03話 侵入者
名前を付けたと言うことで何か変わることは無かった。いや、それは当たり前なのだが、あの異常な反応に深読みしてしまっただけだ。
『再度通告します。侵入者を三名確認しました。』
聞こえてる、聞こえてるよ。少し現実逃避をしてただけだから。
てか、この声は俺しか聞こえないのか?皆無反応なんだが・・・・
『解。正解です。この声はマスターにのみお届けしています。』
そ、そうか。会話までできるとは。
侵入者かー。もう少し待ってくれてもいいと思うんだが・・・・
それで、侵入者、どこにいるか分かるか?
『解。可能です。映像を繋げましょうか?』
そんな事まで出来るんかい!
あっ、もちろん、お願いします!
『了解。映像を繋げます。』
突然現れた映像にレイドたちは驚いたようだ。
ゴブリン表情分かりずらいけど、それでも分かる。
まあ、無理もない。聞いていた俺でも驚いたんだから。
出てきたのはホログラムの様な何かだ。
そこには言葉通り三人ほどの敵が映し出されていた。
青い体皮、長い耳、手製感あふれる木の胸当てを付け、我が物顔で迷宮中を歩く。
体長160程度だろう。槍を掴み、犬の様な、てか、犬が二足歩行していた。
これはコボルトってやつか。
『否。あれはコボルトの上位種、アークコボルトです。平均ランクはC。』
アークコボルトの平均ランクはCだそうだ。対してゴブリンはE、ホブゴブリンでさえDなのだ。勝てるはずがない。
CランクのモンスターはDランクのモンスターが10人で掛っても勝てない相手だ。それが三体。
最早絶望的と言っていいだろう。
「あ、あの・・・これは何ですか?」
声の主はミアだった。その声は緊張に震えているようだ。
無理も無い。俺とてあんな壮絶な死を経験してなきゃ、発狂しているレベルだ。
とはいえ、いや、だからこそ、真実を告げなければならない。
「あれは・・侵入者だ!」
沈黙・・・・・は訪れなかった。
なぜなら・・・・・・・・
「アクア様!ここはぜひ我に先陣を切らせてください!あのような雑魚一瞬で塵にしてまいりましょう!」
レイドよ、あれはゴブリンがそんな顔していい相手じゃないんだ。いったいその自信は何処から湧いてくるんだ・・・・。
いや、もしかしたら策があるのかもしれん。
そう言うことだな?レイド!
レイドはコクリと頷いた。
「ふむ、ならばレイドに任せよう!」
と、思っていたのだが・・・・・・
レイドは隠れることも無く、文字通り先陣を切った。
レイドオオオ(ノ・ω・)ノオオオォォォ-!