プロローグ:スタート・ユア・アドベンチャー
――――夢を見ている。
永い、永い、夢だ。
目を閉じたままその夢を永い間見続けている。
それはある世界のお話だった。
初めに大きな大地があり、そこでは数多くの色々なものと神秘にあふれていた。
彼らを導くのは二つの光、一つは明るく、一つは怪しく、それでも等しく光っていた。
それがある日真っ二つに割れた。
大きかった大地は二つに別たれ、二つの光もまた、それぞれ分かれた。
別たれた大地の間には水が溢れ海となり、多義の大地を遮った。
二つの光はそれぞれの大地をそれぞれで導くこととした。
明るい光は美しい女神となり、怪しい光はたくましい男神となった。
彼らが導くように大地に生きるもの達は次々と姿を変え、生き続けた。
ある日、男神は女神が導く大陸を見た。
そして、彼はそれが欲しいと彼女に言った。
女神は聞き入れなかった。
男神はそれでもそれが欲しくて、自分の大陸に住まうものにこう伝えた。
「あの大陸にあるものを奪えばお前らには栄光が約束されるだろう」
そして、男神はある者に力を施した。その者は自分の名を魔王と名乗った。
魔王は自分の配下を連れて、女神の大陸へと渡り、女神のものを奪おうとした。
女神はそれを守るために、自身の力をある者に施した。その者は勇者と名乗った。
勇者とその仲間たちは必死に闘い。魔王を女神の大陸から追い出した。
女神の大陸に平和が訪れた。
しかし、男神は諦めなかった。
魔王を次々と作っては女神の大陸へと送りこんだ。
女神もそれに応じるように力を施し、勇者は戦った。
百年に一回の衝突が起きて、それがもう七回。
その度に女神の顔には悲哀が生まれた。
その度に男神の顔には恨みが刻まれた。
そんなことを繰り返している世界だった。
その世界に住む者は剣を作り、神秘を操る。
そんな世界の夢を、ずっと見ていた。
いつから、だっただろうか。
そんな世界に星が落ちるようになったのは。
その星はどこにでも落ちた、女神の大陸にも、男神の大陸にも、たまに二つの大地を遮る海にも、
その星は色々な色をしていた。
その星は落ちた先で色々なことをしていた。
彼らはなんなのだろう?
どこからきたのだろう?
何をしたいのだろう?
何時からかそんなことを考えるようになっていた。
そんな時に、また星が降ってきた。
――――それはぼくが大好きな赤い色をしていた。
―――Psychic×strangers
プロローグ:スタート・ユア・アドベンチャー
初めまして、さがっさです。
とりあえず、これが今作、Psychic×strangers のプロローグとなります。
本編は次のお話となりますのでよろしくお願いします。
次回更新は明日になります。