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妖精社会  作者: 創作
三章_第二次巨人大戦編

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幕間_黒蛇装備と漆黒の刀

「あ、クロエちゃん」

一時間少々。彼らが戻ってきた。

「それで。直人、お前また何かしでかしたのか」

ユウは読んでいた四六判の本を机に置くと、呆れたように直人に話しかけた。

「いや〜。あんまり遠出すんなって怒られちまった」

「お前とペトラは危なっかしいからな、釘を刺されて当然だ。また碌でも無いところに行っていたんだろ」

わざとらしく、ため息を彼はため息をつく。

「それでこの大きな荷物は何かしら?」

クロエは医務室先ほどまでなかったかなり大きい長方形の木箱を指差した。それは例の黒蛇(バジリスク)討伐報酬だった。着るんだったら、みんなで一緒にという千鶴の提案でここに運び込んだのだ。

「アレだよ、あれ。バジリスクの時の」

「ああ、装備とかの報酬ね。アレからもう三週間は経つのかしら。それにしてもよく無事だったわね」

「たまたま辺境に住んでいる鍛治師が一括で同職組合(ギルド)から依頼を受けていたらしい」

ユウはそう口にする。この話は荷物をここに運び込む際に寮母さんが言っていたことだ。

「なるほどね。じゃあ、早速着ましょう」

クロエはそういうと箱に手をかけた。


「すごい、この鍛治師さん。すごく腕がいいよ」

採寸は抜群で、各人の戦闘様式に沿って、設計がなされていた。〈黒蛇(バジリスク)〉の皮鎧であることから黒が基調となっている。違いがあるのは上半身だ。僕のものは胸当てとロングコート。直人のものは、同じ胸当てとおそらく大剣と干渉するからであろう、胸下で調整されたチョッキのようなデザイン。

ユウとチズルのものは胸当ての両脇とゆったりとした袖が繋がっている。肩は動かしやすいように露出した造りだ。

共通するズボンは膝下まで生地にゆとりがあり、そこでブーツと切り替わるようになっている。機動性を求めるとこの設計になるのだろう。黒無地では単調になるからか、素材の違いを用いて精緻な意匠を凝らしていた。

特出すべきはクロエの装備だった。ズボンは皆と変わらないが、上半身は非常に軽装で薄い長袖に籠手と胸当てという簡素なものだ。僕らのように厚手である必要はないし、かといって魔術師のように腕周りを覆っていては弓が引けない。それを考えるとまともな設計なのだが。

問題は上半身の体のラインが完全に出ていることだった。

「…なんか私だけ、凄い恥ずかしいのだけど」

「これ使うんだろ」

ナオトが木箱から何やら取り出し、彼女へと放った。それはフード付きの黒いポンチョだった。確かにこれを羽織ると全体的に整合性のとれたデザインとなる。

他に注文していたのは僕と直人の黒蛇(バジリスク)の骨を削って作られた長剣と大剣の模造剣。それだけの筈だが、さらに一振りの刀が納入されていた。その刀を退()けると洋封筒が現れる。

宛名は『鉄穴のじい』となっていた。


 縁へ

 バジリスク討伐の噂はこの村まで届いたよ。

 友達とも宜しくやっているそうじゃないか。

 実はあの後同職組合(ギルド)から鍛治師の募集がかかっていてな。

 折角じゃからて、引き受けさせてもらったわけよ。

 みんなの寸法は学校の先生(つて)で拝借させてもらったんだわな。

 先生にはよろしく言っといてくれな。

 新装備は気に入ってくれたかな。友達にも聞いといてくれ。

 良かったら、贔屓にしてくれってな。

 そうそう、縁の入学祝いが出立までに間に合わなかったんだ。

 先日やっとできたからそれも一緒に入れといた。

 気張れよ、若人。


その文で手紙は締められていた。

…じゃあ、これは僕の

全員が見守る中、僕は鞘と柄を持ち、カチンッという音と共に刀身を引き抜いた。それは光を根絶するかのような黒だった。この色は鍛冶場で見たことがある。間違いない。最高純度とされる白耀はくよう鉱石を玉鋼たまはがねに混ぜ合わせ、鍛錬することでこの刀はできている。あまりにも綺麗な刀身に瞬きを忘れて、見入っていた。

そのどこまでも暗い刀身がこれから先の未来が一筋縄では行かないことを示しているようにも見えた。刀を傾けると、綺麗に覗き込む班員の顔が映る。大鳥さまと恐れられるようになってから実に五年。ここまで信頼のおける友達が出来るまで随分と時間がかかった。

僕は、この刀をどんな未来が訪れるにしても「人を守る」ために振るうと強く誓った。

どうも創作です。KEIが後書き書いてます。

とりあえず、一巻分掲載し終えました。…とはいえ、『カクヨム』で去年掲載した作品なんですけどね、はい。個人的には面白く書けてるんじゃないかなぁ…なんて思っていましたが、正直全くと言っていいほど伸びませんでした。

はい、今思いましたよね。


「何で数字取れてねぇ作品投稿してんだよ」ってね。


まあ。あれです。現金な話ですが、なろうとビジュアルアーツ主催の『キネティックノベル大賞』に応募するためです。

やっぱり、掲載から一年経っても心のどこかで信じちゃうんですよ。

「僕たちの作った小説は面白いはずだ、売れるはずだ」ってね。

今年もカクヨムで開催している『カクヨムコンテスト9』にて『紋章都市ラビュリントス』という作品を応募していますが、まあ今年もダメでしょうね。カクヨムは序盤のランキングで上位じゃないと詰むんで…今は選考中の拾い上げでワンチャンと言った感じです。興味ある方は僕らのマイページにリンクあるので、そこから覗いてみてください。


さてさて、『妖精社会』ですが、『キネティックノベル大賞』で何らかの動きがない限り、この後の更新はしばらくないと思います。

カクヨムにて掲載中の『紋章都市ラビュリントス』を長期連載していきたいと考えているからです。

理由はモチベーション。また制作上の事情です。

『紋章都市ラビュリントス』は二巻分作っているので設定類が『妖精社会』と比べて固まっているんですよね。

全体のシリーズ構成もこちらは詰め切っているので完結する可能性が非常に高いです。(年末頃に第一巻に当たる『隠匿特異世界ラビリンス』をこちらにも転載いたします。年明けから《カクヨム》にて第二巻『永世中立都市アガルタ』を連載開始予定。カクヨムコンテスト中なんでね、よしなに)

逆に『キネティックノベル大賞』で動きがあれば、『紋章都市ラビュリントス』の連載をストップ。『妖精社会』を書き続ける形になると思います。やるとしたら、本編にもチラリと話がありましたが『天竜祭』を舞台にした物語になるはずです。


「現金な」と思われるかもしれませんが、KEI、僕の世界観を作り込む性質上、どうしても歴史書を含む学術書の購入にお金がかかるんですよね。図書館も使えますが、最新の書籍となると難しいです。

それに僕に限らず、相方も多大なる時間を創作活動に注ぎ込んでいます。人間息吸ってるだけでお金がかかるので…やはり時間を使う以上お金の問題は切り離せません。そろそろ相方の無償校閲に報いてやりたい…。

もう小説を書き始めて四年目になりますが、やはりただ「楽しい」だけじゃ継続は難しい、というのを常々実感している次第です。最低でも生きるだけの金銭はどうにかしないと。

リアリティのある重々しい話をして申し訳ありません。「へー、そうなんだー」と軽く流して頂けると幸いです。


最後に、毎度小説を作るたびに校閲やアドバイスをしてくれる相方に最大の感謝を。

いるかもしれない読者様へ、最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。

今なら知名度皆無なんで、いつか書籍化した時に古参名乗れますよ(笑)。

また何処かでお会いましょう!


追記、2024/12/05アニセカにも応募しました。出しとくだけはただってねw

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