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やってきましたお色気イベント?

 そうして、先ほどの約束は何なのか散々、母さんに茶化されもみくちゃにされながらも夕食を食べ終わった。

 まったく! 母さん、お酒が入るとタチが悪くなるんだから!

 しかも、冬音姉も、ザルか、お酒の神様のバッカスのようにお酒を飲んで……いちいち、お酌をするのも大変だよ。

 いつもは母さん1人なのに、面倒なのが増えてしまった。

 2人とも、面白半分にぼくをつまみにするし、しかもベタベタとくっついてくるし、

 それを見ていた妹も混ざってくるし、そうして3人でしつこく絡んでくるし、ホントにもう!

 大人は! まったく大人は! あ、妹はいいんだよ。オールグリーンだよ。

 そうして、これ以上撫で回されないよう2人に気付かれる前に部屋を抜け出して、こっそりとお風呂に入る。

 流石にお風呂にまでは、ちょっかいをかけてこないだろう。

 チャプチャプ……

「はぁ~。あったかーい。やっと落ち着けるよ。やっぱりお風呂は心が休まるな~」 

(へぇー。ここの星の人たちは、温めた水の中に入って体を清めるのですね)

(そうなんだよ。日本人は1日1回お風呂に入らないとね……って)

 ああ! エリュエちゃんを忘れていた!


 わたわたと、慌てて体(特に前の方)を隠す。


(……あの、エリュエちゃん。も、もしかして……見た?)

(はい? 見た、とは……何をですか?)

 きょとん、としているエリュエちゃん。

(それは、その、ぼくの……い、いや、見てないならいいんだよ!)

 口に出しそうになった単語を慌てて引っ込める。

 見てないならそれでいいのだし。

(あっ、わかりました! 以前習った、生物学上、違った個体を持つ場合にオスの……)

「わー! わー! わー! わー!」

 大声でエリュエちゃんの話を打ち切る。

 これ以上この子をしゃべらすと、とんでもない事を言い出しそうだ。

(お願いだから、お風呂に入る前後の事は忘れて!)

 エリュエちゃんに精一杯お願いする。

(ええー! ……まぁユーマさんがどうしても、とおっしゃるのなら、いいですけど……)

 つまんなさそうにするエリュエちゃん。

 だが、こういった事はやはり男の沽券に関わる問題なので、

 多感な青年期を過ごすぼくには「女の子に○○を見られた」という事実さえ、

 エネルギーに変えてしまう程のポテンシャルを秘めている訳であって……いかん。

 なんだかこの話の流れはイヤな予感がする!

 こんな時は、ベタな漫画みたく素数を数えよう!


 ええと……あれ、1は素数だっけ?

(1は素数じゃないですよ)

(ああ、ありがとう……えーっと、3・5・7・11・13……次は~)

(17です……あの、なんで素数を数えているんですか?)

(それはね、男の沽券にかかわる問題……って、説明させないで!)

(はぁ~。素数は、男の沽券にかかわる問題、なのですね……深いです)

(いや! そういった事じゃなくてー! ああ、もうなんて説明すれば!)


 お風呂の中で、エリュエちゃんと、そんなやり取りをしていると、

「ちょっと~、ユウちゃ~ん。お風呂でなにを騒いでいるの~?」

 洗面所で、ベロンベロンに酔っ払ってヘラヘラしている冬音姉の声がした。

「ううん! なんでもない! なんでもないよ~!」

 努めて普通の声を出す。

 確かに1人で声を出したりしてたら怪しいもんな。


 まぁ、早い所、お風呂をあがろ……ん? シュルシュル……?

 なにやら外で衣擦れの音がするけれど……って、ま、まさか!!?


 がちゃっ。

「おっじゃましま~す!」

 ほろ酔い気分の冬音姉が入ってきた! し、しかも、す、素っ裸で! うおおおい!?

 多量の湯煙と、謎の光のおかげ(せい?)で、間一髪、見ずに済んだのだけれども、こ、これはマズいよっ!

「ぶっ! ちょっと、冬音姉! 隠して、隠して!!

 いや、てかなんで入ってくるの! まだ、ぼく入っているんだよ!?」

 目を閉じて、必死に冬音姉のスレンダーな、しかし出ている所は出ているという理想の肢体を見ないようにする。

 ……え? なんでわかるかって? いや、見てないよ! 想像して言っただけで!

 って、想像しちゃダメだ! ああ、鼻血が……!

 そんな1人で勝手に自滅しているぼくに構わず、体を洗い流し始めた冬音姉。

「え~! だって引っ越す前は、よく一緒に入ってたじゃな~い!」

「それは何年も前の話だよ! その時は、ぼくもまだ小学生だったし」

「でも、私はその頃、ユウちゃんと同じ高校生だったから状況はあんまり変わらないと思うよ~?

 昔と同じ、裸の付き合いなんだから、いいでしょ♪」


 冬音姉のエコーのかかった、お気楽な声がお風呂に響き渡る。

「いや、昔と全然、状況が違うよ! 本当に、その、困るからさーーっ!」

「え~? 違うとか、困るって言ってるのは、さっきからユウちゃんが必死に隠している~、コ・コ・の・こ・と・か・な~?」


 耳元で、艶のある、いじわるな声をささやかれる。

 目を閉じているから、冬音姉の動きがわからずに余計に、こうふ……いや、混乱してしまう。


「うふふ……ユウちゃん、固くなっちゃって、か~わいい♪ ふ~(はぁと)」

 そうやって耳に息を吹きかけられる。うう、ゾクゾクしちゃうう! 


 ……あ、ていうか、固くなってるのは体の事だからね!

 決して、それ以外の意味はないんだからね! 他意はないから!


(? という事は、それ以外の意味があるんですか?)

(エリュエちゃん、もう勘弁してください! ぼくも、もういっぱいいっぱいなんです!)

(はぁ……よくわかりませんが、わかりました)

 しかし、いっぱいいっぱいのぼくに更に追い討ちをかけてくる者がいた。

 ガチャッ!!

「お兄ちゃーん。冬姉ちゃんとも入るなら、わたしとも入ろうよーー!」

「えええ!? メイーーーーっ!!?」




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