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Psychic×strangers   作者: さがっさ
48/71

第二話 中立魔導保全都市、迎撃戦 /クライマックスフェイズ3:聖騎士突破戦線

二ヶ月近く更新が空いてしまい申し訳ありません………

今回は13500字越えとなっていますので長めとなっています

「フフフハハハハアアハハアッ! ようやく来たか対魔十六武騎(たいまじゅうろくぶき)ィ! いざいざいざァ!我らと貴様らの戦いを、尋常なる闘争を始めよう――――」

「さて、挨拶は済んだ所でエニステラ嬢には引いてもらうが」



 ―――高らかに雄叫びを上げ、巨大な蜥蜴の魔軍兵、リンブル・スーザがその爪を意気揚々にエニステラへと振り下ろそうとしたその時に割り込む影があった。

 鎧を着こんだ偉丈夫、聖騎士であるヘンフリート=ヴァシュケンである。


 リンブルの踏み込みに合わせるように、ヘンフリートは間合いを詰めて三つの胴を引き裂いて余りある爪の一撃をたやすく切り払う。

 偉丈夫の聖騎士の持つ長剣は、恭兵の持つ赤い大剣と比べてしまえば長さも幅も頼りなく感じてしまう一振りであるが、刃こぼれ一つ無く。続くリンブルの攻撃を制し続けていく。



「ヘンフリート様、何を言って――」

「万全では無い貴殿よりも吾輩が相手をする方がよいというだけのことだ」

「いえ、もう体調は万全です。多少、体が鈍っていることは否めませんがその程度で――」

「ならば、具足の一つでも備えてから言って欲しいであるな」



 恭兵は改めてエニステラの方へと目を向けた。彼女が纏っているのは普段から身に付けている《アーティファクト》でもある甲冑では無く、自らのハルバードを片手に簡素で清潔な入院着を身に纏っていただけであり、極め付けには神殿内における修練場の硬い土を裸足で立っていた。



「エ、エニステラ、まさかそのままの恰好で……?」

「当然です。まだ預けたままですし、取りに行く時間も惜しいですから」


  

 言い放ったエニステラは、ヘンフリートへ加勢しようと踏み出そうとするが、それを制するようにヘンフリートが下がりその足を止める。


 その隙をリンブルが許す筈も無く、ヘンフリートを追いその背後に立つエニステラと傍の恭兵ごと引き裂くように爪が振るわれる。



「我らが居る事を忘れて貰っては困るなッ!」


 

 ヘンフリートが握る長剣が触れる前に甲高い金属音と共に防がれる。間に入ったのは金属鎧に身を包んだ聖騎士達。 

 四人掛かりで互いの盾を合わせてリンブルの一撃を防ぐ。

 彼らの具足は地面を僅かに削るが、それでも押し潰される事無く抑え込む。



「ほう……やるな……このリンブルの一撃は多少盾を重ねた程度で防げるものではないと自負していたが……よもやそこらの聖騎士陣に凌がれるとは思わなかったぞ……?」

「神殿の戦力をエニステラ様やヘンフリート殿ばかりであると思わないでもらおうかッァ!」



 声と共に四人の聖騎士は盾を巧みに使い、リンブルの腕ごと押し返す。

 足と尾で即座に態勢を立て直す蜥蜴の巨人、しかしそれを見過ごさない者が居る。



「《大いなる神の一柱、ウォフ・マナフよ。御身の意を示し、紡げ》、《聖鎖(セイン・バインド)》ッ!」

 

 

 恭兵達の背後から一条の光が放たれリンブルの左足へと届く。

 光は鎖となり、リンブルの足を縛り上げ、そのまま蛇のように太ももへと纏わりつく。



「ウォフ・マナフの神官かッ! 何のォ!」

「くぅ、駄目です……縛りつづけられません……!」

「十分だ。合わせるぞッ! 《大いなる光の意志、アーフラ・レアよ。その意向を力に指し示し給え!》、《聖光射(セイン・ボルト)》ッ!」

「「「《聖光射》ッ!!」」」



 神官が放った光の鎖を左足を振り回すだけでリンブルは破壊する。

 しかし隙は十分に生まれた。態勢を立て直した聖騎士達が手に持つ剣をリンブルへと向けて信仰する神への意のりを詠唱し、剣先から光を放つ、それが四人で四つの光を束ねて一つの一撃が蜥蜴の巨人の頭部へと直撃した。



 避ける事無く直撃した光を恭兵が見ていると、袖が引っ張られ、そちらへと振り返る。

 都子が顔を暗くしながらそこに居た。



「ゴメン……、あの子逃がした……!」

「なっ、まさか……!?」

「神官の人達が来たのに紛れ込まれたかも……あの人達も直ぐにどこかに移動し始めちゃって……」


 

 都子の報告を受けて当たりを見回すが、確かにゴシックドレスに身を包んだ少女、ユーリシアの姿は影も形も無い。

 彼女が放り投げられた辺りには既に押し寄せてきた神官や聖騎士達がおり、彼らも自らの役割を果たすためにか忙しなく動き続けており、それらの大半は蜥蜴巨人の包囲を行っている。既に小学生程の彼女が紛れこまれてしまえば見つけ出すのは非常に困難であるのは確かである。



「だが、そんなにすんなりと通すもんか? この状況だと見かけ次第捕まえるなり……そうでなくても案外保護されてたりしてるんじゃねえかな」

「そうかもしれませんが。そもそも、あの子は修練場に誰にもばれずに侵入ができたんです。最初から自分を見かけても気にしないようにという催眠を片っ端から掛けていると考えれば……もう神殿内にはいない可能性さえあります」



 志穂梨も都子の隣に立つようにして言う。

 三人で顔を突き合わせる形となるが、周りはそんな自分達よりも目前に立つ魔軍の先兵の方を優先しているらしく、こちらに向ける視線はまばらであり声を掛けられることも無い。

 時間を掛け過ぎる訳にはいかないが、自分達の方針を決めるには十分だ。



「見逃した私が言うことじゃないかも知れないけど……追いかける必要とかあるの? 無茶して今度こそ操られたらお終いだと思うんだけど」

「でも、ここで見逃すと何が起きるか分かんねえだろ? あの能力で問答無用で操られたら魔法騎士団だってどうにもなんねえと思う。だったら多少は対処できる俺達で何とかしないと……何かこの都市でやらかしてるのは間違いないんだしな」

「それも……そうね。気が付いた時にはまた操られてましたなんて事になる前に何とかしておいた方がいいのかも」



 実は恭兵達がユーリシアを追いかける必要性はそこまで高くは無い。

 最悪、外見や特徴などの知っている情報を魔法騎士団の方に知らせれば"盗み屋"関連の依頼は十分に達成されたとみなせる事にはなるだろう。

 だが、あの《催眠能力(ヒュプノス)》に分かってる範囲内で曲がりなりにも対応できたのは自分達だけであり騎士団では手に余る可能性さえある。



「もう、私の《沈黙(サイレンス)》も切れてる筈だから……これらか追って探し当てるのも難しいと思うわよ?」

「でも、放っておく訳にも行かないだろ……なら二人は、ここを出てあの子を探しつつ……魔法騎士団の詰め所まで行って、佐助に現状を伝えて一緒に探してくれ。アイツの能力があれば直接催眠に掛からなければ何とか見つけられるだろ……野々宮はそれで大丈夫か?」

「私は大丈夫です。私は未だ新米同然ですし、"巡回神官"希望でマナリストを離れる訳ですからそれほど重要な役割を与えられている訳ではありません。神殿の方で集まるようにとも言われると思いますが……彼女の方も優先すべき事だと思いますから」


 

 恭兵の提案に志穂梨は頷きながら答える。

 彼女も既に落ち着きを取り戻しており、毅然として意見を出している。

 


「それがいいかもね……でも、アンタは? どうするつもりよ?」

「俺は――――」



 恭兵は顔を突き合わせた状態から、今まさに戦闘が行われている方を見る。

 リンブルはその巨躯に秘められた力を振り回し、対する四人の聖騎士は息を合わせて同時防御、同時攻撃を行い、その隙を縫うように神官が神聖魔法を放ち続けている。

 それらを見て今直ぐにも参戦しようとするエニステラを、その前に立つヘンフリートが押しとどめている。

 リンブルの周囲には聖騎士達が包囲網を完成させつつある。



「一人、俺が投げ飛ばした変身する"迷人(まようど)"がまだいる筈だからそっちを捕まえる。何か知ってるかもしれないしな」

「……いいわ。それじゃあこっちは私達がやる」

「いえ、一通り終わったら何処かに集合しましょう。この場合は……堅牢な魔法的防備が敷かれている研究塔の方が安全だと思います。ですからヴァンセニック研究塔に集まるのがいいと思いますよ」


 

 志穂梨の提案を受けて、互いに目を合わせて三人の間で同意が取れた。時間はそれほど無いので取れたのだと互いに勝手に信じた。

 


「じゃあ、そこに集合ってことで、気を付けろよ? 取り敢えず見つけるより佐助に頼った方がいいからな」

「他の方々もいると思うので大丈夫だと思いますが……くれぐれも気を付けて下さいね?」

「……無茶はしないでよ? 私が帰るのにアンタに手伝ってもらうんだからね」


 

 志穂梨と都子はそう言って踵を返して、修練場の外へと赴く。

 途中で、神官に止められたが志穂梨が取り成している。この分なら特に心配することは無いだろうと恭兵は判断して、正面を向く。



「ですからっ……いい加減私を通して下さい!」

「通す訳にはいかぬ。全部知った上で尚、罠に飛び込んでいこうとしようとしているなど以ての外である故にな」



 エニステラとヘンフリートは未だに口論を続けていた。 

 互いにまだ武器を手にしているだけで直接的な実力行使に至ってはいない。

 だが、エニステラの方が先にしびれをきらしてしまうのは時間の問題でもあったので、知り合いが何時までもこんなことを無視できるはずも無く。恭兵はとりあえず二人の間に入る事にした。

 


「エニステラもヘンフリートのおっさんもいい加減にしろよ。俺が言うまでも無いだろうけど敵の前だろ?」

「問題ありませんよ、キョウヘイ。私もヘンフリート殿も注意を十分に払ってますから。何時でも加勢することができます」

「そんなことをやっている場合ならばさっさと鎧を取りに行けば良いだろうに」



 嘆息混じりにヘンフリートが呟き、それに対してさらにエニステラは頑なになっていた。

 堂々巡りであり、このまま決着は付かないだろうと恭兵は思ってしまった。



「良いか、エニステラ嬢。これから先、ただ一人で戦い続けるということは通用することは無くなる。何故だか分かるかな?」

「……私が一度、敗北したからですか?」

「否、貴殿が一度でも一人で戦うことが無くなったからである」



 ヘンフリートが断言する。

 今は鎧を身に付けていない聖騎士は、反論を告げることができなかった。

 唖然としているというよりかは、何か気づいてはいけないものに気づいてしまったということが正しいだろう。

 彼女の見せたそんな様子に一切構うことは無く、偉丈夫の聖騎士は続ける。



「もし、貴殿が唯一人で戦い続け、その先に死んだとしても吾輩は無念さや後悔を覚えることがあったとしてもしかし貴殿を責めることは無かったであろう。それは貴殿が決めた最強の道、過去の経験から得た結論を以て、唯一人で戦うことが最強であると示す貴殿の出した一つの結果ということ、ただそれだけである」

「……では、どうして……」

「貴殿は先の戦いで、そこの小僧を筆頭として三人の力を得ただろう。それは貴殿が一人で戦い続けるよりも優先すべき何かがあるということに気づき、その結果であろう。そうでなければ、今ここで、ただ一人で戦う意味は何であるか? 独りよがりで戦う理由があるのであるか?」

「ですから、私も加勢しようとっ―――!」

「そもそもの話、貴殿も既に理解できている話であろう。そうでなくば、こんな所で足踏みをしている筈もない」



 ヘンフリートの巧みな体裁きは間合いを制することで、相対する者の歩みを鈍らせる。

 足運びを阻害されつつ出掛かりの攻撃を抑え込むことにより恭兵やリンブル等の重量差のある攻撃に対しても余裕を持って対処することができ、そしてそれは相手に自由な動きをさせない事にも繋がる。

 エニステラも、ヘンフリートが特殊な体裁きによってこの場に足を止めている。

 

 だがしかし、いかに体が鈍っていようとも、彼女は聖騎士の最強を背負う《対魔十六武騎》であり、そのkになればヘンフリートを無理矢理突破することは十分に出来る。


 では、何故そうしないのか。  

 ヘンフリートは言い当てる。



「貴殿も理解しているからだ。奴は何かしらの企みと備えを以てこの場に現れ、その目的として貴殿との戦いを望んでいる、と」

「知ってたのかよ」

「――はい、分かっていました。ですが、その企みもろともに破壊するのが私の役目だと………」

「それは一人で戦い続けると決めていた時の貴殿の戦い方である。あやつは今でこそ聖騎士四人がかりで抑え込めているが……その程度で終わる筈も無い。例え倒せたとしても相応の消耗を強いられるのは自明の理である



 蜥蜴巨人は聖騎士四人の一糸乱れぬ連携の前に、態勢を崩しながらも、それでも傷を負うことなく切り抜けていく。そして、時折、エニステラの方へと誘うように隙をさらしていた。

 今にも飛び出してしまいそうな体を彼女は必死に抑えていた。罠に飛び込んでしまうことにより引き起こされる事態について彼女はよく理解していたからだ。


 それでも、彼女は自分以外の死に耐えられない。置いていくことができないでいた。

 "死霊司教討伐戦"、自分を残して皆が死んでしまったあの戦いをもう一度繰り返す訳にはいかなかった。



「……誰かが、共に戦う仲間が死してしまうよりは、私が―――」

「貴殿一人残して、聖騎士隊が壊滅した元司教のリッチ討伐、"死霊司教討伐戦"、その時の後悔を一度の共闘で振り切れる筈も無いというのはその通りである。だがしかし、貴殿にはそれは許されぬ」

「《対魔十六武騎》だからですか?」

「その通りである。常に戦いに生き続ける戦士には、悩んでいる暇さえ与えられられぬのだ」


 

 ヘンフリートの言葉が着れたその瞬間、三人の目前でリンブルと聖騎士達の戦いの中で均衡が破られる。

 四人の内の一人がリンブルの爪の一撃に僅かに後ずさりをしたその瞬間に、連携の隙間を縫うように吹き飛ばされる。



「ッ!」

「待ていっ! まだ彼らは終わっておらぬッ!」


 

 エニステラが思わず飛び込んでいこうとした踏み込みをヘンフリートが潰す。

 非難の視線を向けるエニステラにヘンフリートは言う。

 マナリスト神殿の聖騎士は伊達では無いと告げ、彼らはそれに答えるように動く。

 


「配置を入れ替えろッ! 次は俺達が行くッ!」

「負傷者は下げてから神官の治療を受けさせろっ」

「戦神テュールの加護はこちらにあるぞ!!」



 リンブルを包囲していた聖騎士達は一つの生き物の如くその陣を変える。

 負傷した四人の聖騎士を、提げて新たに四人一組の聖騎士がリンブルの前へと踊り出て交戦を開始する。

 後方に下げられた聖騎士達は神官の治療を受けて呼吸を整えている、まだその目からは戦意は尽きていない。



「彼らも貴殿の足手まといにはならん。聖騎士をなめて貰っては困るのである」

「ですが、これも相手が私を待っているだけです。その気になればこの均衡も……!」

「だが、こちらも包囲を掛けるだけで一斉に掛かることはしていない。急ぐことなく、この修練場に被害を止めるための陣である。そしてそれ以上に時間を稼いでいるのである」

「……私の為、ですか?」

「やはり、貴殿はよく見抜き、理解している。その上で感情を排すことができない身であるというのは些か欠点となってしまうが……、だからこそ彼らの意を汲んで欲しい。万全の貴殿がいれば、この都市に降りかかる脅威などどうとでもなるというその願いを」



 エニステラはヘンフリートの言葉を噛みしめる。

 彼の言う通り、エニステラは最初から理解していた。

 神殿に現れた蜥蜴巨人は明らかな囮であることも、そして自分の足止めが目的であることも、聖騎士や神官たちもそれを見抜いていることも、そして目の前の強敵よりも更なる脅威が存在しているということも。

 それでも、彼女は決断できずにいた。過去の光景は一度の恭兵達との共闘では拭えるものでは無かった。

 だから、彼女は試すことにした。

 


「分かりました。ではこうしましょう」


 

 エニステラは静かに一歩後ろに下がって構える。

 その姿勢は勢いよく飛び出すための溜めの役割を果たしている。

 次に一歩でも踏み出してしまえば、彼女を止められるものは殆どいないだろう。



「私がいまから離脱を図り、その勢いのまま鎧を受け取りに行きます。しかし、その過程で、私が止められるのであれば、そのまま私が迎撃に移ります。私を無事に通したいのであれば、皆さんで私を通してくれるようにご助力をお願いします」



 エニステラは声を張り上げて宣言する。

 僅かに沈黙する空気が、彼女には少し痛かった。

 けれども、返事はそれほど待つことは無かった。

 


「それなら大丈夫だろ」

「うむ。貴殿が決定したのならば吾輩に文句は無い。諸君も大丈夫だなッ!?」

「了解したッ。我らが《聖騎士》殿に道を付けようぞッ!」

「おおっ!」


 

 それまで静観して恭兵に、口論を交わしていたヘンフリートと周囲に展開している聖騎士と神官もそれに答える。

 彼女はそれを受けて目を丸くして、それから決意を固めて頷く。



「フフフッフフフハハハハアッ! それで? 俺が通すと思うか?」

「通して貰うさ」

「グフハハハ、"迷人"のお前も戦うのか? 仲間はなにやらここから抜け出したようだが?」

「お前は俺が相手になるって言ったからな。それに何だか俺達を狙っているらしいからな」

「面白い冗談だな」



 リンブルは果敢に攻め入る四人一塊の騎士と戦いながら口端から人の肉を一噛みで引きちぎる牙を覗かせながら不敵に笑う。

 蜥蜴巨人が恭兵達を見つけた時に含みのある発言をしていたことが引っ掛かりかまを掛けてみた所、どうやら本当に何らかの関係があるようだ。

 しかし、恭兵本人にはまるで心辺りは無く。知り合いには、佐助位しか魔軍に恨みを持たれて居そうな者はいなかった。それから考えられるのは、この場から逃げたユーリシアや或いは、盾にするようにぶん投げた後にどこかに消えた変身する超能力を使ったやつだろうと当たりが付けられる。

 そんな事を考えている恭兵にエニステラが話しかける。



「良かったのですかキョウヘイ。ミヤコと共にここから離脱してもらっても……、ここは神殿の者達が引き受けますから」

「今のやり取りにもあっただろ? アイツも俺に何かの用事があるんだよ。それにここで最初に戦ったのはおれだしな」

「……分かりましたこれ以上は私も何も言いません。私の道をお願いしますよ?」

「まあ、何とかするよ」



 恭兵は背負った赤い大剣を抜き放つ。

 それに呼応するように、陣を引いている聖騎士達も剣を抜き放ち、神官もその手の錫杖を構える。

 それら全てを向けられて尚、恐れを一切見せる事無くリンブルは喜々として構え、片手で四人一組の聖騎士を抑え込みながら一歩、エニステラの方へと踏み出す。

 蜥蜴巨人が吐き出す息の生臭い匂いが鼻を刺し、応じるように膨れ上がる殺意の束から逃げるようにしてネズミが包囲の外から逃れようと駆け出し―――風が吹き、葉が落ち、そして遠く西の方角から何か大きなものが激突する音が聞こえた。

 それはエニステラが飛び出す合図となった。


 

「―――――行きますッ」



 裸足で土を蹴って、抱えたハルバードと一体になるように全力で飛び出す。

 方向はあえて、リンブルの脇を抜けるように目的地へと最短で駆け抜けると共に裏に回ることで周囲に被害がくることを避ける。



「正面突破とはなァ!」



 リンブルは笑みを浮かべながら、自身へと必死に食い下がる四人組の聖騎士を吹き飛ばし、両の爪を以てエニステラを迎撃する。倒れた騎士達に入れ替わるようにして四人二組の騎士が左右から挟撃を仕掛ける。

 リンブルは足の歩幅を細かく切り替えて戦列をかき乱し、向かってくる右方からの組を右手で打ち崩しと尾の薙ぎ払いで薙ぎ払った。

 間髪入れずにここまで見せなかった連撃を見せ、聖騎士達に僅かな動揺が生まれる。

 

 しかし、エニステラは止まらない。

 力を温存するために神聖魔法の詠唱すらせずただ身体能力のみで切り抜けるために抱えるハルバードと一体の一つの槍と化す。

 


「「《大いなる神の一柱、ミミルニルディンよ。御身の意を示し、紡げ》、《聖縄(セイン・バインド)》ッ!」」


 

 重なる神官の祈りが込められた詠唱より放たれた神聖なる鎖がリンブルの後方から足を止めるように放たれる。

 しかし、勢いを止められるのは一瞬だった。即座に引きちぎられ、その破片が落ちるよりも速く、リンブルは駆ける。その巨躯に反して動きは機敏であった。

 


(神官は撃ちきった。こちらの動きに合わせる形で援護できる神官はいないだろう。そもそも目が付いていけていない。聖騎士達も詠唱は間に合わんし、この程度なら無視していけばいい。最大火力でも十分に保つ。《対魔十六武騎》に爪は届く)



 リンブルは周囲の状況を判断し、問題はないと結論を下す。

 よって警戒すべきは正面に立っていた。



(俺を切り抜けると大層な事を言ってのけた事を囮として一撃を放つ可能性は考慮するべきだろうな。その上でまだあの背後に構えている二人、この中で指揮官を務めている筈の聖騎士の男と大剣使いの"迷人"の小僧か)


 

 見据える先には、エニステラから遅れてこちらに走ってくる二人の姿がある。

 彼女が来る前に割り込むのは不可能とも思える速度と距離であるが、屈強な聖騎士の方は遠近が狂うような特殊な体裁きを得意としているのが伺え、赤い大剣を用いている"迷人"の方は見た目からは察せられなかった怪力を持ち合わせていると見えるが、それ以上に最初の突撃の際に受けた妙な力を受けたことがリンブルは気にかかっていた。



(さあ、どうでるか?!)



 期待と警戒を込めた視線を二人に向ける蜥蜴巨人。

 殺意すら込められたそれを受けても二人は焦る事無く、自らの役割を果たす。

 恭兵は、赤い大剣から手を放しリンブルへと向ける。



「《念動拘束》ッ!」



 強力な《念動力(サイコキネシス)》を放ち、蜥蜴巨人の身体全体を巨人の手で掴むように止める。

 最初に行われた突撃と比べると勢いが落ちている筈だが、それでもリンブルは止まらない。


 片やリンブルからすれば前方からの風とも異なり、まるで透明な巨人の腕に押されているというような表現が正しいとも思えた。

 だが、それでも止まらない。一歩一歩を踏みしめて、巨岩を押し込んでいくように進む。



「巨人の腕というには軽いぞ、小僧ッ! 」

「勝手に言ってろォォォッ!」


 

 恭兵は叫び声を上げると同時に赤い大剣をその場に突き立ててもう片方の手を添える。

 大剣を保持する力さえもリンブルへの静止へと向ける。



「ぐ、グヌヌフフ、漸く見えない巨人の腕が分かり始めたかッ! だが、それで俺は止まらんぞォ!」

「ぐぬおォォォォっ!」


 

 互いに全力を掛けて力を加え続ける。

 リンブルの進撃が止まる。その足はその場に縫い付けられるように動かない。

 しかし、互いの目的は進撃することでも、相手の進撃を止めることでも無い。



「グゥォオォオォォ! 仕方あるまいッ! 《解禁せよ、木楔の契り》ッ!」

「な、あぁ?」


 

 リンブルの身体中から黒い紋様のようなものが浮かび上がり、空気中へと解けて消えていく。

 それに応じるように、蜥蜴巨人の力は膨れ上がる。その様子はまるで枷から解き放たれ自由を得た獣である。


 恭兵の全力の《念動力》による束縛をリンブルは開放された力を以て、強引にこじ開ける。

 遂には単純な力だけで、恭兵の《念動力》から逃れ出て蜥蜴巨人はその手を、横を抜けようとするエニステラへと伸ばす。


 それでも、エニステラは脇目を振らず構える事無く地を駆ける。それは目を向けることなく対処ができると判断したからか、或いは、自分を通すために全力を尽くすと言った彼らを信頼すると決めたからか。



「《大いなる神の一柱、フシャスラ・ワルヤよ。汝の権能、この地を制し区切るその力を我に授けたまえ》、《聖地付与・聖線開始コレキス・グリッドオン》」


 

 この場に響く祈りを形とする詠唱をも無視して、リンブルは自らの使命を果たすために《対魔十六武騎》へとその爪を振り下ろす。

 それでも、エニステラは目もくれずただ前を見据えていた。

 この場にいる誰かは、その一閃で最強の聖騎士が地に伏せる光景を浮かべてしまっても仕方なかっただろう。



 しかしそれでも、エニステラ信頼に答え、振るわれる剣があった。

 

 爪は駆ける聖騎士に触れることなく妨げられた。

 衝突したのは空間を区切るような白い線、神聖魔法によりヘンフリートの剣先から伸びる白い光で出来ていた。

 エニステラは振り返らない。リンブルの脇を抜け、助走を付けるように更に加速する。



「まだまだッ!」



 蜥蜴巨人は尾を振ってエニステラの進行方向を塞ぐ、彼女が回避行動を行おうとした瞬間に態勢を立て直し、

 取るべき選択肢は回避か或いは迎撃か、迷えばリンブルの手が掛かる。

 だがしかし、エニステラは迷わない。

 


「《念動拘束》ッ!」



 恭兵は一度リンブルの巨体へと掛けている《念動力》を解き、エニステラを狙う蜥蜴巨人の尾へと狙い、放つ。

 全方位から一転集中させた《念動力》、駆ける聖騎士を穿つ筈の一撃を届かぬ位置で縫い止める。



「それで俺を止められると思ったかッ! 全身に掛かった重圧が解ければ、こちらの方が早いッ!」



 リンブルは空中に固定された尾を逆に利用し、尾と二本の足の筋力を振り絞り、固定された尾の先端を中心に回りこむように半回転、脇を通り抜けていったエニステラの前へと踊り出た。


 巨体にそぐわぬ機動性を見せつける蜥蜴巨人。だがしかし、エニステラは止まらない。



「これだけで終わらせる訳もねえよッ!」


  

 恭兵は尾へ掛ける《念動力》を外しながら再度リンブルの全身へと力を掛け、尾の固定から全身へと力による固定が変化したことでリンブルが姿勢を崩す。恭兵はそこに加えて片手で何かを放り投げる動作を行った。


 恭兵の手の動きと連動するように、リンブルの顔面へと何かが衝突する。

 そのまま視界が覆われることでリンブルはエニステラの正確な場所を見失う。

 だがしかし、リンブルは止まらない。最後に目に入った彼女の位置と速度から予想される地点へと崩れた姿勢のまま無理矢理拳を叩き下ろす。


 苦し紛れの一撃であり彼女の実力なら少し速度を緩める緩急を用いて回避することも可能だが、エニステラは正面を見据えてただ走る。このままではリンブルの攻撃は直撃するであろう。 

 


「包囲、完了である」

 


 恭兵が時間を稼いだ間にヘンフリートの剣先が複雑に振るわれ、その軌跡を縫うように蜥蜴巨人の周囲に光の鋭角から直角に折れた直線が現れる。それは一つの光によって作られた白き格子は振り落とされた蜥蜴巨人の拳を弾く。応じてもがくリンブルの蹴り、振るわれる拳もヘンフリートが放った白き光の格子により尽くが弾かれる。



「――ッ! 上位神聖魔法かッ! 仕方あるまいっ《別たれる本陣、されどこの身が掲げ、捧げる主とは、アーセンゲイブ》ッ、《魔境転陣(テンプル・エイビル)》ッ!」


 

 祈りを告げるその発音からして相容れないものであると聖騎士達は感じ取った。

 決意と共に宙を掛ける白線に囲まれたリンブルの口端から紡がれたのは魔大陸に由来する神への信仰を示す詠唱だった。

 完成と同時に、蜥蜴巨人の体内から暗緑色の波動が幾重にも放たれ、檻のように囲んでいた白線が墨汁に白紙を浸したかのように黒く塗りつぶされていく。



(武僧の類であるかっ……神に血と闘争を捧げるとは、やはり遠き東方の魔大陸の神への信仰を力とする魔黒邪法……!)



 自身の視界を覆う何かをその場へと投げ捨てながら、歯噛みするヘンフリートに一瞥を向けることなく、リンブルは目標を果たすための最善を尽くし続ける。


 目標であるエニステラは蜥蜴巨人の傍から五メートル離れた位置にいる。しかし次の瞬間には遠くへ過ぎ去ってしまう速度を既に保持している。


 それでも、その巨躯が誇る腕を伸ばせば、まだ手が届く距離である。大剣を背負った"迷人"の少年が何らかの能力を用いて圧力を掛けるが、リンブルの渾身の膂力とその肉体の限界まで酷使して振り絞った一歩は一瞬の半分の足止めも敵わず、伸ばされた巨腕は駆ける聖騎士へと届くものとなる。



 相手方の主力と思わしき二人の妨害を振り切り、蜥蜴巨人の有り余る生命力を賭した命懸けのその攻撃は届く筈であった。

 

 

 ――――()()()()()()()()()()()()()()()()。ただ、走り抜けることに集中する。



(振り向かない。私ができることはもう、駆け抜けることと信じぬくことだけなのだからッ!)


 

 エニステラはただ祈り、走り続ける。


 その髪色と相まって、金色の閃光となって駆けるエニステラへと届く凶爪。

 誰もがその瞬間に見入ってしまい、時の流れさえ緩やかに過ぎてしまう程に誰も彼もの網膜にその時が焼き付く。

 次の瞬間には鮮血が舞うことを勝手に人間の脳が予測として判断し、処理を行ってしまう。それほどに決定的な状況であった。


 そして、何かが衝突する音が響き―――――。




 ―――金色の閃光は修練場を駆け抜けていった。



 異なる手応えをリンブルが感じ取った瞬間には既に遅く、エニステラは聖騎士達が予め通り抜けられるように道をつけていた包囲網を抜け、神殿区域を囲う塀を瞬く間に乗り越えていった。

 飛び越えて堀の向こうへと姿を消そうとしたその時、彼女は振り返り叫ぶ。


 

「どうかっ! 皆さまにウォフ・マナフ様のご加護があらんことをっ!」


 僅かな不安を押し殺すように、必ずこの選択を無駄にはしないと心に決めた彼女の言葉は神殿の誰にも届いた。

 それを最後に金色の一閃は魔法都市を横断すべく神殿区域から走り去った。


 リンブルは反射的にその後を追うべく足を踏み出すが、その足は重く、鈍い。

 恭兵が既に立ち上がり、《念動力》による足止めを行っていた。

 それでも立ち止まる事無く、足を進めようとするリンブルの周囲に光の線が走り、空中で形となって結界を形成する。


 束縛する白線の結界をリンブルが発する暗緑色の波動により黒く浸食されて破壊される。しかし、これでリンブルは完全にその場に立ち止まらざるを得なかった。

 走り去った聖騎士を後に漸く自由を取り戻した蜥蜴巨人の眼前に立つのは全身を金属鎧に身を包んだ偉丈夫、ヘンフリートである。

 リンブルは目の前に立ち塞がる自身の最大の障害である存在を睥睨する。

  


「――改めて、名を聞こう」

「ヘンフリート、ヘンフリート=ヴァシュケン。名誉ある聖騎士の家に生まれながらその責務を果たせず辛うじて聖騎士を名乗ることを許されている冒険者である」

「それで聖騎士ではないと良く言った。俺を阻むに値する障害であると貴様とここにいる者達を認識しよう」



 リンブルの視線の先にはヘンフリートの背後、全霊の神聖魔法に自らの精神力を注ぎ込んだことで気絶し性kしいにより運ばれていく二人の神官の姿を確認していた。

 エニステラへと届いた筈の一撃を文字通り命を懸けた簡略詠唱によって生み出した障壁によって防いでいたのである。

 それまで大した障害では無いと認識していた事を改めて、この場で彼らを釘付けにする意義が十分にあると蜥蜴巨人は認識した。



「ヘンフリート、そして名乗らぬ聖騎士と神官共、後はこの場に残った……タカトーという小僧に―――本命の内の一つか」


 

 リンブルは修練場の一角を睨みつける。その先にいるのは先ほど恭兵が投げつけて蜥蜴巨人の視界を奪い彼に投げ捨てられた白い体毛の小動物だが、次の瞬間には風船のように体積が膨れ上がりリンブルの半分ほどまで大きくなった後に内側から食い破るように浅黒く大きな五本の指が飛び出した。

 


「クソッ………こっそりと逃げようと思った所をテメエ………!」

「悪かったな。お前にまで逃げられる訳には行かなかったし……それにあっちはお前に何か用があるみたいだからな」



 鼻息を荒くしながら現れたのはリンブルの先制となる突進を逸らした後にいつの間にかその場から消え去っていた牛頭の大男であり、つまりはゴシックドレスの少女の連れである《変身》の超能力をその身に宿す"迷人"であった。

 小動物となりこの場をやり過ごそうとしたようだが、そもそもこのような修羅場に小動物などは一目散に逃げさり居る筈も無いと考えた恭兵にその正体を見破られていたのである。


 リンブルと《変身》の"迷人"この場で巨体を誇る二人が視線を交わす。



「一つ、聞こう。彼の方はどこだ? 案内すれば貴様の命は見逃してやろう」

「……そりゃ、素敵な提案だな……けどよ―――、いくら命が惜しいからって、アイツを差し出してまで生き延びようとするなんざ……。いつも逃げてきた俺でもできねえ、できるかよ」

「そうか」



 牛頭の大男が啖呵を切った。

 それを正面から受け取り、リンブルは腰を落とし周りを見回した。両手に備えた爪は纏った暗緑色の波動を受けて禍々しい存在感を放つ。



「ならば、貴様らを皆殺しにするとしよう。悲鳴の十や二十も重ねれば、《対魔十六武騎》は現れるだろうし、そこの牛頭の顔を剥げば、彼の方の反応程度は見て取れよう」





  ◆




 ―――リンブルと恭兵達が激突した同時刻の魔導保全都市マナリストの中央部。

 

 マナリストを守る魔法騎士団、その詰め所となっている無骨な石造りの建物の地下には魔法都市内部において罪を犯した犯罪者、主には魔法使いたちが収監されている。

 引き起こされる魔法実験事故の後処理や度を超えた違法研究を行った魔法使いへの対処などを行う魔法騎士団の詰所であるが、"生長外壁(せいちょうがいへき)"からの襲撃の報を受けて事態に対処すべくその中はあわただしく動いていた。


 だがしかし、詰所の内部でさらなる問題が引き起こされていたのである。


 

 罪を犯した魔法使い達の牢獄となっている地下深く、そこで白刃が躍る。




「三つ! 四つ! これで終わりっす」

「いちいち構ってられん! 手足の健を断ってから気絶させたら先を急ぐぞ!」



 佐助の握る短剣によって両手足の健が斬られたことで自由を無くした囚人を魔法騎士の男が頭部に一撃を容赦なく叩きこんで意識を落として一行は先へと進む。


 両端に牢屋が並ぶ通路の先へと進むのは、加藤佐助に真辺実、マニガスと二人の魔法騎士の男達である。


 

「まさか、あの男の体内を突き破って剣が出てくるとはな……! しかもそれを手に取った……いや、突き刺された伝令が何かに乗っ取られて、囚人共を開放しながら奥に進んでいくとはなぁ!」

「でも、出口はこの道の後ろ。俺達を突破しない限りここから脱出するのは無理では? 何故逃げているんだ?」

「決まってんだろ!」



 実の質問に敵の狙いは当然だというように走りながら魔法騎士の男は答える。

 外の状況の異変と合わせるように起きたこの事態、男は直感的に判断した。



()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 それは、魔法都市を守護せんとする魔法騎士団の役目と意義をその足元の根本から覆すような脅威が牢獄の奥から解き放たれてしまうことを意味していた。



 

 


 

 


 



少し忙しいのですが続きは可能ならば一週間以内

最低でも一ヶ月以内に更新する予定です

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