9話 感慨深い
9章 感慨深い
「本当に僕たちが上級ダンジョンボスを倒しただなんて、実感が湧かないなぁ」
報酬やスキルアップやレベルアップをひとしきり確認した。
もちろん、俺は全てカンストしてしまっているため、上がってもないのだが。
「そうだな。それもこれも、如月がいろんなことを発見していい計画を立ててくれたからだ」
ここで重要なのは、俺が戦闘だけしか担当しておらず、倒せたのは如月のおかげであることを示すことだ。
「そうでもないよ。黒須くんがいたから倒せたんだよ」
ものすごくテンプレなセリフだな。
「まぁ、2人とものおかげってことで」
このまま譲り合いに持ちかけると絶対に長い。
最終的にはこんな結果になるのだから、最初から言っておくのが吉だ。
「そうだね。それで、もうだいぶゲームしてるから、ログアウトしよっか」
如月に言われて時計を見ると、18時だった。
それもそうだ。
中級ダンジョンに行ったり、買い物をしに町に戻ったり、そしてなんと言っても上級ダンジョンを10階層まで攻略したのだ。
こんな時間にもなるな。
「あぁ、それじゃあ、また今度」
俺はそう言って、ログアウトした。
今回は俺の正体を知られないために、怪しまれないために頑張った。
それに、初めて自分の作ったゲームで初め__じゃなくて、友達と初めてゲームをプレイした。
とても楽しかった。
友達と遊ぶという行為をほとんどしてこなかった俺にとって今回のことは精神的に気持ちのいい疲れを及ぼした。
そのため、俺はベットに吸い込まれるように気持ちよく眠った。