ここは。
目が覚めたら保健室で、涙が入った瓶は
近くの机に置いてあった。
カーテンで周りが見えないが、これはベッドだ。真っ白なベッドに寝ている。
それ以外は、とりあえず考えたくない。
A子「失礼しまぁーす」
A子の声だ。
今は誰にも会いたくない気分だ。
A子「お!起きてるじゃーん♪」
C「あ…あはは」
A子は、ベッドの横にあった椅子に座った。
B子も一緒にいる。
A子「凄かったんだよぉ〜!授業中に教師が呼び出されて、何処か行っちゃってさぁ」
C「う、うん…」
A子「どうしたのかなぁと思ってて、自習…というか遊んでたら」
C「…」
A子「Cが、先生たちに おんぶされて運ばれてるの!」
A子「何してたのさぁ〜!もぉー♪」
C「あはは…」
A子みたいに、突っ込まれると辛くなる。
言いたくない、話したくないという気持ちになってしまう。
だけど、B子のように黙っていられるのも辛い。
気遣ってくれて有難いけど…今は…
自分はワガママだなぁ…
A子「あれ…C?」
C「あ…ごめん、ちょっとボーっとしてた」
A子「……」
C「A子?」
A子「もしかして、いやだった…とかは」
C「ううん!全然!寧ろ嬉しいよ!」
A子「気は遣わないでね…こっちも全然大丈夫だし、Cも嫌でしょー?」
C「…」
A子「とにかく教室戻るね!それじゃあねぇー♪」
A子が足早に保健室から出ても、B子は動きもしなかった。
自然に保健室には、自分とB子だけになった。
C「B子…?どうしたの?」
B子「……」
C「ほら、戻らないと」
B子「……っく…」
C「え?」
B子「本当に良かったぁ…本当に良かったよぉぉ…うわぁぁぁぁぁん!!」
C「び、B子!?」
B子「死んじゃったのかと思ったんだよ!?何やってたんだよ!!」
C「え…あはっ」
B子「本当に…本当に心配して…はぁー、良かったぁぁ…」
C「B子」
B子「うん…?」
C「ありがとう」
B子「…ふふ」
B子「ま、まぁ!元気出せよ!」
C「B子もね」
B子「う、うるさい!お前のせいだろ!」
B子は立ち上がって出口に走った。
B子「早く帰ってこい」
C「ありがと」
B子はドアをしめた。
B子が泣くなんて…意外だった。