表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

襲撃、応戦

最後にお知らせがあるので出来ればお読みください

 警察署を後にして、俺たちは商店街に来ていた。まあ商店街って言っても、半分くらいは食い物の出店だ。

 もう半分の店を構えてるところは雑貨なりレストランなり店を構える必要がありあるやつばかりだ。交換所以外の武器屋とかもこの辺にある。

 交換所のは既製品で使い勝手がいいんだがカスタム出来ないんで、特注の武器なんかを作ったりメンテナンスを頼んだりする奴が行く所だ。

 まあ、俺たちの目的は出店だから店が立ち並ぶ方には今日は近寄らない。レストランとか食事処行くと二人がよく食うからいくら金が飛んで行くかわからねぇしな。出店の方が節約になる。


「米は家にあるんだからおかずとか買えよ」

「うん」

「美味しい匂いする、あっち!」

「紫焔の鼻は食べのもの匂いには敏感だな」


 紫焔の鼻を頼りに歩いてくと、肉を焼くいい匂いがしてきた。

 あれは食事所が出してる出店か。食事所とかで出た細切れ肉を焼いてるんだろうな。


「三つくれ」

「あいよ、千五百円ね」


 お金を払って、肉のぎっしり詰まったパックを三つ受け取る。

 パックから肉がはみ出しそうなくらい入ってるが、これが普通だ。

 とにかく感染者ってのは腹が減るからな、大盛りが当たり前になってる。基本はこれくらいで足りる。

 ただ戦闘なんかをするともっと腹が減るんで、その時はこれの二倍三倍の量は食べる。

 ちなみに感染者に太ってる人はほとんど見かけない。

 筋肉の付いた人なら見かけるが、みんな普通体型だ。

 普通に生活するだけでもカロリー消費が激しいからなのか、スリムな人は見かけるが太ってる人は見かけないんだ。

 そしてこれまた謎だが、極端に見た目の悪い人も居ない。

 感染して体が作りかえられる過程で、顔まで変わってるんじゃないかってくらいには。

 だけど感染前と顔が変わってるなんて話は聞かないし。みんな気にもしてないんで普通なんだろうなこれが。

 肉を持ってウキウキしている紫焔を横目に、家まで歩いてるとけたたましくサイレンが鳴り響いた。

 当たりがざわめき出し、緊張感が当たりを包む。

 このサイレンは、鉱石獣が安全圏内に入り込んだ時に鳴る。めったにこのサイレンが鳴ることはない。

 安全圏に鉱石獣が近づくと中に入る前に駆除されるからだ。なのにサイレンが鳴るってことは、群れで襲ってきたか?


「お前たち先に家に帰って、いや警察署に戻ってろ。街の中じゃあそこが安全だろうからな」

「わかった、玖羽行こ」

「うん」


 物分りのいい子供で助かるよ。そしてすぐに俺のスマホが鳴り響いた、須摩さんだろうな。


「はい」

「緊急事態だ、鉱石獣の大規模な群れが安全圏を襲っている。防衛線が構築されているけど既に何体か侵入しているみたいだ。あと未確認な情報だけど」


 書店街の入り口から、人が悲鳴とともに逃げてきた。逃げてきた先には鉱石獣の姿が見えた、いびつな影とともに。


「もしかして人型の━━」


 そして、どこからともなく。いや、明らかにあの歪な影から火の玉が飛んできた。

 鉱石獣がアーツを使うなんて聞いたことねぇぞ。


「アーツ使ってくるやつとかじゃないですよね」

「こっちに上がってきてる報告じゃ、そのようだよ。アーツを使う人型の何か。鉱石獣とも言いきれない、未知の新種の可能性もある」

「あー、須磨さんビンゴです。それ目の前にいます。」

「何だって?気をつけてくれ、そいつに関して情報が全くないんだ。今私もそこに」

「多分、他にもいるでしょうし。そっち行ってください、俺一人でもどうにかなります」

「何かあれば連絡しておくれ、すぐ駆けつけるから」

「過保護すぎますよ、俺だってナンバーズなんですから」

「そうだったね。要らぬ心配だったようだ。頑張ってくれたまえ」


 そうして通話が切れた。通話中も変わらず火球は飛んできて、地味に避けるのが大変だったぜ。玖羽達も逃げれたみたいだし戦闘できない奴らも逃げたか。

 しっかし自分で言っててナンバーズって恥ずかしいよな。

 アリスが世界各地に落ちてきて、初期に発見された二十四人の感染者達。

 彼らは確認された順に番号をつけられ、様々な実験を受けた。

 感染者はどう言った存在なのかそれを知るための実験。

 彼らは実験の最中に様々な経験を積み、それぞれが固有の能力を有していた。

 そして、固有能力は二十四以外の感染者には見られなかった。

 そして固有能力を持つ特別な二十四人の感染者はナンバーズと密かに呼ばれている。

 須磨さんは十番目に発見されディエーチの番号を。

 俺は二十四番目に発見されヴェンティクワットロの番号を。

 須磨さんは長いからってクワットロと呼ぶが、ちゃんとした番号はヴェンティクワットロだ。


 さて、人型一体にウルフ三体。おいおい、よく見たらベアーまでいんじゃねぇか。幸いベアーは一体だがこれは骨が折れそうだ!


 考え事の最中だからって待ってくれるはずもなく、人型がまた火球を飛ばしてきた。


 地面を蹴り後ろに避けると、先程まで立っていた場所で火球が弾ける。

 人型の火球を合図にウルフ三体がこちらに走ってくる。ベアーは来ないのか?


 三体のウルフの内一体はそのままそれに向かって走り、残りの二体が左右から俺を襲おうと左右に動く。


 玖羽との訓練のために装備ん着込んで来て良かったよ。まあ、武器の方は持ってきてないんだが。


 一直線に俺に向かってきたウルフが俺に飛びかかってくる。武器がない俺にはどうしようもないさっきまでならな。


 俺は()()()した右腕をウルフ目掛けて振り下ろし、ウルフはそのまま地面に叩きつけられた。


 燃費が悪いからあんまり使わないんだが。今俺の体は両手両足が鉱石化していた。鋭い爪を伴う手は武器として十分通用するだろう。

 そう、()()()を伴った手だ。

 普通に鉱石化したんじゃ手足が鉱石化するだけだが、俺は鉱石化とともに人外化を同時に行うことで、鉱石化した獣の手を手に入れられる。

 人外化と鉱石化になった、俺だけの技だ。その代わり同時に行うから燃費がすごく悪い。


 地面に叩きつけたウルフはその腹を切り裂かれ、まともに動けない。


 これで一体。


 左右から回り込んできたウルフ達は、警戒して俺の周りをぐるぐると回っていた。

 さて、どのタイミングで来るかな。


 先に仕掛けてきたのはウルフの方だった。

 一体が左から噛み付こうと飛びかかり、もう一体がタイミングをずらしてその爪で腹を狙ってきた。

 鉱石化で向上した身体能力を見くびるなよ。その場で高く飛び上がり、地面に向けてアーツを放つ。


「磔になりやがれ」


 氷の礫を放つ。爆発させてもいいが周囲への被害がっ!


 くっ!


 人型の放った火球に当たっちまった。防御できたから直撃ではないが、空中で体制が崩れたっ!


 こんな大きな隙をベアーが見逃すはずもなく、その爪を無防備な俺に叩き込んできた。


 ぐっ! 傷が深い……か。


 地面を数度跳ね壁に激突した俺は自身の状態を見る。


 両腕は防御をした代わりに衝撃で骨が折れてやがる。純粋な鉱石化じゃない分、鉱石化していない部分への被害はでかいか。

 体に大きな傷は無いが、こりゃあやばいな視界が霞んできやがる。

 

誤字脱字は下に専用のがあるのでそちらからお願いします。


感想は私のモチベーションに直結してるので頂けると泣いて喜びます。面白いの一言でも大変うれしいです。


更新頻度変更のお知らせです。

『Reincarnationanndo&World』と『依存させたい彼女達は、逃げる彼を追いかける

』に関しまして、更新を一章が書き終わってからの更新と致します。二つとも1章の半分程度なのであまり多くの時間をかけずに更新を再会できるとは思います。

理由としましてあまりよまれていないというのもありますが、仕事との兼ね合いや眠っているネタを書きたいという理由もあります。読者の皆様にはどうかご理解の程よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ