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最強登場

「っエ、エイジさん……!?」


突然現れた彼に目を見開く。そんな私の様子を知ってか知らずか…襲いかかってきた追っ手達を刀で軽やかに倒している。何だか前よりも動きが軽やかな気がする…!黒炎は使っていないが刀と魔術であっという間に追っ手達を沈めていた。と言うかやっぱりエイジさん強い……!!


次々と相手を沈めていく彼に驚きながらも私は巻き込まれないようアリスちゃんを支えるように立たせた。

なぜ彼はここがわかったのだろう?…考えても答えはでないが、正直彼が来てくれてホッとする。エイジさんが強いのはよくわかっていたし何より頼りになる彼がこの場にいることに安心した。


次に彼に視線を送ればどさりっと鈍い音が響き最後の1人を沈めていた。彼は刀をゆっくり仕舞いながら私の方へと足を向ける。

彼と視線が交わった。


「………。」

「っ、…へ、?」


あ、あれ……?何だか凄く怒ってる……?

怖い雰囲気に思わず後退りすれば橋の手すりに背中がぶつかった。逃げ場がなくなった私の焦る顔を見た後エイジさんは目を細め更に近づいて来た。

__な、なんか更に凄みが増した!?


逃がさまいとしてか両手で私の身体を挟むように橋の縁に手を置く。

っ…ち、近いっ…と言うかコレって…壁ドンならぬ橋ドン…では…!?あまりの近さと彼からの圧に変な汗が流れる。


「何故急にいなくなった」


低い声で責められるように投げかけられる。

ひぇ…!完全に怒らせてしまっている…!

そ、それはそうだよね…!?出会った時からエイジさんを何かと巻き込んでしまってさらにまたこうして面倒かけてしまっている訳でっ…


「す、すみません…!すぐに戻るつもりが…」

「1人で行こうとしたのか」

「へっ…?」

「このまま、俺の前から消えるつもりだったのか」


あ、あれ…?何だか話が噛み合ってないような……もしかしてエイジさん、何か勘違いしてる…!?


「ち、違います…!早くこの世界に慣れようかと思って外に出たんですがっ、」

「それで?慣れたら俺の前からいなくなるのか」

「えっいやちがっ私…」

「そんなことしても無駄だ」


だ、ダメだ…!全然私の話を聞いてもらえない…!!一体どうしたら…っ…


「お前がどう足掻こうが…」

「あ、あの…エイジさ…っきゃ!?」


突然腕を引かれたと思ったら目の前にはいつの間にか腕に装着されていた外せない金色の腕輪。訳がわからずにそれを驚いたように見ていれば、彼は腕輪を私に見せ付けるように指を遣わせると同じ色で煌めく瞳を私に向けた。


「……お前の居場所は必ずわかる」


へ?ど、どう言う意味…?


無駄に色気を放つエイジさんに目を白黒させていれば、____もぞり

エイジさんの肩越しに倒されたはずの追っ手が剣を取り起き上がったのが見える。

____た、大変…!!


「レナ、俺は」

「エ、エイジさん…!」

「いいから聞け」

「いや違っ、!」


私が慌てだし「エイジさんうしろ!」と叫ぶと彼は振り返り瞬時に刀を抜いた。そして襲いかかってきた相手を沈める。

な、何今の?一瞬の出来事すぎて一体何が起こったのか理解するのに数秒時間がかかった。ぽかんとしていればもう既に意識がないだろう追っ手を彼は睨み付けた。


「お前ら少し黙ってろ」


ひえっ……!底冷えするような、唸るような低い声と殺気に向けられた訳じゃない私が萎縮してしまった。完全にオーバーキルですよエイジさん…!


「レナ」

「ひ、ひゃい…!!」


ビクンっと思いっきり肩を跳ねさせてしまった。「大丈夫だ、殺してない。」と真顔で言われる。


「心配なら立てないように手足を切るが」

「っい、いえ…!もう十分ですっ…!!」

「____レナに触れたんだ、殺しても良いぐらいだがな」


そんな殺気めいた言葉に「はひ…」と情けない声が出た。

そんな私に改めて近づくと真剣な眼差しで見つめられる。反らせないそれにゴクリと生唾を飲んだ。


「聞け、俺はお前がいるから今ここにいるんだ」

「…っ…へ?」


突然のことに間の抜けた声が出てしまった。

そう言えば宿屋でそんなような事を言っていたような気がするけど……え、あれは気が動転していたのではなかったの…?


「あ、あの…そんな大袈裟です…!」


焦る私を他所に彼はゆるゆると首を横に振る。


「お前がいたから生きようと思った。人間を信じられた…今の俺は、レナが生きる理由だ」

「……っ」


も、もしかして…彼は本気でそんな風に思っているの…?

そして次第に陰る彼の顔。


「もし、お前がいないのならば死んだのと同義だ」

「!」

「そうなれば…俺はこんな世界いらない」


綺麗なはずの金色の瞳が、今は底知れない深海のように見えて。身体が思わず動いた。彼の手をぎゅっと握る。

いらないと口にした彼がまた出会った時のようになってしまったらと思ったら怖くなったから。


私の行動を見ていたエイジさんと目が合えば、私の不安そうな…戸惑う顔が彼の瞳に映る。

少しの間の後、フッと表情を緩めたエイジさんの瞳がまたキラキラと金色に光りだした。まるで暗闇の中で光を見つけたかのように。


「ほら、俺はお前がいれば人になれる」


息が詰まる。___彼は本気だ。本気でそう思っているのだ。

私は女神でもないし、この世界の人間ですらない。ただの人間で、ちっぽけな人間で。

私はそんなに思ってもらえるような人じゃないのに。

それに、この世界に関して無知な私と一緒にいれば迷惑だってかけてしまう。現にそうだし…

彼はもう自由で、好きなことが出来るはずなのにっ…


「だから、俺の前からもういなくなるな」


誰も自分の事を知らない世界、唯一私の事情を知る人で…そんな人が一人ぼっちの私を必要としてくれること。それがこんなにも嬉しいのと同時に、彼の優しさに甘えていいのかと自分自身に問いかける。

怖い…これ以上彼に甘えてしまえば私は、エイジさんがいないとダメな人間になってしまいそう。だって彼を見ただけでこんなにも安心してしまったのだ。…心の拠り所にしてしまうかもしれない…依存してしまいそうで怖い。


そんな思考すらも見透かすような彼の真剣な眼差しが私を射抜く。


ぎゅっと彼にキツく握られた腕が少し痛んだ。


「もしお前がいなくなれば、俺はこの世界なんていらない。全て壊す」

「…!エ、エイジさん…?」


彼の真剣な眼差しが冗談ではないと言っている。実際、彼の実力なら出来ない事ではない。

暗くドロリとした何かがエイジさんの瞳の奥で見え隠れしていて本能的にゾクリッと悪寒が走った。

それでも、彼の眼差しから目を逸らすことは出来なくて。

どうしたらいいかわからずその金色の瞳に吸い込まれそうになる。


「レナお姉さんいじめたらダメ…!!」

「「!」」


下から聞こえるそんな声。私達2人の間に割って入ってきたのはアリスちゃん。まるで私を守るようにエイジさんに立ちはだかるようにすればキッと彼を睨み付ける。


「お姉さんいじめちゃダメっ…!!今度はアリスが守る…!!」

「!アリスちゃん…」

「今度はアリスが守るの…!」


どうやら今のやり取りでエイジさんが私をいじめていると判断したのか、震えながらも彼を睨み付けている。

それを聞いていたエイジさんは少しの間のあと口を開いた。


「………誰だ」

「わ、わたしはアリス!アリス・スカーレット!!」

「…………」

「っ」


じっとアリスちゃんを見詰めるエイジさんの顔が無表情すぎて、その圧に一瞬怯むもアリスちゃんは睨み付けてひたすらに私を守ろうとしてくれている。小さな手が震えていて…その小さい体で、自分も大変なこの状況で守ろうとしてくれるその姿に何だか泣きそうになってしまった。


「…ふふ、エイジさん。アリスちゃんは私のお友達です。だから大丈夫ですよ」


その言葉に驚いた顔をしたアリスちゃんとその言葉に少し雰囲気が柔らかくなったエイジさん。そして「そうか」と抑揚のない声で嘆く。

不安そうにこちらを振り向いたアリスちゃんに私は微笑んだ。


「…ほ、本当に大丈夫…?」

「はい、本当です。彼はエイジさんって言ってとても強くて優しい人です。怖い人じゃないので大丈夫ですよ」

「!…お姉さんの、お友達?」

「…え?…えっと…」


エイジさんは…お友達と言っていいのだろうか?彼が私をどう思っているかはわからないが少なからず苦難を一緒に乗り越えた訳だし…大切な仲間?いやでも仲間ってもっとこう長年連れ添ったとか…一緒にいる年月は長くないし……でもこの世界で初めて出会った人で唯一私の事情を知ってる人……え、えっとえっと、こ、この場合なんていったら…!


「と、特別な人、ですかね…?」

「!」


エイジさんが驚いたように目を見張った。

えっ…ダメだったかな?!他に言い方あった…!?あ、恩人…!この言い回しがあったじゃないか…!突然の質問に馴れ馴れしい言い方をしてしまった!

焦ったようにすみませんっと謝れば彼は何故か嬉しそうに微笑みゆるゆると首を振った。

うっ…美形の微笑みが中々の破壊力である。


「じゃあ、悪い人じゃないんだね」


まだ少し不安そうにエイジさんを見詰めるアリスちゃん。あまり表情筋の動かない彼はきっと幾度となくこうして勘違いされてきたのかもしれない。私に向けてくれる微笑みをもっと他の人にも発信してくれたらきっと誤解を生む事もないのに…!勿体無い。

そんな事を考えていればアリスちゃんと目線を合わせるように彼は片膝をついてしゃがんだ。そしてキラリと光る何かを差し出す。


「!…私のペンダント、」

「…悪いやつじゃないとは言えないが、レナの友達ならお前に危害は加えない」


どうやら落としてしまっていたらしいペンダントを拾ってくれていたようで、エイジさんはそれをアリスちゃんへと渡した。悪いやつではないと言い切らない所に彼なりの誠意が見えるのだがそれがまた相手を勘違いさせることにも繋がってしまう、何とももどかしい状況だ。

少しハラハラしていたがそれを受け取ったアリスちゃんはペンダントをキュッと握ると安心した顔で笑う。


「……お兄さんも、レナお姉さんと同じなんだね」

「?」


何が同じなのだろうと不思議に思い彼と顔を見合わせた。まぁ何はともあれ彼女がホッとしたように肩の力を抜いたのをみてもう大丈夫だと確信する。

それはエイジさんにも伝わったようでフッと肩の力を抜いた。そして立ち上がるとボロボロになって伸びている追っ手達を見渡す。


「___何故こんな事になっている」


すみません、一話抜けていたようで…改めて更新させて頂きました。見てくださってる方がいらっしゃるかは分かりませんが少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです!

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