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【書籍化】男女比1:99貞操逆転ギャルゲーで男友達キャラに転生したけど思った以上に大変なんだが⁉  作者: マイヨ@電車王子様2巻【4/24発売】
第2章 男友達は大変だな~

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第6話 もうオギャる

【引き続きエッちゃん先生──視点】


「はい。お粥できたよエッちゃん先生」

「ありがとう橘」


「ほら。食べさせてあげるから。アーン」


 何だろう。

 こんなの夢や妄想ですらしたことが無い。


 護るべき男の子に、こうして看病してもらえるだなんて。


 目の前の光景が現実とは思えず、ボーッとしてしまい、言われるがままにお口を開ける。


「あつっ!」

「あ、ごめん。温めすぎたかな? フーッ、フーッ。これで、冷めたかな」


「はむっ……美味しい……です……」

「なんで敬語なのさエッちゃん先生」


 笑いながら、橘がまたフーフーしてお粥を食べさせてくれる。


 ──なんだか懐かしい……。そっか、子供の時に熱を出して、同じようにお母さんに甘えてお粥を食べさせてもらってたんだ……。


 そんな望郷の念にとらわれながら、ただ口元に運ばれるお粥を食べて咀嚼し、飲み込む。


「お、全部食べ切ったね。はい、お薬飲んでね。お薬飲んだら、すぐに横になっちゃだめだから、ちょっと腰が辛くても座ってようか」


 そう言って、お粥の器を下げて洗ってくれている橘の後ろ姿を見ていると、何だかホッと安らぐ。


「ん、そろそろ横になろうか。介助するね」


「悪い橘……。年甲斐も無くカラオケではしゃいだばっかりに……」

「なに言ってるのさ。生徒のために盛り上げ役として頑張っちゃったからでしょ? みんなエッちゃん先生が元気に学校に来るのを待ってるからさ」


 そう言って、橘は笑いかけてくれる。


 サポーターと薬が効いてきたおかげなのか、さっきより腰の痛みが和らいでいる。


 ──ああ、お母さん……。私を産んでくれてありがとう。おかげで、私はこんな天使に出会う事ができました。


「さて。じゃあ、そろそろ帰るね」

「あ……」



 私が布団に横になった所を見届けて、橘が別れの言葉を告げる。

 夢のような時間は、いつもあっという間に過ぎてしまう。


「あの……」


 ──ああ、ダメだ……。


「ん、どうしたの? エッちゃん先生」


 私が漏らした、か細い言葉をちゃんと拾ってくれた優しい橘が、枕元まで来てくれる。



「帰っちゃ、ヤ……。一緒にいて……」



 ──言っちゃった……。


 こんなワガママ、男の子相手に許されないのに。


 今、こうして看病してくれただけでも、宝くじの一等に何回も当たるくらいの幸運なのに、更に浅ましく求めるだなんて……。


 こんなの絶対に重い女だよ……。


「なに? 不安になっちゃった? カワイイな~、もう」


 ──え? 私、さっき重い事言ったのに笑って許してくれるの?


 そして、頭をナデナデしてくれるの……。

 こんな年増の私を……。


 溢れる想いが、理性の壁を越えてしまう。



「パパァ……」



 あああぁぁぁぁぁあああああ!


 キモい! キモい! キモい!


 人工授精で生まれた私には、そもそもパパなんていない。

 相手は、担任している生徒で、10歳以上年下の男の子なのに!


 格好良い大人でもないし、男関連で騙されてばっかりでお金だって持ってなくて、こんなボロアパート暮らしで。若くないのに、はしゃいでギックリ腰になるような間抜けな大人。


 そんな残念な年増女から、パパなんて呼ばれて……。

 さぞ橘は恐るべき怖気(おぞけ)を感じて……。


「うん、パパだぞ~」


 え、こんなプレイまで受け入れてくれるの?

 橘の器の広さは大海原か?


「そうだよな。先生って甘えられないから大変だもんな。でも、良いんだよ。俺の前でだけは赤ちゃんになっても」


 あ……あ……。

 もうダメ、限界……。


 もう泣く。


 赤ちゃんみたいに泣く。

 オギャる。もうオギャる。


 何もかも忘れて、生徒の前で、私は教師の仮面をを脱ぎ捨てて、ただの生まれたての無垢な赤ちゃんに私はな。









「知己くん、遅い。早く帰るよ」


 ひどく冷えた声が玄関の方から聞こえた。

 そこに居たのは1年1組男子の観音崎晴飛くんだった。


「あれ、晴飛。先に帰ってなかったの? 別に待ってなくていいって言っといたのに」

「知己くんが心配だったからね」


 そう言って観音崎くんがこちらに視線を向ける。

 その、どこか冷たい視線に、さっきまで赤ちゃんだったのに、急激に大楠悦子が戻って来る。


「す、すまないな橘。色々と看病してもらって……。おかげで大分、楽になったから、帰ってもらって大丈夫だぞ」


「そう? じゃあ、そろそろ帰るね。お大事に」


 帰り支度をする橘を、私は張り付けた笑顔で見送る。


 私は、大楠悦子。

 年齢はもすぐ30歳。


 蜜月学園の教師だ。

 さっき赤ちゃんだったのは、泡沫の夢。


 でも、一瞬でもパパと呼べて嬉しかった。


「あ、そうだ」


 そう言うと、橘は枕元に再度来てくれた。

 何だろう?



「また今度、悦子のパパになってあげるから、赤ちゃんになる準備しといてね」

「バ、バブゥ……」


 枕元でこっそり耳打ちしてくれた橘の言葉に、再度、私は赤ちゃんになってしまった。

 終わったと思わせてからの不意打ちズルい……。


 ──って、観音崎君にさっきの聴こえちゃってないよね?


 そう思って、玄関で腕組してる観音崎くんの方を見やる。

 彼は、冷たいまなざしを私の方に向けていた。


 素敵なショタっ子な男の子に見つめられるなんて、これはこれで女にとって最高のシチュエーションだけど、今の私は何故か心が動かなくて、ただただ、次のパパの帰りを待ちわびるのだった。

はい。エッちゃん先生の性癖が歪んだっと。


ブックマーク、★評価よろしくお願いします。


あと、新作『貞操逆転ギャルゲーに転生してヒロインのママ達ばっかり攻略してたらヒロインが病んだ』

もよろしく。


エッちゃん先生好きならハマるぞ(ネットリ)

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