが来ていた。
受信メール 1/500
差出人 B子
『今日のことは忘れてくれ』
よほど恥ずかしかったのだろう。
忘れないようにしておこう。
返信をして、課題を済ませた。
そして寝転がった。
階段を上る音。スリッパ…?
コンコン
母彼「あ、あのさぁー」
C「…」
ガチャ
C「何ですか?」
母彼「あ、えっと、ご飯食べよう!」
C「…」
母彼「お、おいで…?」
C「あなたはお父さんじゃない」
母彼「え、え?」
C「お父さん気分にならないで」
母彼「あ、あはは…努力したけど、やっぱダメだった…かな?」
C「……」
母彼「そうだ、ごはん、持ってこようか?」
C「自分で取りに行きます。すみません」
母彼「う、うん、そっかそっか」
二人で階段を下りた。
後ろにいる母彼。
気分が悪い。
母「あら、おかえり」
母彼「あ、えっと、二階で食べるって…」
母「そうなの…慣れないわね…」
母彼「あ、あは…ほら、複雑になるし…さ」
自分の何が分かるの?
父親でもないくせに。
トレイにのせた夜ご飯を、持って行った。