14
古代の機械です。
ジョンに最悪な形で起こされたウチは、暇つぶしがてらこの前成仏させた日向ちゃんの家に向かった。
そんなに時間もかからずに例の屋敷に着いた。相変わらず不気味だなぁ・・・。
ウチはその屋敷の庭にあるかすれて文字も読めない石碑のところに一人の老人を見つけた。どー考えても幽霊じゃん。なんかじっとウチのこと見てるし。はぁ・・・面倒だなぁ。
「そこのおじいちゃん。ウチに何か用?」
「貴公は我が見えると言うのか?」
「そうじゃなきゃ話しかけないっしょ」
「しかも・・・ふむ。貴公、陰陽師の類だな」
ウチは思わず絶句した。この老人はいきなりウチの正体を見破ったのだ。
「一応除霊とかはできなくもないけど、本職じゃないよ」
「それに貴公は今、複雑な岐路を歩いておるのう」
複雑な岐路?どういうこと?
「では、この老いぼれから助言を与えよう。貴公のこれからの道標の一つとなればいいがの」
もう老人はこっちのことなんか気にせずに話しはじめた。何なのかなぁ・・・。
「伊吹に酒吞の童子あり。因幡は白き兎が渡り、月影に御車うつる。山は鴉天狗が揚々と。妖なるものは幻想の郷里にて、夜の鳥に憑きて宵闇となる」
ウチは老人が何を言ってるのかサッパリだったが、何故か頭に入って消えない。
「理解はおいおいしていけば良い。これを生かすも殺すも君次第という訳だ。ではな、陰陽師の末裔よ」
老人はどんどん薄くなっていく。ちょ、ちょっと待って!
「アンタの名前は!」
「安部の名を受け賜わりし清き明星とでも言っておこう」
そう言って老人は消えた。成仏したわけじゃなさそうだ。でもって、当面の問題は老人が残した意味不明な言葉だ。いくら考えても分からない。
いきなり、ウチのケータイが鳴り出した。親からの電話だ。そろそろ昼だから帰ってこいって言われた。
ウチは、もうそんな時間かーと思いながら、自宅へと向かった。
遅れてしまって大変申し訳ありません。
今回は黒竜さんが和風だったので、自分もそうしてみました。
下手ですが。