27話 突き止めた
27章 突き止めた
「え、なんで?」
俺はすぐに平気なふりを取り繕った。
「そう、しらを切り続けるつもりなんだね」
如月は思い出し始めた。
__夕方での如月の家にて__
「よいしょっと」
如月は学校から帰ってきてリビングにある机の前に座った。
そして、パソコンを開き、黒須からもらったメモリを差し込んだ。
(う〜ん、どこもおかしなところはないな。健全な男子高校生って感じだな。なら、僕の予想は外れてたのか。少し自信、あったのにな)
如月はそう思いながらメモリの中の情報を細かく見ていく。
それでも何も手がかりのようなものは見つからない。
そうしていくらか時間が経った頃、如月の父が帰ってきた。
「おかえり、父さん」
「あぁ、ただいま、迅」
如月の父は開いているパソコンに気づいた。
「またパソコンで何か勉強していたのか?」
如月…、迅はいつもリビングでパソコンを開いて勉強をしている。
だから父もいつも通り、勉強をしていると思ったのだろう。
「違うよ。ちょっと【クロア】かもしれないクラスメイトのパソコンのメモリを見ていたんだ」
迅は正直に全て答えた。
その時、迅は嬉しそうな声で言ったが、その表情は少し寂しそうな辛そうなものだった。
「【クロア】?本当か?」
父は疑心暗鬼に興味を示すように目を見開いた。
なぜなら、毎日警察の情報網にやってくる【クロア】を対応しているのは父だからだ。
「本当だよ。ただ、まだ確実な証拠もないし、なんなら、その子の方から【クロア】じゃない証拠を突き出してきてさ、それを確認したら本当に【クロア】じゃない可能性が高くて。」
迅は少し落ち込んだようだった。
何せ、父の宿敵である【クロア】の情報が1から0に戻ったのだ。
「なるほど…。よし、少しそのメモリを見せてみろ。俺が見たら何か情報があるかもしれないからな」
「確かに。わかった」
迅はパソコンを父の前に出した。
父はパソコンを触り始め、数分が経った。
「おかしい。これ、本当にパソコンのメモリか?」
「どうゆうこと?」
「う〜ん、なんて言えばいいか。なんというか、精密すぎるんだ」
「精密すぎる?それはいいことなんじゃ?」
迅は父の言った言葉の意味がわからずに頭を傾けた。
「そうだな。どう説明したものか___。そうだ!例えば、文字を入力するときに間違えて打っちゃったみたいな時があるだろう?」
父は名案を思いついたような表情で話し始めた。
「あるよ」
「あるよな。そういうことが全くないんだ。失敗がないと言えばいいかな。機械みたいな感じだな」
「え、それって、つまりどうゆうこと?」
迅はわかるようなわからないような思いになった。
「つまり、このメモリのデータは作られたものだということだな」
父はさらりととてつもないことを言い切った。
「これが?作られたもの?こんな大量のデータが?これを作るとしたらすごく時間がかかるよ?それこそ1週間くらい」
迅は意味がわからないようだ。
「それは迅の実力で、だろ?だから、これを作れるとしたら、相当の実力の持ち主ってことだな。これは本当に【クロア】かもな」
父は獲物を狙うような目をしながら口角を上げた。
「僕が1週間かかるのに対して、黒須くんは1日、いや半日。ハハ、実力が違いすぎるな。でも、これで可能性は高まったよ。ありがとう、父さん」
迅は自分が想像以上に上の実力の相手をしていることに気がつき、冷や汗をかいた。
如月は少し前の出来事を省略して、必要な部分だけ黒須に説明した。
「……………あぁ!そのことか。すまん、そのメモリ、パスワードを入力しないと本当のデータが現れないようにしてるんだ。今、そのパスワードの入れ方とかを送る。それじゃあ」
黒須はうっかりしてたとでも言うように話した。
ぷつり
すごく早く電話が切れた。
「え?」
如月は何が起こったのか、まだ飲み込めていなかった。
ピロン
ラインの通知でようやく思考が進んだ。
スマホを見ると、本当に送られてきていた。
その送られたのを参考にパスワードを打ち込んだ。
すると、本当にもう一つのデータが出てきた。
如月はそのデータを父に見せた。
父が確認したが、どこもおかしいところが見つからなかった。
その後、なんでこんなにめんどくさいことをしたのかをラインで聞いた。
黒須からは、『もし、如月以外の誰かの手にメモリが渡ったら、拡散されないようにコピーできないようにしてあるんだ。ちなみに、この偽のデータは売ってあるやつ』というメッセージが送られてきた。
確認したら、ちゃんと専用のサイトがあった。
如月は大きな勘違いだとわかり、肩を落とした。




