僕の日常の一部
しとしとと振り続ける雨。
梅雨なのだから、それも当然であるのだが。
この時期だけは、学校に行くのが憂鬱だ。
なんて事ではない。ただ単に濡れるのが嫌で、廊下で練習する運動部がぶっちゃけ邪魔なだけだ。
だって奴ら、ただ単に前を通るだけでもからかってくるから、ねぇ。
そんなこんなで授業も欝。休み時間も欝。友人と会話しない訳ではないけれど、それもほんの気休めに過ぎない。
だからという訳でもないけれど、梅雨の間は寄り道もせず、家と学校を往復するだけ。
寄り道出来るような所も無いし。
「ただいまー…」
「おかえり。元気ないな、何か有ったか?」
「父さん…。無かったらこんな陰鬱な顔しないでしょ」
我が家の父。
平日のこの時間は、仕事に行ってる筈だが……。
あぁ、今日は土曜だった。
特別日課で土曜登校なんかするから曜日感覚が狂っていたのか。普段土曜日は休みだし。この中途半端な時期に土曜登校する意味が分からないけど。
「じゃ、有ったことを話してごらん」
「特に何も無かった事。雨が降ってる事。総合して日常な事」
「日常じゃつまらないかい?」
笑顔で尋ねられると返す言葉が見つからない。
「日常は、嫌いじゃない。それが戯言なのも、別に……」
「そうだね。日常なのは良い事だ。少なくとも、悪い事ではない」
「それがどうしたんだよ……」
「別にどうって訳でもないけど」
脱力……。ホントに何なんだこの人。
家に居ると必ずと言っていいほど僕の調子を崩してくれる。何がしたいんだ。
「人間ね、やるべき事とか、やりたい事とか、いちいち決めて行動してたら身がもたないんじゃないかなって思うんだよ」
「それ、某ロボットアニメ主人公を完全否定してると思うけど、結局何が言いたいのさ」
「家の中でくらい、物事を主観的に見てみたらどうかな?」
絶句した。
なぜ、それが分かったのだ、と。
物事を客観的に見る事が癖になっている僕は、いつからか、主観的に見るという事を止めていたから。
「いつも緊張したようにしてるじゃないか」
「なんで分かっちゃったかな……」
「これでも君の父親だからね」
そう言って微笑む。
まったく、力の抜ける。
この日以来、なんとなく僕は家でだけ、物事を客観的に見るのをやめようと試みるようになった。
……別に、父さんの影響じゃないからねッ!!
ま、たまには戯言離れもいいかななんて。
これも所詮は戯言か。




