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7話 第3の選択

7章 第3の選択


 「ドオォォォォォォォォォォォォン」

床の振動と共に音が鳴り響いた。

床が削られたことでできた細かい砂が舞い上がり、視界を遮った。

砂煙が止み、視界がようやく開けてきた。

そこに俺は、いなかった。

 だがしかし、如月はやられていなかった。

そのかわり、トカゲの舌の先が千切れ落ちていた。

「え…?」

振り返ると目の前にトカゲの舌が写り、咄嗟に腕を顔の前にクロスした如月だが、衝撃も何もなかったため、ゆっくりと手を下げていった。


 少し前。トカゲの攻撃が着々と如月に近づいていっていた。

俺は、自分の正体がバレないために如月を助けないのが最善だと思った。

だが、どこか引っ掛かりを覚えていた。

通信学校での最初の友達だから?オワド制作者として感想を述べてくれる如月に情が湧いた?

わからない。

 俺はわからないまま無意識に如月に手を伸ばし、氷魔法を放っていた。

すぐに自分のやってしまったことに気づいた。

心拍数が上がり、冷や汗が頬を流れた。

 やばい、。この魔法の威力は今の偽装してるステータスでは放てない。

その時、ふと手に握っている白い剣が目に映った。

そこには、全く偽装してない剣の能力が書かれていた。

氷色白鞘ひしょくしろさやは利用者の氷魔法を倍にする>

この設定を使えば、なんとかなるかも。

俺は息を整えた。

後は俺の演技力次第だ。

気合いを入れて、走って如月のところへ向かった。


「如月、大丈夫か?」

俺は偽装レベルに合ったスピードで如月の元へ向かった。

「う、うん。大丈夫だけど、。なんでこんなことになってるの?」

如月はどこか俺のおかしい攻撃力に危機感などを含んでいるようだった。

「それは、この剣のおかげだ」

俺は左手に持っている氷色白鞘を如月に見せた。

「この白い剣?」

如月は氷色白鞘とトカゲの切り落とした舌先を交互に見た。

「そうだ」

俺は氷色白鞘の性能を説明した。

ただ、そこまで機能がいいものだとおかしいので、走って如月のとこに行っている時に偽装して、<ただし、1日一回までとする>と偽装しておいた。

「なるほどね。この剣、氷色白鞘のおかげでいつもの魔法の倍の攻撃力が出たんだね。確かに、このファイアリザードは火属性の生物だから、正反対の水属性の中にある氷魔法なら殺傷能力が一段と高くなるね」

ふむふむと如月が理解した。

 よかった。怪しまれてはいないようだ。

「ただ、さっきの攻撃でもう大した魔力は残っていない。だから、魔法で倒すのは無理だ」

さらに、怪しまれないように最大出力の魔法を放ったと言っておく。

「………分かった」

如月は何か考えているようだ。

「それで、回避中ものすごく考えてたが、あのトカゲとステージについて攻略法に繋がりそうなものは分かったか?」

如月が考えているところ申し訳ないが、あのトカゲはまだ生きている。

つまり、戦闘継続中ということだ。

「うん。何個かは分かったから説明するね。

まず、ファイアリザードはマグマにほとんど触れない。マグマに当たっても平気なら全て避けないだろう。つまり、ファイアリザードは完全にマグマ耐性があるわけではないということだね。

次に、ファイアリザードはマグマに入らない。マグマの耐性が完全ではないけど、途中、マグマに触れている時もあった。だから、マグマを避けているのは他の理由があるってことだ。僕を攻撃してくる時に遠回りなのにマグマの穴を避けていた。だから、ファイアリザードは泳げないんじゃないかな。

まぁ、名前もリザード=トカゲだしね」

如月は考えたことを簡単に説明してくれた。

自力で全てここまで辿り着くとは。

「すごいな。それなら、マグマに落とせばいいのか?」

このまま作戦も如月が立てたように誘導する。

「簡単に言えばそういうことになるんだけど、。このマグマの底が深いとも限らないし、そんな簡単に落ちてくれるかわからないし、もし落ちそうになっても這い上がってくるかもだし、」

如月が不安に口をもごもごしだした。

「もし、マグマが浅かったなら違うのを考えればいい。それに、マグマに落ちてくれるようにどうにか考えてみようじゃないか」

大丈夫だ。ここのマグマは底がとても深くなっている。

だが、それを直接いうわけにはいかない。

「そうだね。あっ、それなら、僕にいい考えがあるんだよね」

如月は閃いたのか、ものすごくイキイキしている。

「何?」

「それはね_____」

「いいね。やってみよう。さぁ、作戦開始だ」

俺と如月は武器を構えた。

ファイアリザード討伐、最終局面だ。


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