06 こじらせ
というわけで、突然舞い込んできた良縁騒動も一件落着。
あれからフェリシルスさんは、研究生活を満喫しているそうです。
もちろん、僕の周囲にも平穏な日常が舞い戻ってきましたよ。
「ほう、平穏」
なんですか、シュレディーケさん。
アレは無視して構いませんよ。
むしろ構ってはイケナイ存在ですからね、アレ。
「…………(じっとりとした眼差し)」
ちょっと、ロージュさん。
謹慎解除された途端にやりたい放題みたいですけど、
そっちがそれならこっちにも考えがありますよ。
「お仕置き……(おねだりの眼差し)」
あー、ダメだこりゃ。
おしおきが通じないどころか、
おしおき目当てでもっとがんばっちゃうアランさんタイプですよ。
「リスト爺様にご相談すべきかもな」
どうでしょうねえ、
結局、爺ちゃんって、精霊乙女には甘々なんですよ。
とりあえず、アレについてどうこうするのは、
これ以上のストーカー行為に及んでからでもよろしいですか。
中途半端に対処すると、余計に問題をこじらせそうですし。
「まあ、フォリスさんがそれで良いのなら」
すみません、シュレディーケさん。
どうしようかな、
アリシエラさんに相談して、
精霊忌避結界を張れる魔導具でも、
開発してもらおうかな。
「…………(どんとこいな眼差し)」
ホント、ダメだこりゃ……