『暗く沈んで行く夕焼けに』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
『暗く沈んで行く夕焼けに』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
㈠
夕焼けは歌わない言葉を掛ける距離の夕焼けに。
崩れて行く観念の先に普通の幸せがあることを望んで。
ただ明日の朝陽を見るまでもなく通常で。
困難な通常を当たり前の通常へ反復し。
㈡
反復し距離を取ることを当たり前の夕焼けに。
終わらない距離を保つことで永遠の時が知れたら。
いつか暗く沈んで行くと思われた夕焼けが。
君と見る夕焼けがいつか朝陽に変わる当たり前の明日が。
㈢
明日が当たり前に来るように狂うように当たり前に生活し。
君と君のためにただ沈んで行く夕焼けを前にして。
暗く沈んで行く夕焼けに明るく沈んで行く夕焼けが言うことは。
ただ当たり前の生活がどれほど尊いかを教えてくれた夕焼けに。