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ひと吹く


カゼ将軍は話を続けた。

「まず、ブフカで人々がバタバタと倒れ出したと報道があった。これは仮定のひとつですが、その時点ではC96の毒性が非常に強かった。その後、C96が拡がる程、時が経つ程に毒性は弱くなっていった。

どうです? C96前と後を比べて、パンダミックと言える程の変化はあったでしょうか? おそらく人為的変化がほとんどでしょう。

少なくとも、何度かの波のあとは、パンダミックとは違うでしょう。

でも、エム予防だけは続いている」

「少なくとも今は、カゼ将軍が暴れているのではないと言う事ですね」

「ですね。わざわざここに来る必要もなかったでしょう」

「大変、失礼しました」

「後、余計な事を聞きますが、私は人にみえますか?」

「そうみえますね」

「でも、人ではない。人のような格好ですが」

「そんなのみんな知ってるだろ」

「ですね」

「それと、私に似た別物もいるとか、風の噂ですが。ところで、もう遅い時間ですが帰れますか? 帰り道はわかりますか?」

「多分な」

「もし、宜しければですが、私がひと吹きすれば、あっという間にあなた方の世界に飛んで行きますよ」

「面白そうだな。でも、出来るのかい?」

「出来ますが、私を信じてもらう必要があります」

「あんまり信じたくはないけど、今回だけは信じてやるよ」

「では、門の前に出たらひと吹きしましょう」


二人は門へと向かった。

「あのさあ、なんだかスッキリしないなあ。ガセネタ掴まされたんじゃない? 適当な事言ってさあ、都合よく追い返したんじゃない?」

「今、本当にパンダミックなのか?」

「なんじゃないの? テレビは相変わらず騒いでるよ」


二人が門を出ると、嵐のような風で館が吹き飛んだ。

「いや、失敬しました。ではあなた方を吹き飛ばします」




(おわり)

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