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召喚余剰人員の為、魔王は任せて異世界満喫?!  作者: -冬馬-


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第11話 市場:強敵:ジャム

すみません、なぜか最後の方途中で切れていました。編集済。

石畳の道には早朝から人々が行き交い、荷車を引く商人や買い物かごを持った主婦たちが忙しなく足を運んでいる。澄んだ空気に、どこからか焼きたてのパンの匂いが混じって流れてきた。


市場は宿からそう遠くない。


「お……」


見たことのない景色が携太の前に広がる。色とりどりの野菜や果物、香辛料の山、湯気を立てる屋台料理。まさに"異世界の市場"だ。


「ね、いいでしょ?」


エレナが嬉しそうに言う。


「ああ。本当に活気があるな」


押し寄せるざわめきに圧倒されつつ、携太は自然と笑みがこぼれる。


「エレナちゃん! おはよう!」


果物屋の女性が声を張った。


「おはようございます!」


エレナが元気よく返す。


「今日は休みなの?」


「休みです! ウチに1ヶ月泊まってくれるお客様をご案内中で〜」


エレナが携太を紹介する。目が合い、女性と携太は軽く会釈を交わした。


「まあ、その服……いつもと雰囲気違うね。いい色、目を引くよ」


女性がエレナの赤いオーバーオールに気づく。


「ありがとうございます……」


エレナが頬を染めた。


「これ、こちらの携太さんが……くれたんだぁ〜」


エレナは色を変えたことを濁す。


「ん?」


女性が小首をかしげる。


「あ、似合いそうな服を見かけたので、プレゼントしたんです」


携太が慌てて補う。


「あらあら、もうそういう仲? 仲が良いこと」


女性がおどけて笑う。


「ち、違います!」


携太は両手を振って否定した。


「すみません……私なんかと勘違いされちゃって……」


エレナも照れ気味に笑う。


「いや、その……俺は30だし。エレナからしたら年上だからさ」


「ひどい! 見た目で言ってません?」


エレナが頬をふくらませる。


「こう見えて、もうすぐ20歳です! 背は低めでも立派な大人です!」


ふくれ顔が、かえって可愛らしい。


「え? あ、20……ごめん」


携太は慌てて頭を下げた。果物屋の女性がくすりと笑う。


二人はそこで、リンゴのような果物をいくつか買った。


「これ、甘くていいよ〜」


女性が袋に詰めて手渡す。


次に、パン屋に立ち寄る。窯口からこぼれる湯気にバターの香りが混じり、腹がきゅうと鳴った。


「このパン、お父さんも好きなんですよ」


「じゃあ、3人分買おう」


携太がトングで選びながら言う。


会計を済ませ、二人は市場を歩きながらかじった。


「外が砕けて、中ふわ……うん、当たりだ」


「でしょ? ここのパンは外さないんです」


また別の店で声がかかる。


「エレナちゃん、今日は休みなのかい?」


魚を売る男性だった。


「そうですよ〜。って、あれ? どうしたの、その服!」


エレナが目を丸くする。


「これね、さっき滑って転んでさ。持ってたジャムがべっとり……」


男性は困り顔で腹部を示した。黄色い服の腹あたりが赤く染まり、袖にも赤い斑点が点々としている。


「これ、色が抜けないかなぁ。この黄色、気に入ってたのに。お腹だけじゃなくて腕まで赤くなってさ……」


深いため息。


「携太さん」


エレナがそっと耳打ちする。


「この場だと目立つので……持ち帰って"試したいことがある"って言ってみません? 報酬も、もらえるかも」


携太は少し考える。今は手元に金はある。しかし、いずれは稼ぐ必要がある。いい機会かもしれない。


「あの、すみません」


携太が男性に声をかけた。


「今日の午後に返却でよければ、赤い部分を何とかできるか試してみたいんです。持ち帰って作業したくて」


「え? 本当に?」


男性の目が見開かれる。


「助かるよ。元に戻せるなら、なおさら」


エレナがまた小声で囁く。


「ねね、綺麗になったら1000イエン、どうです?」


携太はうなずき、男性に向き直る。


「もし綺麗に戻せたら、1000イエンでどうでしょう」


「んー、この服、元値は3000イエンでさ」


男性は腕を組んで考える。


「でも、新しく買うよりはこれがいい。……よし、頼む!」


男性の顔に笑みが戻る。


「よし!」


携太とエレナは思わずガッツポーズを交わした。


「じゃあ、午後にまた来ます」


「助かるよ〜」


男性は服を脱いで携太に手渡した。


二人はその服を抱え、市場をもう少し見て回ってから、宿へ向かった。


「携太さん、やりましたね。初仕事、ゲットです!」


エレナが弾む声で言う。


「まだ、うまくいくかは分からないけどな」


携太は苦笑する。


「大丈夫。携太さんならいけます」


その笑顔に、携太は少し元気をもらった。


兎にも角にも、異世界での初仕事。


好きで始めたはずの"あっちの仕事"より、胸の高鳴りは強い。


二人は軽い足取りで、安眠亭へと戻っていった。


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