表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

03 当事者


 濡れ濡れ精霊乙女を乾かすために焚き火まで準備しちゃう、気苦労狩人な、僕。


 いや、脱がないでくださいっ、ロージュさんっ


 そのくらいだったら、焚き火ですぐ乾いちゃうでしょっ。



「…………(訴えるような眼差し)」



 はいはい、風邪をひいたら僕のところで看病しますから。


 ってか、精霊さんも風邪をひくんですね。



 何だか最近、森の狩人らしからぬアレな知識ばかり増えてるんですけど。


 えーと、乙女ふたり、焚き火を囲んで盛り上がっちゃってますけど。



 しかし意外ですね、 おふたりは相性ぴったり。


 すっかり意気投合して語り合っております。



 タイプはあんなに違うのに、


 これぞまさに乙女心の七不思議。




「それで、私のご主人様はどうなさるおつもり」


 ちょっとロージュさん、


 ご主人様呼びは止めて。


 そもそもフェリシルスさんの件は、当事者以外が軽々しく口出ししてはいかんでしょ。



「いえ、思いっきり当事者ドストライク案件ですよ」


 はい?



「リグラルトレイピアカブトムシを捕獲して事を進めたのは、他ならぬフォリス様」

「つまりは関係者どころか、フェリシルスさんの乙女としての運命をねじ曲げた張本人にして真犯人」


 ……アレかよっ!


 なんすかその絡まり過ぎてる運命の糸はっ。


 こんなのモルガナさんだって予測不能だっての。



「……」


 うっ、フェリシルスさんのまなざしが……



 あーもう、分かりましたっ。


 どう解決すれば良いのかさっぱり見当もつきませんが、


 張本人で真犯人な僕としては、


 何とかせねばいかんのですよ。



「それでこそフォリス様」

「このロージュ、フォリス様の愛玩精霊乙女の名に掛けて、生涯お側にひっついて離れない事を誓いますっ」


 憑いてくんなっ。


 ってか、乙女関連なアレコレは本当に間に合ってますからっ。



「そんなにモテモテなのですか、フォリスさんって」


 違いますって、頼みますからフェリシルスさんまで誤解しないでくださいよぅ。


 僕は妻ひと筋が信条の新婚夫の鑑ですっ。



「そうですね、フォリスさんがシュレディーケさんひと筋なのは、精霊界でも超有名」

「ただ、それとモテモテであることとは、何ら矛盾しないのです」

「賢いフェリシルスさんなら、既にお分かりのはず」



「なるほど、興味深い事案ですね」

「まさに自然生物学の貴重な研究対象……」



 ……とりあえず帰りましょうよ。


 このままだと夜営になっちゃいますから。



「乙女ふたりにテントはひとつ」

「まさにハーレムちっく外道」


 早くジコハ山に『転移』しなさいっ、


 このはぐれ精霊!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ