7 妖ノ猫
ぞっとする視線
振り向くと・・・
「起きろ!」
「ひゃあうん!」
ミケの怒鳴り声で目が覚めた。
まだ暗くて夜3時・・・くらいだろう
何故こんな時間に・・・
尻尾でも引っ張ってやろうと思ってミケの方を向く
「もう何?人がぐっすり寝てるトコに・・・へ?」
・・・えと、私はミケの声で目が覚めたわけで、目の前に居るめちゃイケメンで、和服で、黄色の目の少年(でも同い年くらい?)とは面識はないはずで、でも何故かイケメンのこの少年はミケみたいな声で、ミケみたいに私を起こして、ミケみたいな鋭い目つきで・・・・・・・
「ミケ?」
「ん?そうだが?・・・ところで、お前」
「いや!待て!」
何だ!何なんだ!?新手のドッキリか?それとも嫌がらせか!?
「ところでじゃない!何!その格好!?」
「・・・」
「沈黙の意味を答えてくださいな」
そう言うとミケは露骨に目をそらした。
「・・・おい」
苛々がリミッターを超えかけている、低い声でミケを出してミケを睨むとミケは小さく溜息を吐いて
「知らない」
とか言った。
いや、知らんとか?
多感な年頃の女の子の寝てるとこに男の格好して来るとか?
・・・もし、この姿で上で飛び跳ねられたら・・・あぁ、ぞっとする。
「いきなりこの姿になった。貴様のせいだろ」
「人のせいにするんじゃない」
「ほかに原因が見当たらない・・・まぁ、懐かしい姿なもんだな」
くるりとその場で一回転するミケ
「ん?ミケ人間になったことあるの?」
「もちろんだ。俺を誰だと思ってる」
「・・・捨て三毛猫」
「今度そう呼んだら殺す」
ミケはもともと捨て猫だった。
私が親切心で拾って父さんと母さんを説得して家で飼うことになった。
でもこんな偉そうな奴だった。
飼わなきゃよかった。
捨てなおそうと思ったくらいだ。
「はぁ、じゃあ何の嫌がらせなの?つか何で猫のくせに人間になれちゃったりすんの?」
「無論俺がただの三毛猫ではないからだ」
「じゃあ何?」
「金華猫
中国の有名な・・・あの?
「・・・てことは妖怪?」
「当たり前だ」
金華猫って人間に化けて人間をたぶらかす猫の妖怪だったはず。
・・・。
改めまして
「何しにきたの!」
「人の話を聞け!」
怒られてしまった。
・・・申し訳ありませんっ!
勝手に妖怪にしてしまいました!