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第三章 ──街へ

「はい、では外出許可が出ましたので、こちらの区域内を歩行してください」

執行官に促され、ユウは子犬の姿のまま、街の歩道に立たされた。


誰もが、彼を笑って見ている。子どもは指をさし、スマホを向け、大人たちは苦笑いを浮かべて通り過ぎる。


「わあ、またひとり、子犬刑かぁ……」「何やったんだろね」「ちょっと可愛いけどね……」


ユウはその場にしゃがみ込んだ。恥ずかしさと羞恥で息が詰まる。だが──


「わんっ」


えっ。口が、勝手に。


「わんっ……!」


言葉が出せない。声が「犬語」に変換されている。


「はっはは!ちゃんと鳴いてるぞ!」

「これ、情緒安定剤としての効果あるらしいよ。周囲の笑顔も増えるしさ」


心がすり減る。

でも、同時に──ほんの少し、誰かに受け入れられている気もした。


その瞬間から、ユウの中で何かが変わり始めていた。

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