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30話 和解

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30章 和解


 あの後、彗と俺は仲良く朝ごはんを食べた。

その後、彗を離れ、俺の部屋に招いた。

「うおっ!やばっ!このパソコンめっちゃ性能いいじゃん。いいなー。画面4つとかうらやましすぎる」

彗は俺の部屋を見るなり、机の上のパソコンに目をやった。

「ちなみに、このパソコン、全部で200万円くらいな」

俺は彗を揶揄うように言った。

「まじか!」

彗は予想通りの反応を見せてくれた。

「にしても、彗。お前、なんで俺にハッキングしてきたんだ?まぁ、ハッキングというよりはウイルスを投入してきたと言った方が正しいけど」

俺はさっき聞けなかったことを聞き始めた。

「ストレス発散、かな」

彗は少し目を曇らせた。

「そうか。それにしても、あんな大量で質のいいウイルスを作るのは大変だっただろ。コツとか何か無いのか?」

俺は若干目を輝かせながら聞いた。

「う〜ん。見本とかにはならないと思うけど、俺、機械の声っていうの?そういうのが聞こえてくるんだよね」

彗は非科学的な内容を話し出した。


スマホを買ってもらってからだったかな、機械の声が聞こえるようになったのは。

『こうやるんだよ』とか『こっちのやり方の方がやりやすいよ』だとか。本当にいろんなことが聞こえてきたんだよね。

それで、初めからずっとその声が聞こえてたから俺は当たり前だと思った。

でも、他の人のスマホを見ても他の人には機械の声は聞こえないみたいだった。

だからこれは俺だけに聞こえるものだとわかったんだよね。

そこから、パソコン買って、ストレスを発散するためにウイルスという友達みたいな存在を作ることにハマって。

でも、ウイルスを作りすぎて置くとこが無かったから、ハッキングがすごいうまいって言われてる【クロア】に送り込んで処理してもらおうと思ったんだよね。

でも、ウイルスを送る時になんでか予想の5倍の量のウイルスが送り込まれちゃって。

だから、ハッキングされても大丈夫なようにガッチガチに防いだんだけど、【クロア】の煽りにウイルスたちが反応して襲って行ったみたい。

そもそも俺はウイルスを作ってただけで、自分にハッキング能力とか一切ないんだよね。

で、知っての通り北斗にやられたってわけ。


「どう?わかった?」

彗はすごい変わったような内容をさらっと話し終わった。

「???つ、つまり、彗は機械と話せて、その不思議な能力を使って俺にウイルスを送り込んだと」

俺はまだ理解ができていなかった。

「まぁそんな感じ」

彗は軽いノリで言った。

「わかったことにするわ。それで、機械の声ってどんな感じなの?証明ってできる?」

俺は彗の能力がどんなものか確かめたくなった。

「なんか、頭の中に直接響いてくるような、聞こえなくても理解できるような感じかな。説明するのちょっと難しいな。証明は、このパソコンのパスワードがわかったらできるかな」

彗は悩みながら説明した。

「いいよ。やってみて」

もし、彗の能力が本物なら、隠しても意味がないのだろう。

彗はパソコンの電源をつけた。

そして、椅子に座った。

「あ、北斗。パスワード教えてもいいかってこのパソコンが言ってるけど、いい?」

「ん?あぁ、いいよ」

(パスワードわかるのって許可制なんだ)

なんか軽いなと思いながら答えた。

すると、彗は迷わずキーボードを打ち始めた。

そして、本当にパスワードがわかったようだ。

「すごいな、彗」

俺は前にある出来事に目を疑った。

「まぁ、聞いて実行することしかできないけどね」

彗は少し照れくさそうにした。

 俺の部屋の扉が開いた。

「あれ?彗兄!?どうしたの!?」

扉から出てきたのは、搖斗だった。

「う〜んとね、互いの秘密がわかって少し打ち解けたから?」

彗は質問に答えてるのに、最後は質問になってしまっていた。

「簡潔にまとめると、彗に俺が【クロア】だと話して、彗が【コメット】だとわかったから、かな。あ、【コメット】っていうのは__」

俺は搖斗に【コメット】の説明を始めようとした。

「あ、それは知ってる。兄さんが相手してたウイルス使いみたいなやつでしょ?って、彗兄が【コメット】だったの?案外世界は狭いねぇ、本当に」

案外世界は狭い。確かにそうだ。俺にちょっかいをかけてきたのが、知り合い、すごくよく知っている人だったのだから。

「彗、搖斗」

俺は2人の名前を呼んだ。

「ん?」

「どうしたの?」

2人は何かあったのとでも言うかのようにこちらを向いた。

「これからもよろしく」

俺は和やかにそう言った。


 パシャ


搖斗がスマホで俺を撮った。

「え、ちょ。搖斗?」

突然写真を撮られて、俺は困惑した。

「搖斗。後でそれ、俺にも送ってくれ」

彗は俺を見ながら搖斗に言った。

「え、彗!?」

俺はなんでこう言うことになったのかわからなかった。

「搖斗、なんで撮ったの?」

「こんな貴重な顔、撮らなきゃでしょ」

搖斗は当たり前だとでも言うように、スマホを触って満足そうだった。

その言葉に、彗は何回か頷いた。

「なんで彗も!?」

「幼馴染のレアな表情を保存しないわけにはいかないだろ?」

彗は義務だとでも言うように言った。

俺はもう色々と諦めて、頭を手で押さえてため息をついた。


翌日。

俺は珍しく、学校へと向かった。

今月は2回目の登校となった。

なぜ学校に来たのかというと、如月に会うためである。

一応事前に如月には連絡をしておいた。

俺は教室に入った。もうすでに如月はいた。

「おはよ、如月」

俺は荷物を机に置いて、如月の前に立った。

「おはよう、黒須くん」

俺には如月に元気があまりないように見えた。

おそらくだが、【クロア】の情報を見つけたと思ったらまた振り出しに戻ったからなのだろう。

なんたって、毎回警察の情報網に侵入した時に向かってくる警官は如月の父親なのだから。

少しかわいそうだと思うが、そんな感情だけではバラしてはいけない。

だから、俺は嘘をつく。

「如月。【クロア】の情報が手に入らなくて残念だな。俺もできる限りのことは手伝うよ」

俺はそう言って微笑んだ。

如月は俺をみて、ポカンとした表情を見せた。

そして、すぐに如月はかすかに笑った。

「ありがとう」

こんなことを言って大丈夫なのかと思うだろう。

大丈夫だ。

俺は一人じゃない。彗や搖斗がいる。

頼ればいい。

それに、警察にばれそうでばれないなんてスリルがあって面白い。

俺は何か毒素が抜けたような笑顔を見せた。


これで最終章です。ありがとうございました。

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