いつ爪。現実と夢。
どうもはじめましての方ははじめましてです。
よろしくお願いします。5話です。前話から投稿する間が長いので遅いかもです。それはごめんなさいです。ただ、今後もこんな感じです。
う…。ううん?
リュウはどうやら目覚めた。眠気に負けないよう、2度3度強めにまばたきをする。
洞窟内のゴツゴツしている岩石の天井。古布を何枚も重ねている式布団とよく使う掛け布団。リュウにとって見慣れた、自分の住処だとすぐ分かった。
「リュウちゃん!」
上半身起こすと、近くで焚火と鍋で何か作っていた母親がリュウに気づいて、寄ってきた。
「もう少し寝てな。リュウちゃん見つけた時、流石のあたしも焦ったわ。魔除け魔法は無効化されるわ、物は破壊されるわで、しかもリュウちゃんが…………あああ、ほらほら寝な。」
母親の手によって身体を横にさせられる。母親は優しく布団を掛けてくれた。
「2日も寝てるからね、傷にも胃にも効くモン作ってるから待ってな。」
母親は焚火のとこへ戻り、リュウは天井を見つめては目を閉じての繰り返し。
全身重度の筋肉痛のようで、自分は何をしていたんだっけ? っと、過去を辿る。
母親のおつかい。村の道具屋へ。買い物。帰り……。そして。そして、そして……。
……………………。
リュウは眠った。……眠ったというよりも、黒球が空から降ってきた光景を思い出し、芋づるに女の子の場面まで辿ると無意識に恐怖心で拒み、心臓までもがドクンと破裂するような痛みと苦しみに耐えられず、気絶してしまったのだ。
『おい! 応援を呼べ! この怪物を早急に捕縛しなければ上がうるさくなるぞ!』
村で見たこともない格好の兵士が1人…、2人3人…………13人。各々剣と盾、槍や弓を装備し対峙していた。
武器の狙い先はどうやら自分らしい。
リュウは『どういう事だ?』と考えた。何故自分を狙うのかという答えはすぐ分かった。なので、『どういう事だ?』という言葉は別の意味へとなる。
自分の身体は怪物になっていたのだ。視界に映る手指先は鋭い伸びた爪だらけ、脚が犬のような形で手爪と同じく地を鷲掴みしてしがみつく強固な足爪。赤く染まっている覆われた鱗はほとんど全身に見受けられ、お腹や首や下半身内側と関節部は、人の皮膚よりも動物よりも、鱗はないがその分堅そうな皮膚が確認できる。
兵士何人かが鱗よりも皮膚ならば剣が通ると考えたようで、斬りつけ、突き、弓矢が飛ぶ。
『がぁ!?』
突きをした兵士の剣先は少しばかり刺さったが、皮膚の弾力に負け、反動で弾かれる。
斬りつけは、皮膚に跡が付いただけで痛手はない。矢も突き攻撃のように刺さりはするが深くは入らないせいでポトポトと落ちた。
『!? また火を噴くぞ!!』
兵士の叫びを応えるように、自分がありったけの空気を吸い込み、吐き出す。吐き出したのは大火。『ギャアッ!』っと何人もの兵士が火を被ると悲鳴を上げた。瞬時に土や兵士は真っ黒となり、兵士達の装備品の表面は溶け、木造物や木は火事となる被害と威力。
火の範囲外にいた兵士達にも、と自分は腹に再び空気を入れ、1歩も動かずにその場から火を吐いた。
次に吐いた火は、一直線に伸びた放射型の青火。さっきの大火とは違い大勢を巻き込むのは不向きだが遠距離型で、的に当たれば隅になる所か貫通する火力だ。目を付けられた兵士達は上半身と下半身が分かれ、または頭に当たれば蒸発し、死んでゆく。
自分がいる場所には、やがて人がいなくなってゆく。兵士達を全滅させた時、周囲は火の水溜まり化となる。熱いはずなのに自分は動こうとする気配はない。まるで火にそのまま飲まれても構わないと言わんばかりに。
『おいたはそこまでだよっ!!』
聞き慣れた声。
『さあ、帰ろう。』
一度目は叱るような声だったが、次は優しく私に接した声。全身漆黒のマントで隠しているが魔法を使用するのに使う愛用の杖と聞き慣れたはまぎれもなく母親だった。
『ちょっと痛いけど我慢するんだよ。』
空に向いている杖先が自分に差した母親。すると自分の頭上に雷が落ちる。根っこのような枝分かれした太い光と轟音。
『ギャアアアアアア!』
人の悲鳴ではない。動物の、犬と猫と鳥の鳴き声を合わせたような悲鳴。それは自分のだった。とてつもなく痛くて苦しいのが何故か伝わる。
母親の杖がまた自分を差す。同時に轟音の雷。
……3回目の雷魔法でどうやら自分は気を失ったらしい。
ありがとうございます。書きたいことはあるけれどそれを表現をするのはとても自分には難しいですね。
しっかりと相手に伝わるような文を作れれば良いのですが…。
それではまた。