16 おひねり
"亜空間ダイブ"
この世から隔絶している空間に直接干渉出来る技、だそうです。
いわゆる『収納』の、こちらの世界の入り口的なモノが完全消去されていても、
この世界の全ての情報が記録されている"ログ"というものを調べると、
残されていた記録から『収納』内のモノが何だったのかが分かるそうで、
その情報をもとに、こっちの世界に現物を再構築するのだそうです。
それが"サルベージ"作業。
で、その"ログ"がある場所を"亜空間"と呼ぶのだそうですが……
いや、もちろん僕には何が何やらさっぱりなのですが、
サイノさん的には、さほど難しくはない技なのだそうで。
「失敗しても、こっちの世界に亀裂が入るくらい」
「もしそうなっても、"修復"が間に合えば大丈夫」
「間に合いさえすれば……」
やっぱり止めましょうよ、僕のへそくりなんかのために。
「まあ、サイノが大丈夫って言ってるのなら、任せて平気ですって」
凄い信頼感なのですね。
さすがは世界も時空も飛び越えて結ばれた兄妹。
「もしかしてネルコさんのマンガでしょ、ソレ」
「もうちょっと名前の方をひねってほしかったんだけどな」
「サイジとサイコって、そのまんますぎません?」
いえいえ、キャラデザもカッコ良かったですし、何より最後に結ばれるっていう王道展開が最高でしたよ。
ああいうとこでひねり過ぎてすれ違いやら喪失モノの方に行っちゃうと、せっかくのそれまでの熱いハマりが一瞬で冷めちゃって、二度と読みたくなくなっちゃうんですよね。
「むう、フォリスさんもなかなか……」
いえいえ、サイリさんほどでは……
「熱い"サイ×フォリ"を生で拝見させてもらったので、おひねり、どうぞ」
僕のへそくり!
ってか、おサイフ丸ごとサルベージですかっ。