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掌編小説

島の夏へ

作者: タマネギ

この島に住むようになって、

何度目かの、夏になりかけている。

暑くなってきたから、

いつもの年と同じようになるよ。


ミストサウナのような昼間が、

一コマ、一コマ、動けば、

そのうち、夏になるんだろうと、

根拠のない信念を持っている。


駅前のベンチで、捻れた背骨を

気にしながら、

この島はどうなってしまうのかと、

年老いていく通行人を眺めた。


ところで、まだ若い人々は、

友情とかを表す言葉たちに、

わざわざ、感激するらしい。

感激は、ある方がいいんだ。


そういえば、クリック一つで、

全てが水の泡になることなど、

生まれた頃はなかったんじゃないか。

そこまで手っ取り早い暮らしか。


生まれた頃になかったことに、

きっと、これからも浸されて、

少しずつ、少しずつ、茹だっていく。

夏の暑さに、茹だっていく。


ほんとうの感激で包みたい。

年老いても、まだ若くても、

この島に、安心できる感激、感動を、

たくさん、残せますように。


そして、残りますように。

そう願いながら、できることから、

していこう、これからも。

これからも、できることを。

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