表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

第10話 魔物と太もも

森のでじっと息を潜める男女。

元い、美少女とオッサン。


狭い岩の影に隠れながら振り返って状況を教えてくれる。

「魔物が近くに居るわ…少しの間静かにして居てね。」


とてつもなく大きな、観光バス並の狼がゆっくりと前を横切る。

(デカっ!あんなん無理だわ……無理ゲー過ぎる……赤ん坊が車に立ち向かうのと同じだわ……)


ここで声を出すのは得策では無いと判断しガクブルしながら無言でサムアップして呼応した。


最初はこの大きな狼をやり過ごせるのかどうか、心臓がバクバクしていたのだが、時間が経つにつれ少し冷静になって自分等の状態を分析してみる。


ティナは自分より高い位置に横向きでしゃがんでいて丁度目の高さにミニのワンピースから出ている真っ白な太ももがある。

(ふ、ふぉ~!!!こ、コレは!こんな近くで見る時無ぇ~!脳内保存!脳内保存!ハァハァティナタソの太ももハァハァ……)


人間、死を意識する時、本能的に子孫を残す為興奮状態になると言われているが、マサキのコレは違う。


ただの変態スイッチが入っただけだ。(笑)


「大丈夫?息が荒いけど上手くやり過ごすからもう少し静かにしててね。」


ティナは解っていなかった。

魔物よりも恐ろしい者が傍に居る事を。


(ティナタソの太もも……ハァハァ)


魔物の様子を伺う為に体制をずらす度にワンピースが捲り上がって行く。


(ティナタソ……ハァハァ……触りたい……hshsしたい……)


ティナはそんなマサキの異常な事にも気付かず魔物の警戒をしている。


(し、辛抱たまらん!ふぉぉぉぉ!)


手が無意識に太ももに近付き軽く人差し指で触ってみた。


ぷに。


(ふぉぉぉぉぉ~っ!なんと見事な弾力!陶器の様なしっとりスベスベ肌!太もも万歳!)

異世界に来て2度目の俺の中の全米が拍手した瞬間であった。


「何?どうしたの?」

マサキの異常等露知らず、素で呼ばれたと思い小声で呼応する。


「ハァハァ……ハァハァ……(眼がぐるぐる)」

(呼ばれたと勘違いしてる。(ニヤリ)


「ちょっと、大丈夫?もうすぐやり過ごせるから我慢して!」


(こんなん見せられて我慢なんて出来まへんがな…)


「いい?合図したら直ぐ移動するから静かに行動してね!」


(合図したらぺろぺろ。合図したらぺろぺろ。)


この時マサキはティナの指示は聞いているものの、自分の欲求とごっちゃになってしまっていた。


「行くわよ、3、2……1……」


「ぺろぺろ……ぺろぺろ……」


移動する為立ち上がろうとした瞬間にぺろぺろされ


「ひゃぁ~っ!!」

声を出してしまった。


「ティナタソぺろぺろ……」


「ち、ちょっと何してんのよっ!」


驚き反射的にマサキの脳天にチョップをかます。


「きゅ~………………」

ぺろぺろしていたので脳天にチョップを食らった時舌を噛み我に帰る。


声に反応してピクっと耳を動かし、やり過ごせたと思った巨大狼が戻って来る。



「もうダメだ……もうダメだ……マサキのバカ!ホントバカ!」


我に帰ったマサキはピンチな状況を把握し落胆する。

が、自業自得。


「ごめんなさい。」


「謝って済む問題じゃ無いのよ!もう死ぬかもしれないのよ!どうしてくれるのよっ!」


ティナ泣きながらマジ切れ。

俺氏無力で打つ手ナッシング。


巨大狼はコチラに狙いを付けて狩る体制に入った。


(あ~……サイドワインダーでロックオンされるってこんな感じなのかぁ……)


(もうダメだ…………死んだらリセット?とかは無いよなぁ……)


逃げる方法を考えるが体力、スピード、何を取っても逃げれる気がしない。


(こんな時チャフ(囮)とか俺にも出せれたらなぁ……)

空オタでもあったマサキは変な例えを考えつく。


「チャフ有ればなぁ……」


思った事を口に出したその瞬間、巨大狼の後方100m先で「スパンッ!スパンッ!スパンッ!」と連続して音が聞こえた。


何事かとそちらを見ると何やら大量の何かがキラキラと風に舞っていて巨大狼も警戒しながらそちらに向かって行った。


「なにあれ?」

ティナが涙目でしゃくりながら聞いて来たが


「解らん!逃げよう!」

とだけ伝えて腕を掴み走り出す。


(何アレ?俺が知りたいわ…解らんもんは解らん。)


息を切らしながら森の入り口迄来た。

草原が見えて緊張が解け、掴んでいた腕を離す。


「ごめんなさい……」

先ず謝った。


「……………」


(黙られるの1番ヤバいパトゥーンだわ………)


「今回の事は本当に申し訳無かった!」


直立不動からの~腰から直角に曲げて~の謝罪。

納期が遅れてクライアントに謝る時の奥義だ。


「怖かったんだから……」


「あいすいません……」


「何であんな時にあんな事するの?」


「いや、まぁ、目の前にあったからと言うか……はい……すみませんでした。」

(すみません、ごめんなさい、申し訳無い、だけ言うのは、相手からすると馬鹿にされてると思われるそうなので「何故」の部分は正直に言う。)


「そうだからって時と場所が有るでしょ?死にたいの?」


(確かにTPOは大切だ。それは解ってる。だがしかし、目の前にピチピチギャル(死語)の生脚があったら、それを見るだけで我慢出来るかっ!否っ!断じて否っ!)


「はい……時と場所は大事です……死にたくはありません。(既に1度死んでるんだけど)」



「だったら次からはちゃんとしてよね…ホントに死ぬかと思ったんだから。」

本気泣きをしたのでティナの目は腫れぼったくなっているが、なにか「背徳感がありコレもアリかも!」と思って仕舞う自分が居た。

(あれれ?俺クズじゃね?いやいや、本音と建前なんて現代社会を生き抜く為の常識だぜ!ソレがどんなにゲスくてもなぁ……)


「帰ったらご飯にするよ。」

まだ感情が不安定ながらも、どうにか普通にしようと努力しているのが垣間見れて「健気だなぁ」と思った。


1つわかったことがある。

美少女が目の前で死んだり悲しんだりするのは後味が悪いと感じたので少し自重しようと思ったマサキであった。


そしてどんな世界でも

可愛いは正義だと確信した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ