13話 感動の再会
13章 感動の再会
俺は、来週搖斗が帰ってくるため、完全にご機嫌だった。
そのためか、ハッキング力などが上がった気がした。
一週間は意外にも長く、待ち遠しい気持ちでいっぱいだった。
ついに、待ちに待った搖斗が帰ってくる日。
この一週間、たくさん考えた。
どう迎えようかを、。
派手にすれば驚いてしまう。
だから、暖かく迎えようと思った。
とりあえず、本居に行った。
離れは搖斗が外国に行った後に建てたものだから。
玄関の開く音が聞こえた。
俺は焦らずに息を整えて、玄関に向かった。
俺は今、最高の再会を迎える。
「誰?」
俺を見て搖斗から最初にでた言葉がこれだった。
俺は一瞬あまりのショックに気絶しかけた。
けれど、よくよく考えてみれば、6年間も会ってないのだ。
それが普通だ。
俺は、定期的に防犯カメラの主導権を奪ってこっそり搖斗を見ていたからわかったが、。
「あっ!もしかして、兄さん?」
搖斗は何かを思い出したかのようで、言ってきた。
「そうだよ。おかえり、搖斗」
俺は久しぶりに搖斗が「兄さん」と呼んでくれたことに幸福を覚えながら、柔らかく笑った。
「ただいま、兄さん。でも、よく僕が搖斗だってわかったね。僕、6年前(?)くらいから見た目すごく変わったのに」
確かに、6年前と比べると随分大人っぽくなった。
でも、俺はわかる。例え、防犯カメラの映像を見ていないとしても、。
だって、面影があるし、雰囲気も昔のままだ。
「それはもちろん、搖斗の兄だからね。それくらいはわかるよ」
「そっか」
搖斗は気の抜けたような笑顔をした。
(本当にもう、搖斗は可愛い!あの性格がクソな両親から生まれたとは思えない可愛さだ。姿形、性格、滲み出る優しい雰囲気。もう全てが尊い)
そう、北斗は重度のブラコンであった。
外国に搖斗が行った後も搖斗のことを見守り、ハッカーになったのも、外国に行った搖斗を見るのが目的でもあった。
そのため、最初にしたハッカーとしてのことは防犯カメラの主導権を奪うことだった。
北斗は搖斗を先に休ませた。
「それにしても、俺はもう身長抜かされちゃったな。スクスク育ってくれて兄として嬉しいぞ」
俺は、飲み物を持って行った。
「ありがとう。でも、兄さんもルックスは僕に負けないくらいいいじゃないか」
搖斗は少しムッとした。
その頬を膨らませた顔がまた可愛くてしょうがなかった。
「そんなことないぞ。搖斗が一番だ。それに、運動は多分搖斗の方が強いぞ。俺はほとんど家にいたからな」
搖斗は帰ってきていきなり褒め倒されて恥ずかしくなったのか、顔を赤めた。
その後も俺と搖斗はこの6年間のことなどを仲睦まじく話した。
とても幸せで時間が過ぎるのはあっという間だった。