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話を進めて行動に移そう…って、移せる?




気を取り直して、これからの事を話していこうと若干散らかった部屋を片付けて、用意された椅子に座り直したオレです。


オレの隣には完全に男の姿に戻った兄がいて、その兄の横にはユーリがいる。対面にはサリエーゼ嬢。リズは使用人の立場だから座る事なく、立ち続けていた。疲れが全く見えないから凄い。これが体力があるかどうかの違いか……。うぅむ、体力作りも始めよっかなー。


まあ、その話はちょいと置いとこう。今は目の前の問題を解決するのが先! じゃないと、いつまで経っても家に帰れないし!!


バロス達の動向はウィリアムが抑える筈なので、オレ達は採掘場で魔鉱石を無効化することと、働かされている人々を保護する事らしい。

保護する事はまあ、人手があれは何とか出来るだろう。問題は、魔鉱石の扱いである。


「ウィルさんからも、きちんとした指示なかったんですよね。ただ、貴方に聞けと投げやりで。……恐らく、状況をよく分かってるのは兄さんとユーリさんよね? 一体、どうするつもりなんです?」


沈黙に耐え兼ねて、そうオレが口にすると兄は眉間に皺を寄せ首を傾けるが、対するユーリは軽く手を振り払うように動かした。


「そんなの簡単だろォ。ひねり潰せば良いんだよ」


「おい、脳筋の思考で判断すんな! あれは扱いを間違うとヤバいって言ってただろ!!」


「その暴発する前に全て終わらせれば、間違いも何も起きねェって」


「違う。慎重に行動しろっつってんの……!!」


ウィルといいユーリといい、能力ちからに頼り過ぎて後先考えずにやっちゃうから、此方が後片付け大変になるんだよ、と項垂れる兄にユーリは真面目だなァとカラカラ笑っている。いや、たぶん笑い事じゃないと思うな……。


んん、何となく把握した。どうやら、兄は仲間内では結構な苦労人のようだ。兄も自由人ではあるけど、それ以上に自由奔放な人が多いんだろうね。ほら、兄もオレも無駄に前世の記憶があるからさ、何となく放置できないというか、世話焼いちゃうんだよ。で、いつの間にか世話役になってる。


そうならないように立ち回ってるつもりでも、いつの間にかそうなってるんだよなぁ……。兄の件で経験済だわ、うん。


一先ず、行動に移そうかな。

ぎゃいぎゃい騒ぐ2人を横目に、オレは戸惑いながらも、気丈に保とうとしているサリエーゼ嬢へ優しく声を掛けてみた。ビックゥ!と勢い良く身体跳ねたけど、えっ、大丈夫? 心臓止まってたりはしてない?


「サリエーゼさん、採掘場の場所は分かります?」


「……あ、はい。え、ええと……近郊に1か所と、北の方に1か所……あったかと。地図さえあれば、たぶん……お教えできます」


「なるほど。じゃあリズさん、地図をお願いします。サリエーゼさん、採掘場の場所を教えて貰えます? 私がチェックを入れてくので」


「は……、はい!」


「……わかりました。少々お待ちを」


お願いを聞いたリズは頷きを返すと、さっと動き出す。部屋の隅にあった戸棚から古びた紙を取り出し、それを机の上に広げた。


「新しいものは全て当主様が持って行かれてしまったので、残っているのは古いものばかりなのです」


確かに年数が経過した証のように、日に焼け色が変わっている。街や城壁などの変化はあるだろう。だが、地形はそう簡単には変わらない。


最近の地図はこの間歴史書で見たから、何となくはわかる。んーと、と脳内で地図を広げながらオレは印をつけるべく、ペンを手に取った。




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