表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖精社会  作者: 創作
三章_第二次巨人大戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/55

47_戦ノ乙女

私が天誅についたその時、黒々しくドロドロとした自然力が北東より放出されるのを感じた。その中にわずかに見知った自然力があることを知覚する。

……これはあの子の

私は都市に蔓延(はびこ)る魔獣と巨人を葬りながら、その場所に急いだ。

北東にある祠の近くまで来ると高度な水魔術によって作られた牢獄とも取れる建造物が目に入る。彼の自然力はその中だった。

刹那、地面に激震が走った。その源は牢獄の中だった。目を凝らすと薄っすらと中からひびが広がっているのが、視認できる。

……時間がない

私は球体を覆うように配置された無数の檻を足場にして結界の頂点へと至る。

そして、右手を上げ、魔術を展開する。

「火」最上級魔術〈世界を(偽・)破滅させた大罪の剣(レーヴァテイン)

私の周囲に生成された無数の火弾が収束し、天上を覆うほどの剣へと形を変える。

「……ん」

…ズガッ!ガガガガガン!

私は、その声と共にその剣を堅牢な檻へ落下させる。結界と剣は一瞬、拮抗したかに見えたが何層にもわたる防壁は次々と音を立てて崩れ去った。

その魔術によって開いた大きな穴から私は飛び降りた。下にははっきりと暴走状態に至った彼の…大鳥の姿をした怪物が見えた。その獣を拘束するために私は、次なる魔術を行使する。

 「無垢」最上級魔術〈悪を滅す光の槍(極光)

体から湧き出る自然力を手に集め、何十メートルにも及ぶ槍を作成。それを空中で構えると怪物の体目掛けて、振り抜いた。その槍は獣の肉体を容易に貫き、地面に深々と刺さる。その瞬間、溢れんばかりの光が衝撃となって結界の大穴から放出される。

その光の中少々遅れて、私は地面に降り立った。

怪物へと変貌した彼を見て私は言った。

「……久しぶり、ヨスガ」

しかし、彼に言葉は届かず、近づくと鋭い歯が無数に並んだ口を開き威嚇された。

「……あなたはいらないの、ヨスガを返して」

私はそう言い、深々と被っていたフードに手をかけた。そして、赤く染まった目の力を使う。

『魅惑の瞳:あらゆるものを一時的に魅了する』

瞬間、怪物はおとなしくなり、逆立っていた毛や翼もしゅんと(あで)やかなものになる。

「……ガガ、ギギ。お願い」

そして、私は首の付け根に宿る「一ツ眼の蛇」たちにそう命令を下した。

「ガガッ」「ギギッ」

すると彼らは元気よく返事をして、大鳥の首へと伸びてゆくそこに齧り付いた。刹那、膨大な自然力がその子たちを通じて私に流れてくる。

……発散しないと

私は片膝立ちになると両手を地面と接地。その部分から地面に直接、自然力を流す。するとそこを中心に生命が芽生え、急成長を始める。徐々に縁の大鳥化は解かれて行く。檻の中が緑でいっぱいになる頃には人の姿を取り戻していた。

結界は私が壊したところを中心にゆっくりと瓦解している。檻そのものが霧のようになり大気に溶けてゆく。

……あとは召喚陣の破壊と魔獣と巨人の掃討

私は段取りをつけると、その場から脱した。


その後は主戦場である北部戦線から振り分けられた騎士や傭兵が各都市へと帰還。存在した召喚陣、そして魔獣と巨人は駆逐された。それが五月二日の昼頃だ。

今回の戦で主要都市にもたらされた打撃は計り知れなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ