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39:おかんは今日も元気

あれから幾つもの季節が過ぎ、私も成人を迎えた。

平穏な日々だったと言えば平穏な日々だったけども、そうでも無かったと言えばそうでも無かった気がする。


ヴァイナハツ・マルクトを気に入った国王様は国内にそれを広め、他にも民が楽しめるような催し物の案は無いかと尋ねられた。

そうは言われてもあまり元の世界の文化を持ち込みたくは無い。

なので極夜の終わりに皆でオーロラを眺めてみるのはどうだろうと提案してみた。

無事に長い冬を乗り越えてオーロラを見る事が出来たと、大きな焚火でも囲んでホットワインなんかを飲みながら皆でオーロラを眺める。

いいと思うんだけどなぁと言ってみれば国王様は乗り気になり部下の人達と話を煮詰めみると言っていた。

魔族の人々にとってオーロラは亡くなった人々の魂が作り出す姿だと言われているのだそうだ。

なるほど、だったら尚更オーロラを眺めるのは故人を懐かしむ機会でもあって良いのではないだろうか。

結果この案は採用され、翌年から国内各地で実行された。

寒さが厳しいから私達はイグルーを作って中から眺める様にしたのだけど、それを町の人達がマネをして、それを知った国王様が自分も作るとか言い出して・・・

そうなれば部下さん達も我も我もと作り出し・・・

数年かけて国内にイグルーも広まってしまったなんて事もあったよ。


リックス兄さんには伴侶さんが出来た。

魔族でケットシーのアイムさんと言う美猫さんだ。

私の事も凄く可愛がってくれている。

ニクス兄さんは伴侶さん探さないのかと聞いたら沈黙してしまった。

レオノラ母さんが言うには人族以外には「番」が存在するのだそうで、本能的に解かったり神様からお告げ(ニブイ人は本能で気付かないらしく神様が手助けしているらしい)があったりするらしいのだけどね?

たまに「番」が同性でしたってな事もあるらしくて、まさにニクス兄さんがそれに該当したらしい・・・

しかも相手がルナーさんだったらしく、お互いにどう反応すればいいのか判らなくて無かった事にと現実逃避しているらしい。

でもさ、お互いに嫌いな訳では無いだろうしむしろ仲はすこぶるいい訳だし、別に同性でもいいと思うんだけどなぁ。

何がどう変わるって訳でもないだろうし、ただ一緒に住んで生活するようになるだけじゃない?


「ニクスはリュンが家を出ると言い出すのが怖いんじゃないかな」

「へ? いやだって一応新婚さんの邪魔する気はないわよ?!」

「新婚と言ってもこれまでと大差がある訳ではないからねぇ。

 リュンだって何がどう変わる訳でもないって言ったじゃないか」

「まぁそうだけども・・・」

「出来れば僕としてもニクスとリュン、3人で一緒に住みたいんだけどな」


言われて考えてみた。

そう言えば獣人も魔族も前の世界みたいに新婚だから夫婦だからとイチャコラする事はほぼ無いような・・・

私も私で伴侶を持つ気はサラサラ無い訳だし・・・

あ、後でアリェーニャ様に「番」は要りませんからと念を押しておかないと・・・

ニクス兄さんもルナーさんも私を気にして伴侶にならないだけ?

えぇぇ、私が原因なの?ちょっとそれ困るんだけど。

そこでルナーさんを引っ張ってニクス兄さんの元へと行く。


「ちょっと兄さん! ルナーさんの事は好きなんだよね?

 なら何故に伴侶にならないの?

 伴侶にならない理由に私を使ってんじゃないわよ!

 そうやって逃げるんなら私今すぐこの家出ていくわよ?!」

「「 ちょっと待ってくれリュン! 」」


ニクス兄さんはそこからグダグダと言い訳を始めた。

同性同士だから私が嫌がるんじゃないかとか、ルナーさんと暮らし始めたら私が出ていくんじゃないかとか、子を成す事が出来ないから両親をがっかりさせるんじゃないかとか・・・

パコーンッ


「ばっかじゃないの?

 異性と伴侶になったって子に恵まれない事だってあるのよ?

 そんなの言い方が悪いけど、所詮運よ運!

 そもそもそんな事ぐらいでオンス父さんもレオノラ母さんもがっかりする訳

 ないでしょうがよ!

 私が同性同士だと嫌がるって?

 勝手に決めないでよね!

 元の世界だと同性婚なんて珍しくも無かったわよ!

 私の周りにも2組居たわよ、なんなら従兄弟がそうだったわよ!

 兄さんとルナーさんが嫌がらないなら家だって出ないわよ。

 だって二人共一応は出来ても家事得意じゃないじゃないよ!

 そんなのだってどうでもいい事なのよ?

 大事なのはお互いの気持ちなの!

 「番」の2人の素直な気持ちに従いなさいよ!」

「「 リュン・・・ 」」


と言う様な事もあって今は3人で暮らしている。

オンス父さんもレオノラ母さんも2人を祝福していたし、どうしても子供が欲しいと思う事があれば養子を迎えればいいでしょなんて言っていた。

ほら見なさいよ、ニクス兄さんが考え過ぎて尻込みしていただけじゃないよ。


私の方はしっかりとアリェーニャ様に「番」は不要だと念を押しておいた。

私の中ではもう子育ても終わっているからね。

その娘も既に天寿をまっとうしただろうし、なんなら曾孫や玄孫まで居そうだわよ・・・

そんな感じなのにまた1から子育てとか無理!

そのうちリックス兄さんの子が生まれたら孫感覚で可愛がるからそれでいいのよ!

それにイケメンは眺めるだけでいいのよ。

ほら、()()とどうこうなりたいとか思わないでしょ?

それと似たようなもんよ。


後はなにかあったっけな・・・

あぁ、そうそう。

不動尊様のお陰であれからこれと言った災難には巻き込まれる事はなかった。

だけど成人したから数珠の効果も無くなったのよね。

まぁこれからは自分でも対応できるかなぁなんて思ったのだけどね?

ふっ、ふふふっ・・・

成人した次の朝、枕元に手の平サイズの小さな木彫りの不動尊像があったわよ・・・

思わず吹いたわよね。

どういう事よって思うじゃない。

アリェーニャ様曰く、まだまだ災難は降りかかりそうだからと神様会議の結果だそうな。

いやいや、待って?そんなに私って災難に纏わりつかれてるの?

この世界に落とされた事自体がとんだ災難だからそれが影響しているのかもって?

えぇぇ・・・クソ迷惑なんだけど。

だから不動尊様が守って下さると・・・

お手数おかけして申し訳ありません。でもすごく心強いです。


それでもって成人後の鑑定もしたのだけどね。


名:リュンクス  性別:雌  年齢:100  種族:獣人族ボブキャット亜種

戦闘スキル:包丁捌きA  害虫駆除A  素手S グリグリS

生産スキル:料理L  裁縫E  調薬B  農作業B  庭師B

特殊スキル:不動尊の加護 無病息災・厄除け(強)・商売繁盛

      アリェーニャの加護(炎) 小さな災厄は払いのける事が出来る

               (地) 小さな癒しを与える料理が作れる

      ヴィーザルの恩恵 身近な獣との意思の疎通


裁縫がEのまま残ってるのは何故・・・

そして料理のLってなに、Lって・・・

え?LegendのL? えぇぇ・・・

それって増えたアリェーニャ様の加護と関係してますかね?

してそうですよね? これ以上増やさないでもろて・・・


後はクィーンも伴侶を見つけていた。

これがまた立派な雄々しい黒馬で格好良いのよ。

しかも国王様の愛馬だったていうオチ付き。

お陰で国王様が入りびたる理由が出来てしまったじゃないか・・・

なので一言言っておいた。


「来るなとは言いませんけどね。

 仕事終わらせて部下さんに迷惑掛からない様にしてから来て下さいね?

 じゃないと食事もおやつも提供しませんからね?」 ニッコリ


これが効いたのか国王様の仕事効率が上がったとかで部下さん達に喜ばれた。



娘ー!

もうどこかで生まれ変わって新たな人生歩んでいるかい?

おかんは罠猟の腕も上がったし、網漁の腕も上がったよ。

裁縫はお察しレベルだけどボタン付けくらいは出来るよ。

最近は植林作業とか怪我した野生動物の保護とかまでやってるよ。

魔国に来てからは変な事にも巻き込まれずにすごく楽しく過ごして居るよ。

時々国王様の仕事に巻き込まれてるけども、まぁそれはそれで楽しいかな。

後何年、何百年生きるのか分からないけどさ、おかんは今日も元気に生きてるからさ。

娘、アンタも新しい人生を楽しんで幸せになっておくれ!



                              ~ おわり ~


相変わらず恋愛要素はありませんでしたねぇ(;´Д`)

多くの方々にアクションや評価を頂きまして、とても励みになりました。

誤字報告も助かりましたありがとうございます。

次の作品も近々執筆開始予定ではあります。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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