絶体絶命
「…もう大丈夫ですか?」
「……うん」
泣き止んだアリスちゃんは大泣きした自分が恥ずかしいのか少し頬を染め私を見た。
「…ありがとう、レナお姉さん」
「〜〜!」
かっ、可愛い……!!!!申し訳なさそうにでも嬉しそうに私の手を控えめに握ったアリスちゃんが可愛い過ぎて思わず悶絶してしまった。そんな私をアリスちゃんが不思議そうに見ていてハッとして咳払いをする。
わ、私としたことが…こんな大変な時に浮かれてる場合じゃない。
「…アリスちゃん、もしかしたら私があなたのお父さんを治せるかもしれません」
「!!ほ、本当…!?」
「はい、でも確実に治るかは私にもわかりません…やってみなくちゃわからないので」
そう、ずっと考えていた…呪いと言う事はエイジさんにかけられていたモノと同じかもしれないと。女神様から授かったこの呪解の力でもしかしたら助けられるのでは…でも本当に治るかはやってみなくちゃわからない。まだ確証はない…でも少しでも可能性があるのなら…
そのためにはまずアリスちゃんのお父さんがいるあの別荘へと行かなくてはいけないのだ。
「危険な場所へ行かなくてはいけないので、協力してくださる方の元へ行きましょう」
「?」
「とても優しい方なので、きっと力を貸してくださるはずです」
とにかく今はあの追っての人達に見つからないようにしなければならない訳だけど…
怪我は治せたけどまだ幼いアリスちゃんをこれ以上連れ回すのは体力が心配だ。ここにずっといるのも不安が残るしあれから時間も大分経ち日が傾き始めている。そろそろ宿屋に戻っても大丈夫だろう。私だけではアリスちゃんを守り抜くことは難しいしまた頼ってしまうのは心苦しいけどこればかりは物理的に強い人にお願いしないと難しい。彼に協力してもらえればきっと百人力だ。
「…アリスちゃん、これから私がいた宿屋に移動します。一緒に来れますか?」
「…うん…!」
アリスちゃんを見れば沢山泣いたからか目元が腫れている。でも出会った時よりも確実に表情が明るくなったとこを見て人知れずホッとした。
「おい!いたか!」
「「!」」
すぐ真上で足音が止まり声が聞こえ、2人とも息を潜め固まる。
背中に嫌な汗が流れ、ちらりとアリスちゃんを見れば顔を真っ青にして縮こまっている。
ダメだ、私が怖がっていたら…この子を守ってあげなくては。
大丈夫、翼竜やあの帝国軍人の人の方がもっと怖わかったんだから…このくらいどうってことない…!
「どうやらここら辺でフードを被った子供を連れた女を見たと」
「女?」
「見た事ない服を着た髪の長い女らしい」
「フードの子供は間違いなくアリス・スカーレットだ。この周辺をくまなく調べろ!」
…っ私の事だ…、見つかる前にここから逃げないと…でもこの服装じゃバレてしまう。どうしたら…悩みあぐねていればアリスちゃんが大丈夫?と言いながら覗き込んできた。
ふとアリスちゃんが着ているマントが目に入る。
…そうだ!
「アリスちゃん、私にそのマント貸してくれる?」
「えっ?」
私達は逆側の橋下から上へ出て辺りを見渡す。男達がいる方が宿屋へと行ける道…そして反対側から出て来た私達、向かうべきは男達のいる方向…要は対面ですれ違わないといけない訳だ。
そこで私が考えた方法、それは。
「アリスちゃん、苦しくないですか?」
「う、うん…!」
アリスちゃんのマントを借りた私はフードを被り自身の服を隠した。そしてマントの中でアリスちゃんを抱っこしている。
「レナお姉さん…重たくない?」
「重くないですよ、大丈夫です」
人がごった返す橋、その中をゆっくりと紛れるように歩く。
そして男達とすれ違うも何の反応もない。どうやらバレていないようだ。
よし、このままいけば橋を渡り切れる…!
そう思った時だった。ドンッとすれ違う人とぶつかって盛大に身体がよろけてしまった。同時にマント下でアリスちゃんが「あっ!」と声をあげる。
「ペンダントが…!」
「えっ、あっ…アリスちゃっ…」
腕の中にいたアリスちゃんが突然動きだした。そんなアリスちゃんを支えきれずに私はバランスを崩す。
ドタンっと尻餅をついてしまうも何とかアリスちゃんを落とさなくて済んだ。
___あ、危なかった…
下を見ればキョロキョロと何かを探しているアリスちゃんが目に入る。動いてしまったためか被っていた私のフードも取れアリスちゃんまでも丸見えに。
そして何よりも転んだ事によって注目を集めてしまっていた。私は慌てて取れてしまったマントを被せようとする。
「アリスちゃんマントをっ…!」
「っあっ、ご、ごめんなさっ…」
「見つけたぞ!!!!」
「「!」」
時すでに遅し。騒ぎに気付いた追ってが戻ってきたようで私は慌ててアリスちゃんを立たせると反対側へと逃げようとする。
「アリスちゃんこっちへ!!」
「逃がさ無いぞ!」
「!」
反対側からも追っ手が数人やってくる。騒ぎによりあれだけいた人は巻き込まれまいと逃げ惑い橋の上には私達と追っ手だけになった。
橋の真ん中あたりで完全に袋の鼠になってしまった私達はじりじりと後退る。背中に橋の縁が当たる。逃げ道がなくなりチラリと足元を見れば震えたように私の足にしがみ付くアリスちゃん。
この子だけでも守らなければ…!!
「……アリスちゃん、必ず守りますから私の後ろへ」
「…っレナお姉さん」
泣きそうな彼女を背中に隠して前を見据える。
どうやって切り抜ければ…アリスちゃんがいるなら強行突破は出来ない。川に飛び込む…?でもアリスちゃんを冷たい川に飛び込ませて大丈夫だろうか、他に…他には何か…!
フル回転で頭を動かすも良い案なんて思いうかばず1人の男に強く腕を引かれ拘束されてしまった。
「大人しく来てもらおうか」
「っぃたっ…離して…!」
「この女はどうする?」
ニタニタと舐め回すように品定めされ背筋が凍る。
「中々の上玉じゃねぇか、売り飛ばしたら金になる…っいてぇっ…!!」
咄嗟のことに身体が固まっていると後ろにいたはずのアリスちゃんが私を掴んでいた男の手に噛みついた。
「っ…レナお姉さんを離して!!!!」
「アリスちゃん!?」
「っこのガキ…!!!」
身体は震えているはずなのにキッと相手を睨みつけたアリスちゃん。突然のことに男が手を振り上げる。同時に私は彼女を守るように抱きしめた。
______っ殴られるっ…!!!!!
「……っ?」
キツく目を瞑るも痛みはやってこない。
その代わりに男の苦しむ声が聞こえ、恐る恐る目を開く。
「ぐっ…!なんだお前っ…」
「___レナに触れるな」
どうか高評価といいねだけでも…モチベになりますし何よりちゃんと小説として成り立っているのか不安なのでぜひ皆様の反応ください…!宜しくお願いします!!(文才のなさに不安すぎて更新するか迷った)




