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11話 怒り、悲しみ、過去の出来事

11章 怒り、悲しみ、過去の出来事


 両親が帰ってくる。

絶望しかなかった。

 ちなみに、俺がいるこの部屋、家は離れだ。

歩いてすぐのところに本居はある。

だが、両親が帰ってきたら、俺は両親に会わないとならない。

なぜか決まっている。

俺が家を留守にしても、帰ってくるまであの両親は待っている。

過去に何回も抵抗しようと頑張ったが、どうしようもできなかった。

 俺は両親が大嫌いだ。

なぜ、こんなにも両親が嫌いなのかというと、それは過去の出来事が原因だ。


 俺が小5の頃、俺は仲のいい2つ離れた弟と両親と本居で暮らしていた。

その頃は普通に仲のいい家族だった。

だが、俺が中学生になる直前に弟は外国へと行ってしまった。

それは、父の仕業であった。

俺は父になぜ弟を外国に行かせたのか聞くと、父は最低な答えを言った。

「将来、お前の補佐をさせるために、英語をちゃんとこなせるよう仕向けただけだ」

父はなんの感情も持たないロボットのように無表情で無感情な声を放った。

「それなら、搖斗ゆいとと俺、どちらも外国に行かせればよかったじゃないか。それに、搖斗はまだ小5だぞ」

俺はわからなかった。父のことが。

強制的に搖斗を外国に一人で向かわせたんだ。

「北斗、お前は英語も勉強も何もかも完璧にできている。だが、搖斗はいつも平均より少し上くらいしかできていない。だから、搖斗だけを向かわせたのだ」

搖斗が不出来だから?そんなの、搖斗を物として扱っているのも同然じゃないか。

 俺は自分の部屋に戻った。

部屋で父への失望感と絶望感、悲しみを抱えながら泣いていると、母と父が話しているような音が聞こえた。

 俺は自分の部屋を出て、リビングの扉の隙間を除いた。

そこで、俺は完全に両親のことが嫌いになった。

それは、一連の話によるものだ。

 「搖斗には困ったものね。北斗はこんなにも優秀な後継なのに」

「あぁ、これでは北斗に何かあった時に優秀な後継がいないことになってしまう。だからこそ、厳しい学校のある外国に搖斗を行かせたのだ」

 両親のその会話はまるで人形を操っているようにしか見えなかった。

両親は自分の子供だからという概念はない。

ただ、自分たちの家柄、会社を守るための道具、繋ぎにすぎないのだ。

 そこから、俺は本居から離れへと移った。

そして、ハッカーとなったのだ。

ちなみに、弟はまだ帰ってきてもないし、連絡もできていない。

連絡はしようと思えばできるのだが、俺がハッカーだとバレたくないために、連絡をしていないのだ。


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