14話 ハッカー存続の危機
14章 ハッカー存続の危機
搖斗が家に帰ってきてから二週間が経過した。
北斗は搖斗にご飯を作ったり、話したりと団欒していた。
元々、北斗はやればできる感じだったため、ご飯など作るのに失敗などはなかった。
そして、搖斗が帰ってくる前は生活習慣が狂っていたり、ご飯を必用にとらなかったりと不健康状態であったが、搖斗がきたことでご飯を食べるようになり、起床就寝も搖斗に合わせ、運動もするようになり、北斗は健康体となっていた。
そもそも、ハッカーを始めたのは外国に行った搖斗を見守るためと、両親に少しでも逆らうためだった。
けれど、今はもう搖斗が帰ってきており、両親に逆らうのすらめんどくさくなっているため、ハッカーを続けるのか迷っていた。
そして迷っているうちに幸せと迷いが混じった二週間が過ぎてしまった。
そのため、毎日行っていた【クロア】としての活動も止まっていた。
ネット界では、【クロア】の活動が過去に止まったことがないため、騒がれていた。
【クロア】は警察に捕まったのではないか、引退するのではないか、そんなコメントが飛び交っていた。
だが、パソコンを触ってない北斗にはそのコメントは届いていなかった。
搖斗が帰ってきて1ヶ月が経った。
俺は【クロア】として何も言わずに活動が止まっているのはいけないと思ったため、パソコンに向き合った。
電源を入れると、大量のコメントがきていた。
【クロア】である俺のパソコンには、国家機密や警察しか見れない秘密事項もたくさん入っていた。
そのため、異常がないか確認しにきたのだが、これはすごいな。
俺はコメントを大雑把に読んだ。
そこには、心配の声から、安堵の声までたくさんあった。
ちなみに、情報は漏れていないようだ。
そして、コメントを見ていると、怪しいコメントがあった。
何かわからないリンクと「必ず確認しなければ、あなたは必ず後悔する」と書かれたものだった。
俺はハッカーとしての能力を久しぶりに引き出し、調べた。
そのところ、ただ一つを除いて何もでてこなかった。
それは、ある人からの対戦状だった。
この異質な情報操作、これは俺と同族のハッカーの仕業だ。
本来は無視すればいいのだが、この対戦状を見た時点で出口は防がれていた。
このハッカーは手強い。そう思った。
俺は久しぶりに緊張感を持って対戦に集中することにした。