第十八話 賑やかな宿 その2
私は百合......じゃなかった、リリーの後を追って2階に上がる
「空いてる部屋はっと 202号室だね~」
突き当りの右側の部屋に通される
「ちなみに私は対面の201号室を借りてるんだ~」
「従業員じゃないの?」
「従業員兼お客かな~ 夕方からお手伝いする代わりに宿代を減らしてもらってるの~」
「へぇー」
「あ、ちょっと待ってて 一瞬、部屋に戻るね~」
「うん」
202号室からリリーが出ていく
それにしても広い部屋だ
いったいいくらするのだろう
「..........あ!」
宿代を聞かずに入ってしまった!
もし足りなければ警察に、この町だと衛兵かな?に捕まってしまう!
「7000Gで足りるかな...」
私が不安に駆られていると、リリーが戻ってきた
大きな木編みのカゴを持っている
「ねぇ、リリー、この宿の宿代なんだけど...」
「あぁ、一泊500Gだよ? まさか足りない?」
「ううん よかったぁ 足りるよ」
「それは安心だね 私もツクモンに借金させずに済んでよかったよ」
「ゲーム初日で借金とか、嫌だもんね」
「ね~~」
今度はリリーが私に質問してくる
「ところでツクモン、今日は何してたの?」
「今日は......」
そして、大まかに今日あったコトを話す
「初見で角ウサギを倒すなんて、ツクモンつっよ~い!」
「焦ったけど、そこまで強く感じなかったけどね」
「多分だけど... セルヴォによるベリーの乱獲が原因かな?」
「セルヴォって確か、シカの魔物だよね あんまり関係なさそうだけど...」
「私たちプレイヤー以外にも、【満腹度】っていうステータスがあるの おそらくベリーが少なくて角ウサギが飢餓状態にあったのかも」
「飢餓状態?」
「うん INT、いわゆる賢さが下がって攻撃が上がるとか、怒りっぽいとか、身体能力が落ちるとか、そういったバフデバフの総称だね」
「確かに、【状態:激昂】だった」
「なら、この後ギルドから、セルヴォの間引きクエストが出るだろうね~」
「そうなの?」
「生態系の安定化もギルドの仕事なの」
そうこうしてると机のわきに置かれたリリーのカゴが大きく揺れる




