ルーズリーフ
私たちは、ページをめくるように、明日へ進む。
それは、いつだって変わらない。
でも、思い出すのはいつだって、断片的な、あの笑顔だったり、怒った顔だったりする。
まるで、バインダーから、ルーズリーフを取り出すかのように。
パラパラと捲って、その一枚を開いて取り出して。
懐かしくて、恋しくて切なくて、いろんな思いを交差させて。
くしゃり、丸めて捨てる。
ルーズリーフの束と、記憶は一緒。
新しく入れれば、パンパンになってしまうから。
適度に古いものを、いらなくなったものを捨ててゆく。
未来を見るために、過去を捨ててゆく。
ほら、また一枚、捨ててゆく。