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頼もしい助っ人!仲良くなれるかな?





本来ならね、掃除はスライム達総出でちゃちゃっと終わる筈だったんだよ。でも、兄もスライム達も行ってしまったもんだから、地道にコツコツやるしかないんだよね。まあ、時間だけは沢山あるし。別に構わないんだけど。


これからの掃除工程を頭の中で計算してたら、頭上から声がかかる。


「嬢ちゃん、掃除してたんだろォ? 何か手伝おうか?」


「えっ、お忙しいんじゃ……」


「ウィリアムに呼ばれてたから、急いでただけだからなァ。大して今日は用事はねェんだ。で? どうだ?」 


「是非! お願いします!!」


断る理由がないよね!! 腕力抜群な獣人さんだよ!? 即戦力すぎて拝みたくなるくらいだわ。わざわざ梯子用意せずに済むし、高いとこは全部ユーリにお願いしちゃおう。


迷う事なく即決。いやだってさ、兄がいない今、男手は必須だもんよ。男と女だから? まあ、警戒はしなきゃだろうけど、ユーリとは前回の件で何度か寝泊まりしてるし、ヤバい獣人ではないので大丈夫。防犯の為のミニスライムは常駐してるからね。何かあれば、スライム液が飛び散るし保護者が飛んでくるよ。無防備に男性を招いている訳ではないのだ。


ユーリを家の中に誘導しようと踵を返すと同時にガン!!と派手な音が響く。


慌てて振り返ると顔面を抑えるユーリが視界に入った。その様から、ユーリが頭を下げるのを忘れ軒下に顔面をぶつけた事を察した。


「あーー、そっか。獣人からしたら、この家は小さいですよね……」


「いや、何時も癖だから謝らんでくれ。エルフが小柄なのはわかっちゃいたが……そうか、建物もだったなァ」


獣人シャトは高身長が多く、能力者ヴァリュアブルは高身長が珍しいくらい。中でもエルフは低身長が多い。兄もオレも例に漏れず、160センチに満たない。オレは更に小さく、130センチ。まだ10代前半だけどさ、この先成長すると思う?


この問いをしたら、兄もウィリアムもサッと目を逸らしたんだから、酷いよね。少しはフォローしてくれたって良いじゃないかっ!! 前世が男で、そこそこ身長があった身としては複雑なんだぞ……!!


可愛い可愛いと愛でられるのも、まあ慣れはしたが、やっぱり戸惑いが勝つんだよなあ……。カッコいいと言われてみたいや。


「そういえば、ユーリさん。何で私を、嬢ちゃん呼びするんです?」


「ああ、いや、癖でついなァ。嫌だったか?」


「嫌ではないですが、出来れば名前で呼んでもらいたいです」


「おう、構わねェよ。代わりにリティシア、お前ェも堅っ苦しい敬語止めな。敬語は何かこう、ゾワゾワするんだよなァ」


おおぅ、まさかの交換条件! オレ的には異議なーし! でも、端から見て大丈夫なのかなとは思う。


「……もしかして、名前も?」


「おう、敬称止めろよォ」


呼び捨て!? えぇ……歳上に気安く話しかけるってちょっと勇気がいるなあ。あー、これはあれだ、日本人感覚としては失礼にあたるだろ、という静止がかかるんだな。でも、この世界で年齢って単なる数字でしかないんだよ。


生まれによっては幼い頃から生きる為に働くし、幅広い年齢が同じ職場で働く事もあるし。様々な種族、魔法がある社会。そして戦ばかりだった社会。

つまりさ、能力さえあれば何処でも働けるんだな。かくいうオレも地域の子達に読み書きを教えたりしてるし。エルフだから、知識量は凄いと思われてるっぽい。


まあ、それは置いといて。


「……ユーリ?」


「おゥ、何だ」


何気なく名を呼んでみれば、ユーリはニッと口角を上げ笑ってくれた。尾も緩やかに揺れている事から喜んでいるようだ。


うーん、これで35歳だって言うんだからなあ。納得というか、見えないというか。

厳つい見た目とは違い、未だにピコピコと動くユーリの耳。怖そうに見えても意外と感情は分かりやすいのかもな、とオレは思った。






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