第十九話 賑やかな宿 その3
そうこうしてると机のわきに置かれたリリーのカゴが大きく揺れる
「あ、そろそろご飯の時間かな?」
「リリー、カゴに何入ってるの? まさかネコでも拾ってきた?」
「近いけど違うよ~ じゃーん!」
そういって取り出したのは、大きな若草色のゼリー
「ボススライムの【マスカット】だよ~」
「え? もうボスモンスター捕まえたの?」
「いんや~ ベータテスターは1匹だけ製品版に連れて行けるの この子がその1匹」
「スライムって鈍足って聞いたけど、どうやって戦うの?」
「私がこのカゴを背負って、マスカットがカゴから触手を出して酸弾を撃つの~ 強いよぉ~」
「そりゃあボスだもんね」
「ツクモンはモンス捕まえた?」
「まだだね ビビッと来る子に出会えるまではソロかなぁ」
「このゲーム、モンスとの共闘を前提にしてそうだから、完全ソロはきついかもだけど、頑張ってね~」
「ありがとう リリー」
「いえいえ~ じゃ、この子にご飯あげたら食堂に行って私たちもご飯食べよっか」
「その子、何食べるの?」
「回復薬を飲ませてるよ~ 色も元々は透明に近かったんだけど、回復薬を気に入ってから飲みまくってたら色ついちゃったの」
「趣味嗜好があるのね」
「そのせいかな 回復魔法のスキルまで生えちゃったし、育成要素はだいぶ凝ってると思った方がいいね」
「へぇー」
「じゃ、行こっか」
「うん」
ーーーーーーーーーー
食堂
ーーーーーーーーーー
「あんたら、話はもういいのかい?」
「私たち、お腹すいちゃったので、旦那さんのご飯が早く食べたいなぁ~って」
「旦那さん?」
「この宿の料理人はあたしの亭主がやってるのさ」
「そうだったのですね」
「クォーコさんって言うんだけどね、ザ!豪快!って料理で食べ応え抜群なんだ~」
「話を聞いてるとお腹すいてきたな」
「今日はウサギ肉のステーキだよ! おーい!クォーコ!ステーキ定食二つ!」
「おう!」
「そんじゃ、座って待っとってね 席は...... カウンターでいいかい?」
「いいですよ~」
「大丈夫です」
「じゃ、座っててね」
待ってる間はリリーと学校の話をしていた
(リリーは宿題の話の時は耳をふさいでいたが... 大丈夫なのだろうか?)




