六話金策、ただし無策でした
「いやーー、う○こって意外とうまいんやなーー、知らんかったわーー」
う○こイーターは俺の下痢便を舐めている。
「頭大丈夫? 頭にう○こ詰まってない?」
「詰まってへんわ、それよりおいしいで、ほら」
俺の口に俺のう○こを入れられた。
「ぺっぺっ! まっず、やっぱ頭う○こ詰まってるって」
近づいてきたけどまさか入れてくるとは思わなかった。
なにしてんねん!
「もしかして食糞スキルのう○こがおいしくなる効果のせいかな?」
「なんやその変なスキル、って絶対それやがな! いや、無理やりう○こ食わすなや!!」
「ごめんごめん」
なんなんやこいつは? というかう○こにダイブしたのにようゲームできてんな
「なあ、う○こイーターはなんでこのゲームできてんの?」
「ちょっと待って、ほいっと」
消えた……え? 消えた!? 急に消えたんやがこのタイミングにログアウトすることってある?
「ほいっ」
「うぎゃーーー!!」
う○こイーターは俺のう○この中から出てきた。今、心臓何個か止まったぞ?
「ごめん、クソダイブスキル試したくなっちゃって」
う○こイーターはう○こに潜るスキルまで持ってるそうだ。
また変なスキル……
「このゲーム始めたのはコミュ障改善のために動画配信するためやってん、まあ誰かさんのう○こ食ってBANされたけど」
「それはごめん、やけどコミュ障ねぇーー」
う○こイーターがコミュ障なら人類のほとんどがコミュ障になってまうわ、もちろん俺も含め……
「こう見えて私な、現実やとすっごい陰キャで人とほとんど話せへんねん、でもゲームやったらなんか話せるみたいやねん」
「確かにそういう人いるよなーー」
俺みたいに
「ってう○こイーターちゃうわ! ミソラや!」
ツッコミが遅れてやってきた。こいつミソラって言うんや
「ん? ちょっと待って、じゃあ配信BANされたのになんでまだこのゲームやってんの?」
「ゲームが好きやからかな?」
こいつ純粋なゲーム好きか、それなら仲良くなれそう。いや、ミソラは俺が女やと思ってるわけやから……
まあバラすのは別にいいか、どうせすぐにバレるやろうしな、まあどうにでもなるよな?
「それでう○こ漏らしはなんでう○こ漏らしたのにゲームしてるの?」
確かに普通はゲーム開始直後にう○こ漏らしたらゲームやめるもんな、俺も実際やめたし。
ほんでなんで俺はこのゲームやってんねんやろ?
「ゲームが好きやからかな? ってう○こ漏らしちゃうわ! サキサキな」
「じゃあゲーム好き同士よろしく、サキサキ」
「おう、よろしくミソラ」
ミソラとフレンド登録したついでにパーティーも組んだ。
「それでサキサキはこのあとなにするの?」
「そうやな……」
まずは着替えたいよな、ショーパンにう○こがべっとりと染み付いてるからね。しかしそれは街に行くということ……
まあそれはしょうがないとして、問題はお金がないことだ。なければ服を買えないからだ。
それでこのゲームでは最初にお金をもらえなかった。ぷよが落としたクリスマスリースもたぶん安いはずだ。
しかし俺にはワールドミッションクリアしたときのたぶんレアなアイテムがある。
俺はストレージを開く……すぐ閉じた。
ワールドクエストクリアの彫刻という名の金色の立方体を所持していた。しかしこれは完全に飾る用のアイテムだ。
売却不可って書いてあるし。
というかなんやねんこれ……いらねえ。
とりあえず金策しなければならない。
俺が持っているのは斧、ならあれ一択やな
専用スキルもすぐ取れるし
「そこの林に行くぞ」
「うん、それでなにすんの?」
「おりゃーー、ドーンッ!!」
木こりだ、とりあえず森林を破壊しましょう。
でかぷよを倒したときのポイントで伐採スキルを手に入れたぞ。
「おりゃーー、ドーンッ!!」
ミソラもあのチュートリアルの斧所持者だった。
あれ全然レア物じゃないんやな
「ねえ! それどうやって運ぶん?」
「あっ……」
俺の周りには何本もきられた大木が……
どうしよう、運ぶことを考えてなかった。
ワンチャンストレージに──
「入った!?」
全部入った、まあゲームやからか?
「それでどこで売るの?」
「……」
わからない、こういうときはお助けサンタだ。
サキサキ<木こりで金策してんねんけど、これどこで売ったらいいん?
サンタ>木工スキルで板にしてからギルドで売れよ、丸太ダメ絶対
解説ありがとうございます。
「なあ、木工スキルってどうやってとるん?」
「初心者の私に聞かれても」
俺もこのゲームの初心者なんだが
これはまたお助けサンタ案件だ。
サキサキ<木工スキルどうやってとるん?
サンタ>街の木工場で取るんや
「……」
「どうしたん? もしかして街?」
「いえーす……」
「……」
これはどうすれば……そんなときに神の一手が
サンタ>斧でもできないことはないで、スマホで動画でも見ながらやればいいと思う
「斧でもできるって、でも動画ねえ……」
「それやったらそれがしちゃんのやつ見よ」
「それがしちゃん?」
「私の推し、これ」
ミソラのスマホには侍風の女の子が映っている。
再生ボタンをぽちっとな
(フリー素材の音楽が流れる~♪︎)
「それがしちゃんチャンネルへようこそ~、それがしがそれがしちゃんでござるよ~、本日は木工スキルを使わず木工してみる回でござるーー、ぱちぱちぱち」
「なんか前置きうざいなーー」
「とばすからそれがしちゃんの文句言わないで」
「すいません……」
つい本音が、こういうの苦手なんよな……
俺は本題のところまですぐ飛ばすからな
それからそれがしちゃんの動画を見ながら──
「完成!!」
「なにそれ……」
「歪なキューブ的ななにか……?」
遠くから見たらサイコロに見え、ないかーー
とにかくそんな四角い箱みたいな物がたくさんできてしまった。
やっぱり木工スキルがないとどうしようにもないんかな?
戦闘じゃないから運ゲーでどうにかできないので諦めることにした。
「しゃーなし街に行くしかないようやな」
「そうやなーー」
ミソラは丸太を破壊してたので途中で止めた。
焚き火の材料には困らなくなった。やらんけど
歪なキューブを手のひらでポンポンしながらシトラスの街に向かって歩いていると女の子に話しかけられた。
俺らう○こまみれやのに?
「ねえ、その四角いアイテムはなーに?」
なんだこのゲームやのに糸目の女の子は?
というか俺らう○こまみれやのになぜ話しかけられるんや? ニオイ耐性持ちのNPCかな? 可愛らしいヒラヒラした服着てるし
「それ歪なキューブやって」
「聞いたことない、欲しい! なにかと交換して」
うそやろ、俺が適当に作った歪なキューブとなにかを交換してくれるらしい。
じゃあお言葉に甘えさせてもろて
「じゃあ服ある?」
「持ってない、キューブくれたら洗濯するよー」
それはありがたい提案だがお断りだ。だって服を脱いだら男だとバレてしまうからね。
「他には?」
「フルーツポンチ作れるよ」
「フルーツチ○ポ?」
「おい!」
なんだこいつ、女のくせに下ネタ言いやがって
「とりあえず洗濯してもらお」
「おう……」
まあ頑張って隠せばいいか、というかフルーツポンチって、なに?
林の中へやってきた。
ここなら服を脱いでも大丈夫だからだ。たぶん
それでTシャツには奇跡的にう○こがかかってないのでこれで股間を隠す。
目の前にいるミソラは全裸のまましゃがんでいる……考えるな、感じろ……いや感じるな!!
洗濯が終わるまで男なのはバレなかった。これもまた運ゲーなのか?
手に入れたスキル【伐採】




