07 進化
説明回みたいになりました。
翌朝
うーむ。今朝はぐっすり寝た気がするぞ!きっと疲れてたんだろうな。
思い返せば散々な一週間だった。
暴走バイクに撥ねられるは、七日間?も棺に閉じ込められるは、いきなりゴブリンに崇められ、その日のうちに侵入者・・・
よく俺死ななかったな。あっ、一回死んだんだったな!
段々と頭が覚醒していく。
俺はむくりと起き上がった。
辺りを見回す、見覚えのある昨日と同じ部屋だ。
まあ、それはいい。
俺は再び辺りを見回す。やはりレイドたちの姿は無い。
その代わりという訳では無いが、なんだか見覚えのない人たちがいるんだが・・・・
これは、もしかして、またなのか?また訳の分らんところに連れてこられたのか?
これは無限ループの可能性が出てきたぞ。
「お早う御座います、我らが主アクア様。」
ナイスボイス!俺は思った。
しかし、なんだろう?物凄くデジャブを感じるんだが・・・
これは・・・もしかして、
「お、お前、レイドなのか?」
目の前の男が首を縦に振った。
どうやら、レイドで合っていたらしい。
しかし、これは・・・・
「で、でかくなってないか?」
そう、でかい!でかいのだ!
もともと150cm程度だったのが2m程度まで伸びている。
いや、でかくなりすぎだろ!
これは成長期ってやつか?ゴブリンは毎日が成長期ってことか?
落ち着け俺!そんな訳ないだろ!そもそも、この速度で成長したらゴブリン巨人になるぞ!
いや、それもどうでもいいな。
取り敢えず現状確認!って、どうすればいいんだ?
!
ステータス!そうだ!俺はステータスが使える男になったんだった!
早速使ってみる。
ステータス
名前 レイド
種族 リトル・オーガ
称号 ゴブリンの長 一線を越えし者
魔法 なし
耐性 飢餓耐性 物理耐性
名前 ミア
種族 アーク・ゴブリン
称号 一線を越えし者
魔法 ヒール
耐性 飢餓耐性 魔法耐性
名前 シルク
種族 アーク・ゴブリン
称号 一線を越えし者
魔法 なし
耐性 飢餓耐性 物理耐性
他の七人はホブゴブリンでした。
いや!種族変わっちゃってるよ!レイドに至ってはゴブリンですら無いし!
うすうす分かってはいたが、今確信した。これは進化ってやつだな!
外見からして、まず違うからな!
ちなみに、ユナとシルクは160cmくらい、他のゴブリンは140cmくらいだった。
体格は男、特にレイドとシルクはがっちりと、女もそれなりに見れるものになった。
ユナに至っては二度見してしまったほどだ。
顔はゴブリンと人間を足して二で割った感じだ。結構親しみが持てる。
そんな感じでした。
コボルトの王は深く、長い溜息をついた。
脳裏にあるのは、”共有する瞳”で見た先の戦闘・・・・いや、あれを戦闘と言っていい物か、
あれはもっと・・・・・
「ふうーーー・・・・。」
無用な感情に惑わされるな。今は如何するべきか、それを考えねば・・・
⓵こちらのカードはノーマルが100、ハイが20、アークが5そのうちネームドが2体
⓶あちらには少なくとも私と同程度の力を持ったゴブリン?のダンジョンマスターがいる。戦力は未知数。
とはいえ、ダンジョンが出来たのがつい先日。そこまで大規模にはなってないだろう。ダンジョンマスター自ら掃除をしに来たことから考えてもアークを倒せるほどの臣下は無いと考えていい。
もちろん、レイドはダンジョンマスターではない。しかし、アークを瞬殺したのだ、そう勘違いするのも無理からぬこと。
しかし、その勘違いが、間違った前提が、ザスターに決断を下させる。
男は考えた。
今はまだ私たちの方が総戦力において勝っているだろう。
だが、たった数日で私と同じ高みまで上り詰めた存在。放置しておくのは危険だ。
-----今の内に排除しなければ!
そう結論付け、男は立ち上がり、遠吠えを上げる。
ウォ―――――ーん
狼の遠吠えが闇夜に響いた。
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うーむ--。
俺は御前でワイワイと騒ぐゴブリンやらオーガやらを見て、頭を悩ませていた。
理由は簡単。
服だ。
進化のせいで一回り体が大きくなり、出るとこも出始めたため、あのぼろ布ではいささか心もとないのだ。
雄共は、それを見て非常に嬉しそうであるが、お前らもたいがいである。
俺はユナを見る。
――――――――――――――――――――少し不味い気がする
いや、ふざけてる訳では無い。
ユナは雌ゴブの中でも、かなり人間に近い姿になりつつある。
これは、不味い気がする。
まずは食生活を何とかしようと思っていたが、衣のほうを優先させた方がいいのではないか?
そんな考えが頭をよぎったのだ。
ちょと考えてみたが解決策は浮かばない。
先ず俺、家庭科1しか取った事のない男だ。未だに玉結びすら出来んのだ。これは駄目だ。
次、ゴブリン。ダメだな。
うーむ。まいったぞ!
「レイド、ユナ!お前たち、衣服とかどうしてたんだ?」
こいつら、ボロ布しか着てないが逆に言えば布を着ているということだ。
ここは森の中、布が落ちている訳もない、つまり、何らかの方法で手に入れる手段を持っている可能性が高い、それ故の言葉だ。
「服?ですか・・・これは冒険者なるものから奪ったもので作りました。」
「身も蓋もないな!」
まあ、いい。衣服は後回しだ。
次は・・・・
「しょ・・・・・・」
「アクア様!コボルトがこちらに進軍してきました!」
ま、またかあ―――――――!
俺はコボルトに嫌われることをしたのだろうか?
そう思わずにはいられない。
しかし、不安があるかと聞かれれば、そうでもない。
なにせ、こっちにはレイドがいるんだしな!
アークコボルトが10体いたとしても勝てる自信がある。
故に俺は落ち着いた声音で、見張りに出していたゴブジを安心させてやる。
「落ち着け、俺たちに敗北は無い。・・・・して、数は?」
「ひゃ、百体以上入るかと!」
「・・・・・」
これは・・・駄目かもしれない。






