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能力者と人間の違い?まあ、色々あるよね







ウィリアムは予想以上に行動力が凄かった。

提案した以上のことをやってくれたし、分身とはいえ人間の土地に飛んできてくれた。うん、そう文字通り()()()ね!


人間の土地に能力者の、それも最高権力を持つ施政者が来るのは不味いだろうということで、鳥の姿でやってきたんだよね。威厳保つ為に鷹とかかなーとか思ってたのに、可愛らしい小鳥姿で来たからね、アイツ。


ぽかんとするサリエーゼ嬢達の気持ちが良く分かる。オレ達も同じだからね。もうちょい説明とか欲しいなー、とか言っても話してはくれなさそうだし。これはウィリアムの行動を見守るしかないかな。

そんなオレ達の戸惑いに気付く事なくウィリアムは小鳥のまま、静かに降り立つとぐるりと部屋の中を見渡した。


『……なるほどね、魔鉱石の残滓も微かにある。魔鉱石が原因なのは間違いない』


「えっ、わかるの!?」


『うん。まあ、もう薄くなってるから分かりづらいだろうけど。魔力がね、普通の大気とは違う。気持ち悪いくらいの悪意があるよ、これ』


よく今まで無事だったね、と朗らかに笑うウィリアムに対し、サリエーゼ嬢達の表情は引き攣ってる。そりゃ、そうだよ。下手したら命を落としかねないヤバいものが手元にあったって事でしょ?

平然としてられる方がおかしいわ。


『魔鉱石が原因なら、バロスがああなったのは理解出来る。人間は()()()()()からね』


バサリと羽音を立てて、そう呟いた小鳥姿のウィリアムに首を傾げた。はて? 脆いとは体力的な事だろうか。それとも、能力の有無? でもそんな当たり前の事をわざわざ口にするって、何かあるのかなぁ、魔鉱石あれに。

疑問に思ったのはオレだけじゃなかったようでサリエーゼ嬢達も不安げにウィリアムを見ていた。視線に気付いたウィリアムは器用に片羽根を上げ悪い悪い、と笑い声を漏らす。


『あー、まあ、簡単に言うと能力者ヴァリュアブル人間パフ収容能力キャパシティの違いだよ。耐性があるかないか。能力者は耐性があるからね。生まれつき、魔力や能力がどんなものかっていうのを受け入れている。人間にはそれがない。だからこそ、操られちまうのさ』


初耳なのか、サリエーゼ嬢とリズは不思議そうに、そうなんだと頷きを返していた。まあ、確かに人間は能力者との違いを能力有り無しだけで判断してる節があるからね。人間社会の上層部はともかく、一般市民が深掘りするのは滅多にないんじゃないかな。この間まで戦してた間柄だし。

でも、この能力者と人間の違い、大事な事でもあるんだよね。知っておくべきだと思う。


『例えるならそうだな……。能力者の体内を、海と例えてみようか。終わりが見えない広大な海に、別の色に染めようとしてバケツ何杯かの色彩水を流し込んだとする。色は変わると思うかい?』


「変わらない。海が広すぎて染めるには途方もない大量な染料がいるでしょ。だからバケツぐらいの染料だったら、変えるのは絶対無理」


思考を止めてウィリアムの言葉にオレが最適解を返してやれば、ウィリアムは頷きを返す。


『うん、その通り。大して人間の体内は小さな水溜り。深さもそんなにない。さて、ここに先程のように染料を落としたら……どうなる?』


「それは……」


言いかけて答えに気付いたのか、目を見開くサリエーゼ嬢。リズも理解できたようで複雑な表情をしている。魔力とかそういったことに詳しい兄が、更に解説してくれているから、大体の事は理解出来るだろう。


なるほどね、魔鉱石に触れてしまった人間が染まってしまうのは必然と。選ばれたのか、それとも選ばされたのかはわからないが、また厄介な。

中には強い自我を持つ人間もいたりするけども。まあ、そんな人間には魔鉱石側が端から近付かないよね。


暫く兄達の会話は続くようで、オレはそれを横目に小さく息を吐いたのだった。

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