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38:無いじゃないよ!

感謝祭はとても賑やかで楽しかった。

魔族の皆さんともすっかり仲良くなれたし、またもやたった1人の未成人と言う事でなんやかんやと頂いてしまった。

そう、魔道具も貰ってしまったのよ。


この町では魔道具は水道代わりの水瓶とランプ代わりのランタンくらいしか使っていないのだそうだ。

私達は魔力を持って居ないから補充が出来ないのでと断ろうとしたのだけど、そんなのはたいして魔力を使う訳ではないからいくらでも補充してあげると言って貰えた。

そこまで言って貰ったら断るのも失礼よねと、ありがたく頂いたのよ。

これで川まで水を汲みにいかなくてもすむし、獣脂のランプともおさらばできる。獣脂だとちょっと匂いがね?・・・


そして鼠の忌避剤も凄く喜んでもらえた。

効果は覿面だったようで、食料保管庫を荒らされる事が減ったらしい。

雪解け後にまたお願いしたいとの事だったので喜んで作ろうと思う。

後ね、驚いた事に国王様からカレーパンのお礼にと騎乗用の翼竜を頂いてしまった。

ワイバーンかと思うじゃない? 違ったのよ。

むちゃくちゃ綺麗なドラゴンって感じで格好良いのよ。惚れ惚れしてしまった。

名前はアクアと言うらしい。

でもさ、カレーパンのお礼に翼竜って・・・


「頂いておけばよいのよ。

 国王様ね、趣味で翼竜の飼育しているからそこで生まれた子だろうし」

「趣味で翼竜の飼育・・・なるほど?」


翼竜は1000年に1度しか繁殖期が無いらしく、中々増えない種なのだそうだ。

しかも過去に(数千年前らしいけど)人族が乱獲した事もあって保護の意味も兼ねているのだとか。

なるほど、絶滅危惧種を保護して繁殖させている動物園みたいな感覚だろうか。

とは言えアクア1匹だと寂しいんじゃなかろうか。


「心配せずともアクアが成獣になった頃にもう1頭送られてくると思うぞ」

「まさかぁ・・・マジで?」


ともあれアクアの希望を聞きながら飼育環境を整えていこうかな。

よろしくね、アクア。


アクアの希望を聞きながらドワーフさんに説明をしていき小屋を作って貰う事になった。

アクアは雌で普段はおっとりしているけど、魔物などと対峙すると豹変した。

そして何故かクィーン達とは気が合うみたいで仲が良い。

うん、仲が良いのは良い事なんだけどね?

じゃれ合う姿がちょっと怖いんだけど。

あのね? 皆ガタイがいいって事忘れないでもろて・・・

そして私を巻き込むのを止めてもろて・・・

え? これが翼竜の愛情表現だから慣れろって?

いやいやいや、私の体が持たないわよ。

猫の様にグリグリと頭を押し付けて来るのだけど頭突き喰らってる感じだし。

足元にスリスリしてくるのはヤスリ掛けられてる感じだし。

甘噛みハムハムも頭を咥えないでいただきたい・・・


新たな家族を迎えてしばらくすれば、白夜の期間も終わり冬が始まった。

アクアはアイスドラゴンという種類だそうで、寒さには強いのだとか。

ん? 待って? アイスドラゴン?

それって翼竜じゃなくて普通にドラゴンなんじゃ?

細かい事は気にするな? なるほど。

って、気にするわよ!

皆気にしてないの?! そ、そう・・・


娘ー! おかん翼竜と言う名のドラゴン手に入れたんだけど!

むちゃくちゃ綺麗で格好良いんだけど愛情表現がね?

ちょっと激しくておかんの体ボロボロなんだけども!

え?おかんもええ歳なんだから体がボロボロなのは諦めろ?

いやいやおかんこうみえても、こっちだとまだ未成人の子供扱いなんだけども?!


なんだか居ないはずの娘がこうやって答えるだろうなというのが頭に浮かんでくる。

でもそろそろ娘も天寿まっとうしてそうよね。

幸せだったと思える一生だといいんだけども。


いや、しんみりしている場合じゃないのよ。

ナン作ってカレー作らなきゃ。

アリェーニャ様が普通のカレーも食べてみたいと毎夜夢で訴えてくるのよ・・・

しかも私だけじゃなくリックス兄さんにも訴えているらしい。

アリェーニャ様さぁ、神託の使い方間違えてやしませんかね?

まぁ目の前に現れるよりはいいけども。

という訳で今日はジャコウウシのスネ肉でカレーを作る事にした。


クィーン達も食べたいと言うので大蒜は少なめにすることに。

ほら大蒜食べると鼻息までが大蒜臭になってたのよ。

まぁそれ以外は体調の変化もなく、食べても大丈夫だとわかったら食わせろとうるさいのよね。

アクアまでもが興味津々になっている。

アクアはカレーパンを食べれなかったから余計に興味があるのだと言っていた。

オンス父さんにレオノラ母さん、ニクス兄さんにリックス兄さん、ルナーさんとバパールおじさん。

それに私の7人分とアリェーニャ様にクィーン達の分で、何人前作ればいいのよこれ。


「ニクス兄さん、ちょっと炊き出しするような大鍋買ってきてくれない?」

「分かった、だがその大きさだとペチカにも竃にものらないのでは?」

「 ・・・ 」


分かったわよ、釜と大鍋の2つに分けて作るわよ・・・

そうして再び玉葱と格闘する私だった。


数時間後

出来たー! と思ったら既に皆お皿を持って並んでいた。

ちょ、早すぎない?

目をキラキラさせてお皿を両手に持って並ぶ姿はお預けを喰らった大型犬みたいで可愛く見えなくもない。

やれやれ、と思いながらも順番によそって行く。

ん? なんか1人多くないかな。

気のせいかな、いや気のせいじゃないよね。私の分のお皿がないもの!

ちょっと誰よ私のお皿使ってるの!


「 てへっ 」

「 ぶっ 」

「「「 国王様?! 」」」


ちょっと待って欲しい。

何故に此処で国王様がカレー持って座ってるんですかね?

いつの間に来たのよ、と言うか何故居るのよ。

え? アクアが親竜に今からカレーを食べるのだと自慢した?

その親竜が羨ましい自分も食べたいと国王様にお願いして此処に来たと・・・

いやいやいや、だったらその親竜だけ来させればよかったんじゃないの?!

自分も食べたかったって?

えぇぇ・・・ そんなにフットワーク軽い国王様で大丈夫なの?

仕事があるんじゃないの?

と言うか警護とか安全面は大丈夫なの?! ねぇ?!

部下の人達は振り回されて大変だろうな、可哀そうに。


なぁんて思った私が馬鹿だった。

振り回されているのは私だったわよ!

あの後すぐに部下の人達がわらわらとやって来たのよ。

この国王(もぉ様とかつけてやんない)書類仕事放り出して来てたわよ!

部下の人達が残っていた翼竜たちに聞きだして此処へやって来たのはまだ分かるわよ?

分かるけどもね?

カレーパンのお礼をいわれるのもまだ分かるわよ。

何故にさっさと国王連れて帰らないのよ!

自分達も食べたいとか言い出すんじゃないわよ!

チャーハンみたいにパパッと作れる訳じゃないのよ!

という訳で、煮込む必要がないキーマカレーを今作っているのだけどね。

ひき肉? そんなの部下一同にやらせたわよ!

ミンサーもないのにどれだけ苦労すると思ってるのよ。


「食べたいなら肉をひたすら細切れにすべし!」

「「「 はーい 」」」


一番元気が良かったのは国王だった・・・

どれだけ食べるのよこの国王。

もぉね、作り方紙に書いてあげるから、今後はお城の料理人に作ってもろて・・・


そうして出来上がったキーマカレーを食べて満足した国王&部下の御一行様はまた来ると言い残して帰って行った。

いやそう再々来なくてもいいと思うのよ・・・

見送って気付いた。

私とアリェーニャ様のが残って無いじゃないよ! ちょっとぉぉ!!

本日三度目のカレー作り・・・

ひき肉を作るのも面倒だし、煮込むのも時間が掛かるしで薄切り肉で煮込まないカレーでもいいですかねアリェーニャ様・・・

次回作る時は私達2人分だけちょっといい部位の肉にしましょうね。

でも少し間隔あけてもいいかな? しばらく作りたくないや。

部屋中がカレー臭いんだもの・・・


読んで下さりありがとうございます。

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