三十一話バレンタインなら充電しとけ
2月14日バレンタインデー、俺はいつもより少しだけゆっくりと学校へやってきた。雪が降ってるし地面凍ってるからね。
さてさてと、下駄箱の中を確認する。誰もいないのを確認してからさっと開けるのだ。
上靴オンリー
まあそうでしょうね、下駄箱にチョコ入ってたら嫌やもんな。う○チョコという例外は置いといて……
教室へやってきた、山岡さんはいつも通り机に伏せている。
「おはよう三太、山岡さん」
「おう、おはよう」「おはよう……」
山岡さんは挨拶を返してくれた。もしかすると机の中にすでに入れてあるのかもしれないな、とさりげなく確認する。
俺は机の中に手を突っ込みわしゃわしゃとスライドさせる、しかしなにもない。
やはり帰りか……
いや、期待してはダメだ、期待しては
「なあ三太、チョコもらった?」
「まだ、家帰ったら親と妹にもらう予定」
「いいなーー、親宇宙行ってるからなーー」
誰でもいいからもらいたい、ゲームやったらもらえるけど
「なんかごめん……」
「いやいや、ほれチョコ」
「は?」
俺は手作りのチョコを三太にあげた。2日前にあの二人と作ったからつい現実でも作りたくなって昨日作ったのだ。
「なにこれ辛っ……」
「砂糖と一味間違えてん」
「お前……」
「てへっ」
帰り、山岡さんはそそくさと帰ってしまった。
やっぱりもらえなかったか……
まあスマホの充電がないのではやく帰って充電するか、寒いからバッテリーの減りがはやくて昼休みに0%になっちゃった。
下駄箱へやってきた、もちろん中にチョコはない。
でも逆に安心した、俺は早足で……
やっぱりゆっくり帰宅する、雪積もってるしな、チョコもらえなかったのば残念だがゲームではもらえるしまあいいよな。
帰ってくるとすぐにスマホを充電してすぐに運オンにログインした。
ログインすると運営からプレゼントが届いていた。
なんやろう? とりあえず開けてみよう。
「……」
でっかいう○チョコだ、う○こクソード弱体化のお詫びと印刷されている……お知らせを見ると大きさと重さに制限がついたらしい。
「クソがーー!!」
運天冒険者ギルドへある人を探しにやってきた。
サンタはまだ来ない、生徒会に行ったからね。
「やあう○こ漏らし」
wayさんたちが俺のニオイを嗅ぎ付けやってきた。
こちらから行こうとしてたんやけどな
ほんですっごくチョコをもらいたそうだ。
どうしよっかなーー
う○チョコあるけど……
よしっ、予定通りwayさんには下痢便を固めたやつを渡そう(予め用意していた)
「はい、どうぞ」
「ありがとう……う○こ漏らし、一生大事にするよ」
う○こもらって泣くなよ。
「はやくたべてくださいねーー(棒)」
wayさんは帰っていった。
「俺は?」
「はいどうぞ」
layさんにはう○チョコを渡した、だって
「あの時はポーションをありがとうございました」
「普通渡すっす、ありがとっす、また今度っす」
「名前ちゃんと伝えといてくださいねーー」
「わかったっす」
layさんニヤッとした、これ次も絶対う○こ漏らしのままやわーー、まあもういいけど。
ギルドホームへやってきた、ハルヒとランチはいるが
ミソラとサンタはまだいないようだ。
「ハッピーバレンタイン!」
「サキサキありがとう、はいこれ」
ハルヒとチョコを交換する、ハルヒにもらったのはチョコ入りのフルーツポンチだ、後からチョコを足したので茶色だ、もちろん原材料は俺のう○こである。
逆に俺は二人にう○チョコをプレゼントした。
「これう○こ入ってないですよね?」
「入ってはないです」
う○チョコ自体がう○こなんだもの。
「入ってはない?」
「味は保証します、みんなで作って味見したんで」
「ならいただこう、うまっ」
「それう○こそのものですけどね」
「え……」
ランチは固まってしまった、だが再び動かす方法を俺は知っている。
「まあゲームなんで」
「そうそうゲームだから」
「う○こ味のチョコ……」
「バグって逆になってますよ」
「そうだなう○こ味のう○こ……」
「それはう○こやないかい!」
サンタがやってきた、サンタにもう○チョコ、フルーツポンチを渡すとランチとだいたい同じ反応をした。
そのあとかなり遅れてミソラがやってきた。
もうサンタとランチは行っちゃったよ、遅刻ですよ~
「二人とも聞いてーー」
あーー、たぶん本命の人に渡せなかったんやろうな
「チャット送ったら既読もつかへんかってんけどーー」
ミソラは本命の人に放課後体育館裏に来てとメッセージを送ったらしいが既読さえつかないと、なんと可哀想に
まあ性格的にほんのちょっとだけ問題あるから……
「まあドンマイ」「ミソラドンマイ」
「絶対脈あったのにーー! 今日も挨拶してくれたしーー! チョコ欲しいって言ってたのにーー!」
「それは話変わってくるわ、欲しい言っといて無視はないやろ」
「そうやんな」
そんなヤバいやつがこの世の中におんねんなー
嫌な世界やなー
「もしかして大寒波で電波悪くてメッセージが届かなかったとか?」
「フリーWi-Fi勢でもログインできてるけど?」
「ミソラの地域だけ」
「電波は無事やで」
「じゃあスマホの充電がなかったとか?」
それは俺やないか、まあそんなバカ俺以外におらんわな
「それはあるかも、でもさっきまで待ってたのに既読付かへんかったし……」
「はははははー、まあドンマイ」「うん、ドンマイ」
「明日どんな顔して学校行ったらいいん?」
「知らんて、変顔しといたらええんちゃう?」
「それは別の意味でアカンやろ」
「明日も挨拶されたりして」
「それはないやろ、無視されたし」
その後は雑談やらう○こパウダーを作ったりした。
ミソラにもらったミルクチョコは変な味がした、内容を聞くのはやめておこう。
──ログアウト──
さてと、もう夜やな、そろそろスマホの充電できたかな? って通知がきてる、誰やろう?
ミクミク>放課後体育館の裏に来てください、待ってます
「うぎゃーーー!!」
俺は急いで弁明の長文を送った。ついでに告白した。それでミソラって本当に山岡さん!? いやたまたま同じなだけ、山岡さんがミソラみたいにう○こ食ってる想像ができない、うん、違う人や!
というか頼む! なんとかなれーーー!!
ってヤバい、間違えて告白しちゃった……
あっ……消す前に既読がついちゃった……
どうしよ
そして沈黙……
朝になってしまった。スマホを見ると既読はついているがなにも来ていない、既読スルーってやつだ。
完全にやらかした、これ終わったな。
三太になぐさめてもらおう……
ツルツル滑りながら学校にやってきた。
山岡さんはいつものように机に伏せている。
「おはよう、三太助けて」
俺は山岡さんとのチャット画面を見せる。
「ちょいお前、おもろいから挨拶しよか」
「おもろいからて、まあするけど」
毎日挨拶してるのに急にやめるのはやっぱりおかしいので挨拶することにする。
「山岡さんおはよう」
「おはよう……」
挨拶は返してもらえた、これは一体どっちなんや?




