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毛玉?獣人?いいえ、ただのおっさんです




 



やっほぅー! 目の前に何かよく分からない毛玉みたいな塊が落ちてきて困惑してたオレです。


毛玉……否、獣人さんは漸く目を覚ましたのか、くわぁぁって、大きな欠伸してる。舌は結構長いのね。あ、犬歯見えた。流石、狼族の獣人。牙が鋭いわー。座り込んでても、体格の大きさは良く分かる。んー、なんて説明したら良いのかな。

オレ的には二足歩行の大型犬がいる、みたいな感覚だなあ。あとは、おっきいー!ぐらいか。前世の記憶の所為で違和感があるけども、まあ、こんなもんかっていう感想に落ち着くよね。


隣にいるサリエーゼ嬢達は、おっかなびっくりしてるけど。大丈夫大丈夫、怖くないと思うよ。たぶん。


むず痒いのか、右手で顔全体をガシガシ掻いている。意外と豪快。鋭い爪を器用に使い、固まっていた毛玉を解いていく。それにより、隠れていた目と鼻が露わになった。わ、鼻がヒクヒクしてる。すごーい、動物の鼻だー!と心の声を表に出さないよう気をつけていたつもりだったけど、しっかり漏れていたようで獣人さんの耳がピクリと動き、視線が此方に向いた。


ぴゃっ!! 眼力あるぅ!!!!


「……あ? 誰だ?」


「それ、こっちの台詞ね!?」


ぎゃん!と吠えるように声を上げれば、獣人の彼は首を傾げた。えっ、これはまさか何も聞かされてなくて、理由すら知らないやつですか!? ウィリアムぅぅぅ! ちゃんと説明して連れて来たんじゃないのかよぉぉぉ!!


抗議の意味を込めて、ウィリアムに目を向ければいつの間に降り立ったのか、近くにあった帽子掛けに止まり緩く首を傾げていた。


『……あれ? あー、そういや、今から寝ようとしてたのをこう丸めて連れて来た気がするなぁ……。でもね! 道中簡単には説明してたのよ? コイツが聞いてたかどうかは分かんないけど』


「それ、説明したって言わない! 完全にウィルさんの一人語りでしょう!!」


オレの鋭い指摘に、ウィリアムは朗らかに笑ってるけど、笑い事じゃないからね!? ほう(報告・れん(連絡)・そう(相談)はちゃんとしようよ!!


ほら、兄も何かやらかしてくれたなぁ……みたいな雰囲気で片手で顔を覆ってんじゃん。期待はしてなかったけど、ってボソリと呟かれた言葉が色々物語ってるよね。ウィリアムよ、一体いつもどんなやり取りで部下や仲間を使ってんの。


そんなオレとウィリアムのやり取りで状況を察したのか、獣人さんは何かを考えるような素振りを見せた後、息を吐いた。


「なんだ、また俺に厄介な仕事をさせようとしてやがんのか……。南大陸での討伐から戻ったばかりだから、2日間休暇くれって言ってた筈だよなァ?」


あっ……、さっきなかなか起きてくれなかった原因が分かった気がする。獣人さん、単なる寝相悪い人なんじゃなくて、疲れ果てて短い睡眠で体力を回復しようとしてたやつだ!

ウィリアム、お疲れモードの獣人さんに仕事を追加しようとしてたの? それはちょっと、どうかと思うよ。


非難めいた視線を受けて、小鳥の姿のウィリアムはバサリと飛び立ち獣人さんの肩に止まった。


「だってさあ、魔鉱石関連で腕の立つ奴って、ユーリ以外殆ど出払ってんだもんよ。被害状況を見る限り、短期で終わらせたいからさ。力持ちの能力者が必要で」


「それなら、()()()()()()()()、暇してる他の奴等にも声掛けりゃ良かっただろ。お前の誘いになら喜んで手ェ上げる奴ばかりだろうが」


『うーん、そうしたいのは山々なんだけど……彼等とは今回()()()()()からね』


「何?」


獣人さんの表情が鋭くなる。ウィリアムはそれを横目に小さく頷く。どうやら、2人の間で色々と情報交換しているらしい。


ふむむ、一先ず挨拶はまだまだ先になるっぽいな。残念、早く獣人さんと話をしてみたかったのになぁ……。


待つかぁ、と一息吐いて近くにあった椅子にオレは腰を下ろした。



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