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14 兄妹


 家族も増えて、ほんのちょっと賑やかになった我が家。


 もちろん家長は、家族のためにもよりがんばらねばならんのです。



 とはいうものの、森の狩人としての稼ぎを急に増やせるわけもなく。


 森を守る立場にある者が、荒稼ぎのために狩り場を荒らすわけにもいかんのですよ。


 せめて、あのおサイフのへそくりが手元に残っていれば……




「お悩みのようですね、フォリスさん」


 こんにちは、サイリさん、サイノさん。


 相変わらず、いつもいっしょな仲良し兄妹ですね。



「これが噂の"愛の魔狩人"」

「挨拶がわりに口説かれちゃったよ、お兄ちゃん」


「もしもし、サイノさん」

「お兄ちゃん呼ばわりは禁止でしょ」


 本当に息ぴったりで仲良しなんだから。


 ってか、どうして僕が困ってるってこと、分かっちゃったんですか。



「実はアリシエラさんから相談されたのですよ」

「完全消去された『収納』物をサルベージする方法はないかって」


 いや、いくらサイリさんの凄い固有スキルでも、そればかりは……


 おっと、もしかして。



「いや、僕もさすがにこの世のことわりを捻じ曲げるのは無理ですよ」

「ただ、そこから外れている存在ならもしかしたらってことで」


 ?



「うちのサイノなら、ロスト『収納』ブツをサルベージ出来るかもってことですよ」


 マジっすか!


 って、めっちゃ危険そうですよね、ソレ。


 いくらなんでも僕のへそくりのためにサイノさんを危険に晒すなんて……



「むふっ、心配ご無用新米虚無僧ですっ」

「この件は、事前にけんちゃんに確認済みの了承済みなのですよっ」


 マジっすか!?


 って、いくらなんでも僕のへそくりをサルベージするためにけんちゃんに……



「いえいえ、けんちゃんも心配していましたよ」

「僕は詳しくは知りませんが、アランさん絡みのとばっちりに巻き込まれたり」

「アリシエラさんの新作魔導具のアレコレに巻き込まれたり」

「最近のフォリスさんの苦境な状況には、早急に何らかのフォローが必要じゃないかって」


 ……本当にありがとうございます、けんちゃん。



 とはいうものの、サルベージの際にサイノさんが危険であることには変わりないですよね。


 人命救助うんぬんならいざ知らず、僕のへそくりですし……



「大丈夫、うちのサイノを信用してください」

「そもそも僕だって、そこまで危険だったら、サイノに"亜空間ダイブ"なんてさせませんから」



 ……今なんて言いました?



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