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第11話 塩対応



当然ながら2往復目は水汲みが出来ていない。

逃げるのに必死で木製の桶も置いて来たからだ。

そして、その原因は「俺」(てへぺろ)

のせい。

てへぺろと思えるのも命あったからなんだけどね。


ティナは普通にしようとはしてるものの、やっぱ怒ってます。(そらそーだわな……)


自分が原因と解ってるので大人しくしています。


食事の時も無言で食べています。


「スープお代わり貰って良い?」


「どうぞ。」


(うわ……この感情の無い返答……昔付き合った彼女と別れ際みたいな感じで胃がキリキリするわ……下手な事言えんし出来ん……まぁ、最悪居候だし出て行くことも考えないとなぁ……身から出た錆と言うか、身から出た性癖だわな……自分で思い付いて自分で酷いと思うわ…)


「マサキ、食事終わったら少し話あるから。」


「は、はい!(ヤバい……来た……この時いよいよ来たわ……死ぬ恐怖より俺はこう言う恐怖の方が嫌だなぁ……)」


ジャッジメントデイ……こんな言葉が脳裏に浮かんだ。勿論BGMはデデンデンデデン!デデンデンデデン!ちゃららーらーらー……

Tー1000て液体金属だったっけ?

余りの恐怖によりくだらない事を考えて紛らわす。



そして

無言で食事が進む。


「それと、今日は水汲みが半分しか出来なかったからお風呂は無しね。」


「はい、分かりました。」

(俺ティナと倍以上歳離れてる気がするんだけど、何か、勝てる気がしないわ……(涙目)



食事が終わり、片付けを手伝い食卓の椅子にフリーズ。

(何も言えない。てか顔見れん。)


ティナが向かいに無言で座る。

口元辺りで指を組みこちらを見ている。


(おおお……〇ゲンド〇ポーズ!ホントにやる人初めて見た……)


「さて、今マサキが考えてる事当てようか?」


(むむっ!このプレッシャーはっ!そんな事思ってる場合では無いわ。)


「はい。」

(自分にニュータイプの力は無かった様だ……ティナの思考が全く読めんし見えん。ガクブル……)


「マサキ、ここ出て行こうと思ってるでしょ?」


自分の考えてる事を図星にされ、咄嗟にティナの顔を見ると今にも泣きそうだった。


「確かにその通りだし、今回は自分のせいでティナを危険に晒したから弁解の余地は無いだす。(噛んだ!)です。」


「やっぱり………何でそうなるの?」


「え……いや……なんでって………」

(意図か全く解らん……迷惑掛けたから出て行くつもりだったんだけど、ソレを言えば良いのか?)


「なんと言うか、迷惑掛けたから出て行こうと思ったんだけど……」


「だから、何でそうなるの?って聞いてるの!」


(うわ~デジャブだわ~……昔にもこんな事あって向こうの欲しい答えが俺には解らない。かと言って変な事を言えば「もういい!」ってなるパトゥーン!ここは慎重に行かなければ……)


ティナは泣いている。


「えと、ちゃんと水汲みしてくるよ。」


「はぁ??(イライラ)」


「いや、だから今日の分の水汲みを明日にでもしてくるから。(震え声)」


「誰が水汲みの事なんて言ったの?(イライラ)」


「今日風呂無いからって言ったからさ、今日の分もちゃんとやって行こうと思って……(白目)」

(何となく自分でも何となく解ってる。話の論点はこんな事じゃない事位は。でも色々考えると……言えなくなる………)


「そんな事な訳無いでしょ?なんで解らないの?(泣)」


(あー……はい。負けました。大人はズルいとか姑息とか言われるかもしれないけど解りました。)


「今日の事は本当に済まなかった。今後は気を付ける様にするから、もう暫く居させて下さい。」

(なんだコレ?何か前世の悪夢が蘇って来るようだぞ……と言うか本当に此処って異世界なんだよな?何で前世と、同じような状況になったんだ?)


「うん、解った。それと……黙ってどこかへ行かないでね…………」


(ホッ……答え合ってた……そりゃこんな美少女とお近づきになれてラッキー!とか、倍も違う歳の差の背徳感とか色々あって、ぶっちゃけ折角のチャンス逃すの勿体ねーとか、離れるの惜しいとか思ったけど、何かほっとけないってのもあるし……いや……本当は自分が拒絶されるのが怖かったんだな。)



あんな事があった後でも、まだ自分を必要としてくれてる気持ちを確認できて

お互い少しホンワカした気持ちになれた夜であった。


かなり棚ぼた的ではあるが

「雨降って地固まる」

である。


そしてありがちな超ラノベ展開キターーーーー!



因みに、まだ出逢って2日目(笑)





昨夜の「審判の日」をどうにか切り抜けたマサキは今日の予定を頭で確認してみる。


とは言え、居候の身で水汲み以外することは無い。

する事が無い事は無いのだが、未だ何処から手を付けて良いものやら考えあぐねていた。


「マサキ~!水汲み行く時は言ってよね~。私も着いて行くから~。」


「了解~!」

(機嫌直って良かった……。平和が1番!普通が1番!平凡な毎日万歳だ!)


とは言え、2、3日置きに水汲みするのはどうかと思っている。

天気や季節にも左右されそうだし(アレ?季節ってあるのかな?)、何より命の危険を犯して生命に必要な物を取りに行くのは何とも矛盾する感じがする。


「そこでだ。ティナさんや、井戸を掘ろうと思って居るのですよ。」


「はぁ……。井戸ねぇ……そんな簡単に掘って上手い事水が出てくるもんなの?」


(ふふふ……馬鹿め!俺様は前世の知識があるのだよ!前、自分の庭に井戸を掘る動画を見た!Y〇〇Tubeでだ!)


「なら作ってよ!水が出るまでは水汲み行かないとダメだけどね」


(まぁ、そらそーだわな。)


「それでさ、地面を掘削するのに細長い筒が必要なんだけど、どっか無い?しかもタダで」


「長い筒かぁ……あんま見た事無いんだけど、森にある硬竹なら筒なんじゃ無いのかな?」


「竹?竹って節あるんじゃね?」


「いや、節がある竹も有るんだけどさ、硬竹ってスパーンと真っ直ぐで節とか無いんだってば。」


「よし、じゃぁ今日から水汲みがてらに硬竹の群生地を探すか!」


「あ、昼には戻れる様にしようね。余り1日中家を空けて置くの心配だから。」


「解った!」


井戸を掘る目標が出来、水汲みと硬竹を探すジョブが日課になった。



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