我に返る
ゴツンと分厚い本が頭に落ちる。
その衝撃で私は意識が戻った。もう戻ることなんてないと思ってたけど、私はまた意識が戻ったのだ。
周りでは私を心配してくれているメイドやお付きの人が慌てている。
私は苦笑いをして部屋に連れてってもらうようにお付きの人に頼んだ。
さて、状況を整理しようか。
私は掃除中不真面目に遊んでいたクラスメイトのせいで死んだはず、
そして今意識がある前は謎のおかしな場所にいた。
うん、よく分からない。
これがもし何度も見たことある転生とやらなら納得いくけど、そんなことあるはずが無い。
だって魔法も夢も無いただただブラックな世界で生きていたんだから。
でも、やけに大きな部屋。手入れのとどいた広い庭。
そして鏡に映る私は全然知らない子になっている。
あるはずない、んだけどなぁ...
本当にこれが転生?
現実味がないなぁ....
私はベット横にある全身が映る鏡の前に立つ
鏡に映る私は見知った私じゃない。
真っ黒の肩までしかない髪は真っ白で腰ぐらいまで伸びていて、
ややタレ目がちの一重の目は二重のまつ毛が長いつり目になっていて、
炎天下の中動くことが多いため茶色く焼けた肌は、ペンキを塗ったのかと疑うほど真っ白ですべすべになっていて、
日本人なら当たり前の茶色い目は異世界じみた紫の目をしている。
全体的にいろんなものが小さくて、
着慣れたブレザーじゃなくて深緑のフリフリしたドレスを着ている。
どこからどう見ても私ではない。
頬を抓っても痛みはくるし、何度目をつむっても変わることはなかった。