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はっ?聞いてないんだけど!?


ここ数日、色々な事があり過ぎた所為で若干疲れ果ててるオレです。


はぁ……まさか、かつての妹が、兄になってるだなんて、凄い展開だよなぁ。

そして、前世では同人誌も作ってたんだってよ。内容は怖くて聞いていないが、年齢制限のやつ書いてたって聞いて、あっ……ってなったよね。


我が妹ながら、恐ろしい……!!

同学年にも、そういう趣味のやつがいたりしたが、まさか、小牧の買っていたりしてないよな?


ははははは、はーあ……、そこまで世間は狭くないと信じたい。あー、あー、これ以上はもう止めよう。この手の話題は持ち出すだけで、オレの精神が半分以上死ぬ。


「あっ、リティ! 此処にいたのか。ちょっと話があるんだけど、良い?」


うんうん、唸っていたら、庭先から兄がひょっこり顔を出してきた。

実はまだ兄の家から帰ってないんだよね。色々あったから、休養も兼ねて長くお泊りさせてもらっていたのだ。

ここ、書庫もおっきいから、調べ物にするにももってこいだしねぇ。


何処か落ち着きがなくソワソワしている兄に、疑問の瞳を向ける。


「良い話? 悪い話?」


「うっ……、多分、良い話だと思うよ。リティもそろそろ、()()を作る時期だろうから」


相棒、か。まーた億劫な話題を持ってきたな。オレは小さく息を吐いて、兄をジッと見据えた。


この世界、今は戦争が終結し平和を謳歌しようとしているが、治安は頗る悪いと言っていい。

オレ達が住むこの鎮守の森は、比較的治安は穏やかだ。夜間に出歩いてもそこまで悪くはない。


だが、別大陸、特に東側区域となると、話が変わってくる。野盗だったり、人攫い、とにかく、無事に生き残れる保証がない状況に追い込まれてしまうらしい。


そんな事もあって、この世界では幼い内に、命を預ける護衛というか、一生を共にする相棒を得るのが一般的な常識の1つだったりする。

相棒を持たないのは余程の実力者か、偏屈な変わり者ぐらいだろう。


まあ大体が精霊だったり、魔獣を相棒にしていると聞く。エルフであるなら、精霊を相棒にするのが定石か。


兄も多分精霊と関わっているんだろうし。だからこそ、出来るスライムの大量生産だし。火の魔法が苦手だから、そっち系の精霊を相棒にしたいなぁ、なんて思ってたんだよね。


「実はさあ、リティをどうしても相棒にしたいって、言ってきてる奴がいるんだよね。何度か断ったんだけど、本人から拒否されてないから、認めない!とか言われてさあ……」


「はぁっ!?」


兄の言葉に描いていた相棒計画が、一瞬で吹き飛んだ。何でそうなる!? というか、相棒相手が人だなんて、レア中のレアなんじゃないだろうか。


「ちょっと、私は精霊を相棒にしようとしてたんだよ? なんで、そんな話になるの?」


「僕もそう思ってたんだよ! でも、でもさあ、会う度会う度、しつこいんだよ。誰にでも分かる妹自慢をしてた僕も悪いんだけど、でもさ! それだけで興味を抱くとか思わないじゃん!?  しかも相棒だなんてさぁ!」


ちょっと待て。聞き逃がせない言葉が聞こえたぞ。何だ、誰にでも分かる妹自慢って。まさか、コイツ、同僚含む会う人皆に、そういうのしてたんじゃないだろうな!?


「兄さん? 妹自慢てなあに??」


「えっ!? あ、あー、ちょっとしたリティシアの、可愛さを話したり話さなかったり話したり……?」


「どっちだよ。つうか、変な事は話してないだろうなっ!?」


「ひぇっ! リティ、リティ、前世(お兄ちゃん)が出てる! ……大丈夫! 常識の範囲内で語ってるだけから!」


「兄さんの常識と私の言う常識、めっちゃ違う気がするんだけど!?」


どうなのよ?って首傾げて見つめてやれば、ぐりんと綺麗に視線を逸らされた。

はい、有罪。ギルティ!!

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