第17話 削除機能:レベル3:出発
今回は短めです。
キィキィ、ピィピィ――
うるさい鳥の鳴き声で、携太は目を覚ました。
(なんだ……?)
寝袋の中から、恐る恐るテントの外を覗く。
焚き火の跡の周りに、数羽の黒い鳥が群がっていた。
彼らが突っついているのは――
(あ……魚の食べかす!)
昨夜、焼き魚を食べた後、片付けたつもりだったが、骨や頭をそのままにしてしまっていたらしい。
鳥たちは、それを見つけて騒いでいるのだ。
「しまった……」
携太は慌てて寝袋から抜け出したが――
「さ、寒っ……!」
朝の冷気が、一気に体を包んだ。
あまりの寒さに、思わず両腕を抱きしめる。ブルブルと震えが止まらない。
(や、やばい……朝はこんなに冷えるのか……!)
震えながら靴を履く。
「シッ、シッシ!」
足を踏み鳴らして鳥たちを追い払う。
(ちゃんと片付けないとダメだな)
携太は、散らばった食べかすを集めた。
骨や頭部……
(これ、どうしよう……)
ふと、携太は思い出した。
(そういえば……削除機能ってなかったか?)
以前、アイテムを複製した時のことだ。アイコンを長押しした際に「複製」と「削除」の選択肢が表示されていた。あの時は複製が目的だったから、削除の方は気にも留めなかったが――
(もし使えるなら、ゴミを処分できるかもしれない)
携太はスマホを出現させた。
すると――画面に、通知が表示されていた。
【善行ポイント 30,000pt 獲得】
【レベルアップ! Lv.2 → Lv.3】
【新アプリ解放】
【アイテムボックス拡張】保有枠が 10 → 20 に増加しました
「30,000ポイント……!? それにレベル3……!」
携太は目を見開いた。
(昨日の安眠亭の修繕と……あの生き物に魚をあげたこともかな。バルトさんたちは本当に困ってたし、あの生き物も食べ物に困ってたみたいだったけど……こんなに貰えるとは)
アイテムボックスを開いてみる。保有枠が20に増えている。
(10枠も増えたのか……レベルが上がると増えるとは解放時に聞いていたけど、これは助かるな)
さらに、ホーム画面に見慣れない肉球マークのアプリが追加されているのにも気づいた。
(……ペット機能? なんだこれ)
気になるが、今は片付けが先だ。
携太はアイテムボックスに戻り、先ほど集めたゴミと昨夜飲んだビールの空缶も収納した。
ゴミのアイコンを長押しする。
画面に、見覚えのある選択肢が現れた。
【複製 / 削除】
「削除……」
タップすると――ゴミのアイコンが、画面から消えた。
跡形もなく。
「……消えた」
(よし、これならゴミ処理に困らないな)
携太はテントと寝袋もアイテムボックスに戻し、片づけを完了させた。
そして癒月草の採取に向けて出発したのだった。




