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本日もおばけと共に登校・・・。
いつまで、この生活が続くのかと考えると、頭が痛くなる。しかし、霊が見えてしまうのは仕方ない。
親に今から駄々言っても無理だ。無理!
「へぇ~。あんた、後ろに変な奴がくっついてるね。しかも、足ないし」
前からうちの学校の制服を見事に着崩している男子高生。みるからに不良。ルックスは最高だけど。
だけど、何故見えるんだろ?
うちは思い切って聞いてみた。
「うちの背中に何かついてます?」
「付いてる。足ないからお化け? でも、いるわけないよね」
『玲子、あいつワシの事が見えてるぞ』
「うん、見えてるよ」
彼は笑顔で答えた。何故見えるのかは分からない。しかも、見えてるだけじゃない。ちゃんと声も聞えてる。
「お化けですよ。れっきとした」
「そうなんだ。じゃあ、お化けちゃんは可愛くないから、こうしないとね!」
彼はポケットから紙を取り出した。いや、紙じゃない。あれには「お札」だ。
彼はそのまま、お札を投げた。お札は空を切って、霊の額にペタッっとくっついた。
「悪霊退散!!!」
次の瞬間、うちの隣にいた霊はすうっっと消えていった。
ちなみにここで書くが、さっきの霊は「ノコシー」である。
「あ・・・・」
うちは口をあんぐり開けていた。
「君、けっこー可愛い顔して霊なんかと、つるんでるの? まぁ、俺には関係ないけど」
「別につるんでるわけじゃないよ。見えちゃうんだから・・・」
「あっそ! じゃ、嫌なら目でも塞いで居れば。あっ、でも前みえねぇな。ダメだ。対処法はねぇ」
彼はそのまま、行ってしまった・・・。と、思ったら早足で戻ってきた。
「お前、俺の背後になにかいる?」
うちは目を凝らしてみてみる。確かに何かが居る。しかし、シルエットはぼやけていて確実には分からない。色は黒。手に何か長いモノを持っている。けど、そこまで。あとは分からない。
「何かがいるけど、ぼやけて分からない・・・」
「そっか。霊と一緒にいるお前でも完全には見えないんだ。あっ、そういえば自己紹介まだだったな。俺は、2年の楠木海斗だ」
「うちは見留玲子」
「ふ~ん。玲と霊ね。なんか面白いな。そんじゃ!」
そういうと、彼はこんどこそ、走って行ってしまった。
彼の後ろにいた、あのシルエットは何だろう・・・?
妙に心にしこりが残った・・・・・。
けっこー、女性視点は難しいですね。
今度は、海斗視点で行きたいと思います。